2025年11月23日 東京都・中央大学多摩キャンパスラグビー場
リーグ戦2部最終戦。これまで無敗の中大、専大は、全勝優勝をかけて試合に挑んだ。開始7分、迫中一斗(文3)がトライ。中大は先制するも、前半終了間際、守備の隙を突かれ同点に追いつかれる。中大は、後半38分、ドロップキックにより逆転されるも、後半39分、ペナルティキックで勝ち越しに成功。15―13という、ロースコアの接戦を制し、見事優勝を果たした。
〈前半〉
前半7分、中大にチャンスが巡ってくる。ラインアウトでボールを収めると、モールで前進。須田龍之介(法3)にボールを託すと、須田は迫中へパス。迫中はタックルを受けつつもトライに成功した。

▲トライに成功した迫中
先制するも、その後は好機をつかめない中大。須田がインターセプト(相手のパスを中間で奪い取るプレー)後、キックパス。専大に奪い返されるも、西本壮(経2)が体当たりして、その場に留めている間に、田積智陽(法4)が大外から駆け上がる。しかし、レフェリーによってプレーは中断され、得点にはつながらなかった。

▲攻撃の起点となった須田
終盤、専大の追い上げに対し、守勢に回る中大。専大はマークが薄くなっていた左サイドから侵入すると、パスをつなげてトライ、同点に追いついた。このプレーで前半が終了。中大にとって後味の悪い展開となった。
〈後半〉
序盤、中大は、須田、鈴木敦士(法3)、吉田晃己(法2)とパスを回して、トライラインに近づくも、立て続けにミス。果敢に攻めるも得点は叶わなかった。今度は専大がモールによって大きく前進し、中大はピンチに見舞われる。ベンチから「ファーストインパクト」という声をかけられる中、3人で束になってタックル。客席からも「耐えろ」と声が飛び、ぎりぎりのところで防いだ。

▲多くのチャンスを生んだ吉田晃
攻めに転じた中大は、久保田泰綺(文3)が足をつりながらも意地のトライ。吉田晃がキックに成功し、7点を追加した。しかし、その6分後、専大もトライ。2点差に迫られてしまう。

▲足をつりながらも駆ける久保田
苦境は続く。ラインアウトの連携ミスで専大にボールが渡り、さらに、5メートル付近でラインアウトを与えてしまう。中大がボールを獲得するも、パスミスが生じ、あわや失点の危機に瀕した。専大がノックオンし難を免れると、スクラムで再開する。選手たちが一歩一歩近づく専大に応戦するする間、吉田晃がロングパスに警戒。予想通り左サイドに展開してきた専大に、田積も反応し、場外へ押し出した。ラインアウトを収め、北田優人(文1)がキープ。蹴り出してとうとう乗り切った。タックルの応酬で、均衡状態が続く中、後半38分、専大が意表を突くドロップキックで3点を獲得。逆転に成功する。試合終了が刻一刻と迫るも、選手たちは落ち着いていた。プレーを再開すると中大はペナルティを獲得。吉田晃のショットが決勝点となった。

▲フィジカルで攻守に貢献した北田
試合終了と同時に喜びを分かち合う選手たち。満面の笑みを浮かべる選手がいれば、涙を流す選手もいた。


▲喜びを分かち合う選手たち
接戦を制し、1部昇格に向けて弾みをつけた中大。入れ替え戦の意気込みを尋ねると、須田は「勝利しか考えてない」、野村幹太(法4)は「3、2、1年生が1部でプレーできるように、4年生は全力を出して頑張りたい」と語り、決意をあらわにした。決戦は12月13日。中大の士気は申し分ない。
◆試合結果◆
○中大15(5-10、5-8)13専大●
◆コメント◆
選手名:須田龍之介(法3)、野村幹太(法4)
須田
ー本日の試合にはどのような気持ちで臨まれましたか
相手の分析とか対策っていうのはもうずっとしてきたことなんで、いかにそれを出せるか、自分たちがやってきたことをどれだけ出せるかっていうのを意識して挑みました。
ー前半は5対5で終えましたが、ハーフタイムではどのような指示であったり、チーム内での声かけがありましたか
まだ時間もあったし、まあなんとかなるだろうみたいな。相手のスキャンていうのは前半で十分できたので、この点差で来るだろうっていう点差で折り返すことはできたので、全然焦りもなく、このままいこうって感じで話しました。
ー終盤に専修大学にショットを決められてしまった瞬間の心境はいかがでしたか
3点やったし、ペナルティをもらえれば決められるのもわかってたんで、全然特に焦りはなかったです。
ー本日の試合のベストプレーはありますか
べストプレーといったプレーはあんましてないんですけど、ただ15分の1の仕事は、できたかわかんないですけど、やろうとはしたので、それができてれば自分の中のベストプレーかなと思います。
ー最後に入れ替え戦への意気込みをお願いします
勝利しか考えてないので、また3週間ちゃんと準備して挑みたいと思います。
野村
ー今日の自分の動きを振り返ってどうでしたか
ボックスで勝てる自信っていうのあったので、動かしたら取れるっていうところで、やっぱいい動かし方ができたんじゃないかなって思ってます。あとキックのとことかもうまく使えたんでよかったなって思います。
ー今日の勝ったっていう結果は振り返ってどうですか
全勝優勝したことはすごく、自分たちの力にもなってるし、入れ替え戦に向けていいつながりができたんじゃないかなっていうふうに思ってます。
ーハーフタイムでコーチからの指示とか、チーム内での声掛けっていうのはどのような感じでしたか
前半ちょっとペナルティが多かったんで、そこも後半ゼロにしようっていう話と、あともう一回相手がどういうディエンスしてきてるかっていうのをアタックで話し合ったり。後半ではそういうプレーをしようっていうふうに話をしました。
ー専大にそのショットを決められてしまった時の気持ちを教えてください。
まあの位置からが狙ってくるだろうなと思ったんですけど、でもそんなまだ時間もあったですし、まあなんとかなるだろうみたいな感じでした。
ー入れ替戦に向けての意気込みとか教えてください
去年も負けてるんで、今年は絶対勝って来年、3、2、1年生が1部でプレーできるように4年生は全力出して頑張りたいと思います。
(記事:福田菜緒、写真:手代木幸)
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