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悔しさと成長の夏 全国で得た経験を糧にインカレへー第50回全国学生相撲個人体重別大会

2025年8月31日 東京都・靖国神社相撲場

東日本大会の予選を突破した5名の選手が、全国大会に出場した。 

田中監督らも出場選手に声をかける

ー100kg未満級

東日本予選では「理想の相撲を取ることができた」と手応えを口にし、全国の切符を勝ち取った渡辺龍汰(商1)。迎えた全国の舞台では、思い描いた相撲を発揮することができなかった。

立ち合いから相手にずらされ、まわしを取ることができない。終始相手の勢いに押し込まれ、体勢を立て直す余裕もないまま「潜り込んで止まらずに攻める」という理想像を体現できず、最後は寄り切りで土俵を割った。全国の壁の厚さを痛感させられた今大会だったが、1年生ながらこの舞台を経験したことは、今後の成長に向けてプラスになったはずだ。

ー115㎏未満級

「夏休みの期間は地元の高校の子と稽古をして、帰ってきてからも常に全国大会への気持ちを高めながら練習してきた」と努力を重ねてきた吉倉勝(法1)は115㎏未満級に出場した。

初戦は東山(近大)との一戦になった。立ち合いから激しくぶつかると土俵際まで追い込まれてしまう。そこで押し返そうとしたところで引き落としを決められてしまい、敗戦となった。

試合後、吉倉は「自信があったので、その分欲が出てしまった。そういう欲が自分の体を固くしてしまって、1回戦で負けてしまって、悔しいというかフワフワしている気持ちです」と振り返った。それでもすぐに気持ちを切り替え「体重と筋力を増やして、稽古も頑張っていくしかない」と前を向いた吉倉。闘志あふれるルーキーのブレイクは、もう目前だ。

ー125㎏未満級

今大会に向けては立ち会いをしっかりと当たること、また四つをちゃんと組むように意識してきたと語った山田晴ノ介(法1)は初戦、「ちゃんと当たってから攻めて勝つことができた」と押し出しで突破した。しかし、続く2回戦は埼玉栄の先輩である神崎(日大)にすくい投げによって敗戦した。試合後のインタビューでは、「勝負を早く決めるために投げに行ってしまった」と悔しさを滲ませた。

▲山田はすくい投げで悔しい敗戦

ー135㎏以上級

一つ勝てば12月に行われる天皇杯に出場できる竹田連汰朗(法2)は初戦で松沢(東農大)と対戦。立ち合いから相手を押し込み、終始優位な体勢で最後は引いて勝利。続く2戦目の相手はバットバヤル(九州情報大)。立ち合いでは真っ直ぐぶつかるも「予想以上に相手と距離が離れてしまった」と思うような相撲を取れずに引かれて敗戦。竹田は「ミスのない相撲を取れるようになりたい」と振り返った。

▲竹田は得意の突き押しを活かしたい

ー無差別級

東日本予選からコンディションも良好、体重も増加したという吉野一颯(文4)。無差別級出場選手の中では最も軽量、165cm・100kgの吉野が同階級でどんな波乱を起こすかが注目ポイントだった。

1回戦は成田(日大)との対戦。相手は173cm・155kgと体格差がある。まず立ち合いがうまく合わなかった。そのまま組むこともできず、すぐに土俵の外へ。「これも相撲なんで。対応力がなかった」と自身の相撲を振り返った吉野。試合後には、田中監督から立ち合いを含めたアドバイスを受けて「相撲感を磨いていきたい」と新たな課題も発見。残り2ヶ月、邁進していくだけだ。

▲吉野はインカレまでに、新たな課題と向き合う

◆試合結果◆

100㎏未満級 渡辺龍汰  初戦敗退

115㎏未満級 吉倉勝   初戦敗退

125㎏未満級 山田晴ノ介 ベスト8

135㎏以上級 竹田連汰朗 ベスト8

無差別級   吉野一颯  初戦敗退

 

全国の舞台に立った5人の力士たちは、それぞれに課題と手応えを持ち帰る結果となった。
次戦は学生日本一を懸けたインカレ。今回の経験を糧に、さらに磨きをかけた相撲で挑む。

◆お知らせ◆
次戦は11月1・2日(土・日)に大阪府・大浜公園相撲場で行われる第103回全国学生相撲選手権大会です。

(記事:小林想、紀藤駿太、小林陽登、髙木麻央里 写真:紀藤駿太、小林陽登、髙木麻央里)

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