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「もう少しでも、強く、早いボールが打ちたいー」強豪のボールを受け、さらなる高みへー第93回全日本大学総合卓球選手権大会・団体の部

2024年7月4日〜7月7日 大阪府堺市・大浜だいしんアリーナ

強豪のボールはやはり強かった。大阪府にて全日本大学総合卓球選手権大会・団体の部が行われ男女共に決勝リーグまで進むも、強豪・愛知工業大学、専修大学のボールに打ち砕かれた。しかしながら、強いチームのボールを受けたからこそ新しい課題や弱みなど各選手多くの収穫を得ることができた実りのある大切な大会となった。

▲愛工大ペアに苦戦するも食らいついた小松・米倉ペア


〈男子の部〉

▲点を決めてガッツポーズをする青山

中大は予選リーグでは福岡大、岡山大と対戦し、両校とも3-0でストレート勝ちをし、決勝トーナメントへ進んだ。岡山大戦では前出陸杜(商2)、谷本凌(文3)、前出・青山貴洋(文3)ペアが出場し、3-0で勝利。福岡大戦では道廣晴貴(文3)、青山、主将小松隼大(文4)・米倉勝(文4)ペアが出場。ダブルスでは1セットを取られ、その後拮抗するも、戦略を変えてその後は3セット連続で獲得し3-0で勝利。決勝トーナメントに向けて「明日はベスト4まで決めたいんで。自分達よりも強いチームとか入ってくるんで挑戦者としてしっかりプレーできたらいなと思います。」(道廣)「予選リーグでは自分は何が調子良くて、悪いのかを確かめることが出来たので、明日からは一本でも多くとってチームに貢献したい」(青山)と意気込みを述べた。

▲今大会初のシングルスで強さを見せる小松

2日目予選リーグ終了後に、決勝トーナメントの抽選が行われ、中大は初戦に中京大と対戦することとなった。関東地区リーグ強豪校の明大、専修大、早大らは別のブロックに集中していたため、中大のベスト4までの道のりは緩やかに思われた。一番手青山、二番手谷本、両者とも拮抗していたが、粘り強さを見せ、3-2で勝利し、続くダブルスでは小松・米倉ペアが安定のプレーを見せて3-0で勝利。2回戦目は同志社大と対戦。同志社は関西学生春季リーグでも3位という強豪校で、中大も苦戦を強いられた。道廣は粘り強さを見せ積極的に攻撃するも2-3で敗戦。続く青山も相手の勢いに押され思うようにプレーが出来ない様子も見受けられたが、一つ一つ丁寧に点を取り続け、3-2で勝利。1-1の状態で3番手のダブルスは小松・米倉ペアが参戦。序盤から爽快なスマッシュをきめ、相手にペースを譲らないまま試合は進み3-0で勝利。試合は2-1で髙橋慶太(文1)と谷本が同時に試合を進めた。どちらも相手と競りながらレースを展開。谷本が見事勝利し3-1で同志社に勝利し、駒澤大学との準々決勝に挑んだ。この試合、1回戦は今回初のシングルスに出場した小松。「結構調子もよくて自分のプレーができて勝つことができた」と振り返ったように、3-1で勝利。2回戦の青山はフルセットに持ち込むも惜しくも敗戦したが、続く小松・米倉ペアと谷本が相手にセットを取られながらも勝利した。

