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初勝利!!「後輩達にはほんとに感謝している」4年生欠くも底力発揮。ー2024年度関東学生水球リーグ戦 対明大

2024年5月26日 神奈川県・横浜国際プール

対慶大戦、対日大戦に引き続き、主力の竹村駿太郎主将(文4)、針谷晴人(文4)が怪我により出場できないなか、加えて西森郁未(文4)も控えにまわり、1、2、3年生で試合に臨んだ中大。実力が拮抗する明大を相手に、第1、第2ピリオド(以下P)はリードを許すも、佐賀慶(経1)を中心に得点を重ね逆転し、念願の初勝利となった。

第1P序盤、中大は明大の堅い守備を前になかなかシュートを放つことができない。中大が攻略に苦戦する中、明大は自陣のゴール前でボールを奪うと、素早いカウンター攻撃で先制点を挙げた。中大もすぐさま反撃する。藤林佳聖(文2)が切り込みペナルティースローを獲得すると、落ち着いて決めた。その後、安田康太郎(文2)が明大による怒涛のシュートを好セーブで防いでいく。しかしながら、安田の懸命な守りも破られてしまう。安田は明大選手が放ったシュートに反応するも、ボールはわずかに安田の右手の下を通って、ゴールへ吸い込まれていった。点差を離されたくない中大。早くも得点源と化している佐賀が明大選手の退水というチャンスにシュートを決めるが、再び明大に得点を許し、1点を追うかたちで第2Pを迎えた。

▲好セーブを見せる安田

第2P、序盤から藤林、鈴木海斗(文1)が果敢に攻めるも得点に繋げることはできない。一方で、明大はワンタッチシュートを決める。中大も譲らない。直後のプレーで、佐賀がゴールの角に力強いシュートを突き刺した。このシュートには観客席からも「上手いなあ」という声が上がる。その後は両チーム得点できない時間が続く。中大の攻撃に明大のディフェンスが立ちはだかり、中大はシュートのチャンスを生み出せないなか、明大も放ったシュートは枠にあたり追加点は入らない。均衡状態を崩したのは明大。ペナルティースローを獲得すると、バウンドシュートを決めた。中大も意地を見せる。直後のプレーでまたしても佐賀が得点した。中大は1点差を追うなか、ペナルティースローを得る。得点できれば同点に追いつくチャンスだ。「(4年生が出場していないなかでも)いつも通り自分が出せるベストのプレーをすること」と心がけていたという吉村光貴(文3)がゴール前に構える。「ペナルティシュートは外しません!」と頼もしく語ったように冷静に決めた。しかし、中大選手の退水で明大のパワープレーとなったピンチに得点を許し、同点に追いつくことができないまま折り返した。

▲ガッツポーズを見せる吉村

第3P、鈴木、吉村が立て続けに得点し逆転に成功する。試合後、吉村は対明大戦に「1点差ゲームで勝ちきれない試合が続き、次こそは勝ち切るという強い意志」を持って臨み、「少ない練習の中で1本1本集中してシュートを撃ち精度を高めました」と活躍の要因を明かした。しかし、明大がペナルティースローを決め、すぐに同点に追いつかれる。リードを奪いたい中大は、何度もゴール前まで迫るも、あと一歩のところでパスが繋がらず、得点の機会を得られない。第3P終盤、中大に大きなチャンスが訪れる。明大の守備の陣形が整っていない状態で中大の攻撃ターンとなったのだ。ハーフライン付近にいた久保田啓友(文1)、佐賀はゴールに向かって泳いでいく。森田晃輝(文3)が久保田にパスを出し、吉村が明大ディフェンスを引き付けている隙に、久保田は佐賀に託した。中大全員の思いが乗ったボールは、明大キーパーの左手を超えてゴールを揺らした。「相手のやりたい事を行わせず、こちらのやりたい事をしっかりとできていた」(西森)中大は今大会初めてリードを奪ったまま第4Pを迎えた。

▲攻撃の要となった佐賀

「戦術面の確認はもちろん、試合の流れや、時間の使い方などプレー面だけでなく、1人1人にそれぞれに冷静に自信を持ってプレーをしていこう」という西森からの声掛けを受けて挑んだ第4P。両チームの意地がぶつかり合う。中大は明大の守備にやはり苦戦を強いられ決定機を生み出すことが出来ない。一方の明大はシュートを放つも、集中力を増した安田が幾度となく立ちはだかり、得点とならない。しかし、安田のプレーにより、明大にペナルティースローを与えてしまい、再び同点に追いつかれる。これまでの連敗が脳裏によぎったが、今回の中大は一味違った。対慶大戦、対日大戦ではシュートを放つも枠を捉えられなかった船水淳希(文3)が今大会、自身初得点となるシュートで勝ち越したのだ。「カウンターでのシュート練習を中心に確実に決め切る練習」をしてきた成果が実を結んだ瞬間だった。この得点について「今まで決めきれずに負けてチームに迷惑をかけていたので、自分の得点で勝ち切ることができて安心しました」と振り返った船水は力強く拳を突き上げ、チームを勇気づける。4連敗はなんとしても避けたい中大は、残り1分33秒、明大選手の退水によってパワープレーになったタイミングで、タイムアウトをとって攻撃の体制を整え、さらなる得点を狙うも、鈴木が放ったシュートは惜しくも止められてしまう。負けられないのは明大も同じ。残り29秒、タイムアウトを取ると、6人で攻撃を仕掛けてきた。正念場となったこの場面で魅せたのはまたもや船水。ボールを奪うと、無人のゴールに正確にシュートを放つ。「三連敗していたので、ここで一勝と思って」臨み、「チームの雰囲気や試合展開などの声がけを意識してました」とチームを引っ張った船水が勝利をもぎ取った。

▲中大の勝利に大きく貢献した船水

初勝利を果たした今の気持ちを吉村は「今シーズン初めて勝ち切ることができてよかったです」と、船水は「やっと一勝できて、安心しています」と語り、次戦の対専大戦に向けては「ベストなチーム状況ではありませんが、更なる高みを目指してチーム一丸となって挑みます」(吉村)、「格上のチームで相性も悪い相手ですが、見応えのある試合が見せられるように頑張りたいと思います」(船水)とそれぞれ意気込みを述べ、前向きな姿勢をみせた。

次戦の相手である専大は、中大がインカレ、6大学対抗戦で大敗を喫している強敵だ。リベンジに燃える中大の勇姿にも、西森が「チームのピンチをセービングで何度も救っており、安田のセービング無しでは勝利はなかったと思う」とMVPに挙げた安田の活躍にも注目したい。

◆試合結果◆

〇中大10(2-3、3-3、3-1、2-1)8明大●

(記事、写真:福田菜緒)

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