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【インタビュー】パリ本番直前!池本凪沙、再びリレーで五輪の舞台へ「楽しんでレースがしたい」

水泳を始めた頃の記憶「唯一泳げたのが自由形」

―最初はバスケと水泳を両立していました。バスケを選んでいたり、両方やめていたりする可能性もあるなかで、水泳を選んだ理由は何だったのでしょうか。
 バスケは団体スポーツじゃないですか。団体スポーツもめちゃめちゃ良いと思うんですけど、私が入った年代が本当に強い子ばっかりで、私もまだ入りたてだったんですけど、ちょっとうまくなった時にレギュラーに入れていただいて、でも私のミスで負けちゃう、点を取られちゃうとかいうのが多くあったんですね。それがけっこう嫌で、私自身のせいで周りが負けちゃったらどうしようとかいうことを小学生ながらに思ってたんですよ。でも水泳は自分自身がタイム悪くても自分のせいだし、周りに迷惑かけないっていうのがあって、水泳にしたというのは覚えてます。

―リレーで出られてるという点で団体スポーツへの不安は乗り越えているのでは。
 そうですね、まさか私がその時は本当にジャパンに入れるぐらいまでなって、リレーに出るなんて思ってなかったのでそういうふうに思っていたんですけど、水泳でもリレーという団体競技みたいな感じで携われることになってうれしいですし、バスケをやってたからこそ団体のスポーツの良さも知っているので、そのことを今味わえてるっていうのもバスケがあったからなのかなと思います。

―バスケをしていた頃の記憶はかなり残っているのですね。
 けっこう強いチームだったんですよ。で、けっこう厳しくて土日に朝の9時から夕方の5時までずっと練習で、土日とかも小学生遊びたいじゃないですか。だけどそこから全部拘束されて、練習してたっていうのを覚えてますし、本当にずっと走ってたっていうのも覚えてますし、でもバスケをしていたおかげで、飛び込みの反応速度であったりっていうのは、良くなったんじゃないっていうのは親から言われていたので、まあそうなのかなっていう感じなんですけど、今はちょっとバスケ離れたからかリアクションタイム遅いですけど(笑い)。まあそれはバスケがあったからかなと思います。

―そもそも自由形を専門にしたきっかけは何かあったのですか。
 スイミングクラブでバタフライ、平泳ぎみたいにやるじゃないですか。その時に唯一泳げたのが自由形だったんですね。平泳ぎとか背泳ぎとかは本当に下手くそで、でも自由形の時だけポンって飛び級するぐらいうまくて速かったので、そこからは本当に自由形ですかね。小さい頃から自由形しかしてこなかったので、今になってバタフライもちょっとかじってる感じです。

―今も自由形とバタフライ以外は得意ではないのですか。
 全然全然。本当に遅いです(笑い)。

―自身の泳ぎにおいて強みだと思うところは何でしょうか。
 本当に流してると言われるぐらい楽そうに泳ぐのが自分自身の強みというか、楽そうに泳ぎ続けられるっていうのは強みなんじゃないかなと思っています。

―意識してる選手、憧れの選手はいらっしゃいますか。
 そんなに意識している選手っていうのはいなくて、自分自身の考え方は一人なので自分自身を大切にしてると思いますし、尊敬で言ったら私は両親を尊敬しているので、水泳選手で尊敬している方っていうのはいないという言い方はあれですけど、あんまり意識してないです。

―ご両親のどういったところが。
 父なんですけど、父は水泳もやっていてラグビーもやっていて、ラグビーは国体選手ぐらいのレベルだったらしくて、ラグビーの監督も10年間ぐらいしていて、指導方法とかそういうのも私が本当に辛いときとかにもアドバイスとかしてくれたりしているので、本当に尊敬してますし、指導者っていう立場からでも尊敬してますし、親としてもそういうアドバイスをしてくれたりっていうので、本当に大好きです。

▲自身のモットーは「笑顔で入場」すること

東京後は絶不調も「コーチに救われた」

―これまでタイムが伸びずスランプの経験はありましたか。
 ありましたね。東京オリンピックが終わってからは本当に絶不調が続いたので、止めようかなって思ったぐらいまで絶不調が続いたんですけど、やっぱりそれは誰しも日本代表選手はあると思っていて、それを乗り越えているからこそ、今のこの強さがみんな身についていると思うので、今これだけ戻っているから言えますけど、調子が悪い時があって良かったなというふうには思います。

―東京後の不調を乗り越えられた理由を教えてください。
 コーチとその時にけっこう長いことミーティングをしたんですね。その時に自分自身に厳しすぎるって言われて、一試合一試合でタイムをこのくらい出さないとだめだ、というふうに思い続けて泳ぐんじゃなくて、楽しんでレースをしなさいって言われてから、けっこう笑顔で入場することが増えたと思いますし、周りを見て観客を見るようにしなさいって言われてから「そうだな思い込み過ぎてたんだな」と思って、練習もそうですけどそれからやっぱり徐々に気持ちが楽になっていって、タイムも上がってきた感じだったので、コーチに救われた感じです。

―リラックス方法は編み物と聞いています。
 今もやってますよ。ヨーロッパグランプリでもやっていました

―泳ぐ前もでしょうか。
 泳ぐ前はやらないですね(笑い)。オフの日に暇な時にスマホとか見なくて良いし、SNSを離れられる、スマホ依存症なので嫌だなって思って編み物してみようと思ってハマったのがきっかけです

―選手村で楽しみにしていることは。
 東京オリンピックでも思ったんですけど、オリンピックの選手村ってすごくていろいろネイル屋さんとかそういうのもあったりするので、やっぱりフランスのパリのオリンピックの選手村どんな感じなのかなとか、参加賞とかももらえるので楽しみにしてます。

―卒業後についての見通しや、現時点で考えていることを教えてください。
 ロスはもちろん目指すんですけど、第二の人生として自分のやりたいことっていうのを水泳以外で見つけないとなっていうふうには今けっこう思っていて、留学はしたいなと思っているので英語をしゃべれるようになりたいっていうのは思っています。海外に1年ぐらいロスに向かう過程で行くかもしれないですし、卒業してからというふうになるかもしれないですけど、海外には絶対行きたいなっていうふうには思っています。

―中大生や泳ぎを見る人に向けてメッセージをお願いします。
 私自身のモットーとしては笑顔で入場するというのが本当に自分の中であるので、その笑顔にも注目していただければなというふうには思いますし、しっかりと中大の名を背負って結果を、決勝進出というところを目指して頑張るので、応援していただけるとうれしいです。

▲五輪壮行会でチュー王子と写る池本

 池本が出場する4×200㍍自由形リレーは、8月1日から予選、2日に決勝が行われる(日本時間)。会場はラデファンス・アリーナ。

 

◇池本凪沙(いけもと・なぎさ)◇
学部学科: 法学部・法律学科
身長: 171㌢
出身高校:近大附高

 

公式X(@chudaisports
Instagram(@chuspo_report