▲愛工大相手に粘りを見せる谷本

無事準決勝まで駒を進め、向かえた大会4日目。対戦相手は昨年の同大会チャンピオン、そして今年の春季東海学生リーグを優勝し、数多くの名選手を率いる愛知工業大学。決勝進出まであと一歩のところで、中大は関西地区の王者を前に厳しい戦いが余儀なくされた。一番手谷本は7ー11で第1セットを取られるも、続く第2セットを11ー9で先取。しかしながら以降は相手にリードを許し、3ー1で惜敗した。続く青山は、令和3年度インターハイ3冠の谷垣を相手に13ー11、14ー12と粘りフルセットまで持ち込んだ。両者一歩もゆずれないなか向かえた第5セット、青山は谷垣を前に一切怯むことなく食らいつき11ー9で勝利。格上相手に粘りの卓球をみせ、チームに勢いを与えた。青山は、「相手はすごく格上で一度も勝ったことがなかったんですけど頑張ってくらいついて、最初は1セット取れたらいいなくらいの感じだったんですけどやっていたら結構いけて勝てましたね」と思い切ってプレイしたのが良かったと振り返った。続いてダブルスは、安定した卓球で今大会無敗の小松・米倉コンビが登場。こちらも粘りの卓球でフルセットまで持ち込むも、最後は相手に勢いに乗られ5ー11で敗戦した。米倉は、「相手の方が格上っていうのは最初から分かっていたので、こっちが食らいつくっていう感じで。同じレベルの戦いだったらすごいボール打ったら絶対勝てるんですけど、強いボールを打たせてくれない、そこが上手いんで、だから強いんですよ。そういう時に、どれだけこっちが強いボールを打たずに粘っていくかっていうことで。最後は球が慣れられて、完全に相手のペースにのまれて負けてしまったかなって感じですね」。小松は、「相手は日本チャンピオン同士のペアで、向かっていくしかないなって思ってて、最初はビビりながらも自分たちのプレーで攻めていこうって話していて、僕らパワーがないダブルスなので、テクニックとかスピード、変化とかで点数とってきたんですけど、それが結構効いてセットをとれてたんですけど、最後は実力で振り切られたので、あと一歩実力不足かなというところです」と振り返った。ゲーム数1ー2とあとがない状況で4番手を任されたのは主将の小松だった。ダブルスで敗戦した萩原にシングルスでも終始リードをつかめず、1ー3で敗戦。小松は「勝たなきゃいけない状況で、あと一歩のところが、やっぱり相手の方が一枚上手で、負けてしまったかなと思います」とあと一歩の実力差に悔しさをにじませた。男子は関西の強豪へ必死に食らいつくも、力及ばず準決勝敗退、3位で大会を終えた。

 

 

〈女子の部〉

▲笑顔を見せる川北とそれを出迎える選手たち

中大は予選リーグで高知工科大学、岡山商科大学と対戦。実力を見せつけ両校とも3-0で勝利し、決勝トーナメントに進出した。岡山商科大戦では枝廣愛(商3)、髙橋あかり(文4)、吉岡桜子(文3)・川畑明日香(文3)ペアが出場し、こちらも安定のプレーで3-0で勝利。高知工科大戦では武山華子(文2)、狩野琴春(文1)、川北帆香(経3)・髙橋ペアが出場し、3試合とも3-0でストレートで勝利した。インカレ初出場だった狩野は「関東学生大会でシングルベスト8に入ったのがきっかけで、選手変更があって出させていただけたと思います。出れると思ってなかったので正直びっくりしたけど嬉しかったです」と率直な感想を述べた。また決勝トーナメントに向けて矢島監督は「チャンスがあれば優勝を狙えると思うので、一試合一試合をしっかり戦っていくこと。それを一番に考えてやっていきたい」と意気込みを述べた。

▲苦戦しながらも勝利した吉岡・川畑ペア

決勝トーナメント初戦は大阪成蹊大と対戦。一番手はエース枝廣が出場し3-0で勝利。二番手は吉岡が出場し、こちらも3-0で勝利。3番手のダブルスでは吉岡・川畑ペアが出場し、途中苦戦する様子も見られたが3-1で勝利。二回戦目は、早大と対戦し、一番手はエース枝廣。エース対決となり一時苦戦するも、3-1で勝利。2番手は武山が出場。持ち前の切れ味のあるスマッシュで3-0で勝利。続くダブルスでは吉岡・川畑ペアが出場。序盤は流れをつかみ2-0と優勢になるも、3セット目以降は相手に戦略を変えられて思うようにプレーが出来ず2-2に。接戦の中での5セット目は粘り強さを見せ危なげなく3-2勝利。「負けてもまだ後ろに2本あるからせめて良い雰囲気で終わろうとおもって、声とか出すのを意識したらちょっとずつ流れが戻って来たので良かったです」(吉岡)と試合を振り返った。準々決勝では一番手枝広、二番手川北、三番手吉岡・川畑ペアが立命館大を相手に奮闘。全試合、中大は1セットも相手に取らせることなく3-0で快勝した。▲強豪専大相手に食らいつく枝廣

