2024年６月22日～23日 日本武道館
昨年の全日本学生柔道優勝大会で惜しくもベスト16で敗退した中大は今年、19年ぶりにベスト４入りを果たした。中大は１回戦目の上武大戦を６－１で初戦突破し、２回戦目は昨年優勝校の国士大と対戦し１－０で勝利を収める。３回戦目國學院大戦では引き分けのまま代表戦にもつれ込むも２－１で勝利。準決勝戦は強豪校天理大と対戦し、拮抗するも終盤に一本をとられ０－１で試合終了。優勝はできなかったもののベスト４という快挙を成し遂げた。
▲山口瑛太(経1)
３回戦
中大はシード校のため３回戦目からの参戦で上武大と対戦。先鋒及川航生（文２）が試合開始２分、小外刈で一本をとり先制した。次鋒では相手に技ありから大内返で一本を取られ１―１に。しかしそこからは五将佐々木匠太郎（文４）、中堅主将岩崎雄大（法４）、三将霍本大雅（商３）、副将鈴木一颯（法４）が次々と一本を取り、ここで４－１となり中大の勝利がほぼ確定した。大将戦は中井貴道（法３）が技ありを二つとり勝利し、６－１で試合終了。壮快に初戦を突破した。初戦について岩崎は「ひとつ取られてしまったんですけど、そこは想定内で、他全部取れたのはいい立ち上がりで１回戦目としては良かったのかなと思います」と振り返った。
▲背負い投げをする霍本
４回戦
４回戦の相手は昨年の大会覇者、国士大。失点をしないことを目標として勝負に挑んだ。先鋒から三将までの５戦連続で引き分けとなり、副将の霍本に勝負は託された。相手は2024年アブダビ世界選手権大会の団体優勝に貢献する活躍を見せた川端倖明だ。「相手はポイントゲッターで、世界でも活躍している選手なので。川端選手を投げたら自分はヒーローだなとも思っていたので。逆にわくわくしました」と語った霍本は攻めの姿勢を貫いた。開始３分24秒、相手の懐に入り込み背負投で一本を取った。先輩たちのつないできた想いを勝利という形でつなぐことができた。一生の思い出になったというこの勝利の喜びを仲間と抱き合って分かち合った。１－０で国士大に勝利。
▲一本をきめてガッツポーズする鈴木
５回戦
5回戦の相手は関東を代表する名門國學院大。中大は先鋒青井辰樹（文４）、次鋒倉持光陽（文１）と引き分けが続き、続く五将霍本が技あり（内股、大外刈）で負けを喫した。だが続く中堅鈴木が組み手中盤に一本（小外掛）により勝利をあげた。しかし三将岩崎、副将及川、大将中井と粘り強く攻め続けるも引き分けが続き、スコアは１－１のまま代表戦へと縺れ込む。代表戦に出場したのは今年度主将の岩崎。組み手は両者一歩も引かない真剣勝負となったが、残り28秒で岩崎が裏投で一本を取り、中大が勝利をもぎ取った。
▲主将岩崎
６回戦
決勝進出をかけ中大は天理大と対戦。先鋒青井は分け、続く次鋒鈴木も分け、五将霍本も分けの０－０で迎えた中堅戦。主将の岩崎が１分31秒に幸先よく隅返で技ありを奪う。しかし試合時間残り56秒の３分４秒のところで天理大に小内刈で技ありを奪われ同点となりこの試合は分けとなった。そして三将戦。中大は倉持。序盤から天理大の優位なペースで進み、倉持は攻撃を凌ぐので手一杯な状況。そして２分25秒、体落により一本を奪われ、ついに０－０の均衡が破れ、中大は２試合を残して０－１の劣勢。続く副将及川は分けとなり依然として０－１。大将戦では一本勝ちが必須な絶体絶命の状況に追い込まれる。そんな中、大将中井は果敢に攻め続け一本を奪うべく奮闘。しかし相手は前年３位の格上天理大。中井の攻撃を上手くかわし続け、ついに４分が経過。中大は０－１で天理大に敗れ、ベスト４で今大会を終えた。
▲強豪国士大に勝ち喜ぶ選手たち
今大会で頭角をあらわした中大。柔道部は今年の４月に監督が代わり、雰囲気も一新したという。「監督は選手よりも練習にいらっしゃっていて、そういう人の背中を見ているとやっぱり自分たちも頑張らないとっていう風に思いますね。団結力は他の大学と比べても自分たちが一番なんじゃないかなと思ったし、それがアップセットを起こした要因ではないかと思います」（鈴木）と今大会での急成長を振り返った。また、「今後の試合でも結果を出してまぐれじゃなくて実力というのをアピール出来たら、これからの中大柔道部の本当の復活につながるのかなと思います。」（鈴木）「今後の結果次第でベスト４が定着していけば古豪の復活といえるんじゃないかなと思いますね。そこまで主将としてチームを引っ張っていきたいです」と秋季の大会に向けての意気込みを述べた。急成長により、学生柔道界に波紋を起こした中大。今後もその実力を見せつけ古豪の復活を遂げてほしい。
◆大会結果◆
３回戦（○中大６ー１上武大●）
４回戦（○中大１ー０国士大●）
５回戦（○中大２ー１國學院大●）
準決勝戦（●中大０ー１天理大○）
(記事・写真：山﨑あきこ、松岡明希、佐伯真生、森田華留)