大会4日目、女子も男子と同じく順調に勝利を重ね、向かえた相手は強豪・専修大学。勝てば決勝進出、昨年以上の成績が確定する大一番であったが専修大学から終始リードを奪われ劣勢を強いられる戦いとなった。一番手枝廣は直近で行われた関東学生でも対戦した出澤と再び対戦。数回対戦経験のある相手に、第2セット、第3セットと勝ち取りリードするも2ー3で敗戦した。枝廣は、「こないだ直近でやらせていただいた時は0ー4で負けたんですけど、今回また専修大と当たることになってまた出澤さんとやりたかったので、前日にお姉ちゃんと前回の試合の反省点出して今日やること決めていったんですけど勝ちきれなくて。ちょっと練習不足かなって感じましたね」と振り返った。続いて登場した二番手の武山も同じく2ー3で敗北。「率直に、悔しいです。いっぱい強い選手が中大にいる中で、たまたま自分が出させていただいて、それで負けちゃって4年生にも回せなくて。自分がちゃんと取らなきゃいけないところにいたので勝ちきれなかったっていうのはすごく悔しいところではあります。自分のプレーができなかったかなっていうのは思ってて、でもそうさせてこなかった相手に自分も対応できるような、対応力がもっとあれば勝てた試合だったんですけど、そこは気持ちの面だったりとか全ての面で課題がいろいろ見つかったいい結果にはなりました」と悔しさを口するも、新たな収穫も得た試合になった。そして負ければ敗戦の状況で向かえたダブルスでは、引き続き吉岡・川畑ペアが登場。こちらも自分たちの流れに持ち込むことができず0ー3で敗戦、4年生の高橋、川北に回せることができず完敗した。川畑は「4番と5番に4年生の先輩方2人の名前があって、すごい回したかったんですけど、相手の勢いにやられちゃったというか、ちょっとびびってしまって、あまり自分たちの思うようなプレーができなかったなと思います」。吉岡は、「ダブルス勝ってなんとか流れ変えようって思ったんですけど、途中から気合い入りすぎっていうか、どんどん崩れてしまったのがいけなかったなって思います」と振り返った。終始にわたりリードすることができなかった中大、矢島監督は全体を振り返って「ベスト4は去年も取れたのでそれ以上行きたかったんですけどやっぱりそこの壁越えられなかったので、ここからは本当にもっと細かいところまでしっかり意識して課題も確認して練習内容を見直すとか。そういう細かいところまで詰めていかないとここを超えるのはちょっと難しいのかなっていうのを勉強させられましたね」と語った。

 

男女共に決勝リーグでは強豪チームとの実力差を突きつけられ、悔しい結果となった。米倉は「今回みたいに強豪のボールを受けることで、いつもの自分たちの練習のボールの質じゃ対抗できてないなって思ったので、もう少しでも、強く、早いボールが打てるように頑張りたい」と口にした。強いチームと真正面から対戦し、新たな課題を発見した中大卓球部。もっと、強く、早いボールへーーー。さらなる高みを目指すため、卓球部の道のりは続く。

 

◆試合結果◆

準決勝

〈男子〉
中大1ー3愛工大
谷本凌(文3)1ー3鈴木
青山貴洋(文2)3ー2谷垣
小松隼大(文4)・米倉勝(文4)2ー3谷垣・萩原
小松隼大1ー3萩原

〈女子〉
中大0ー3専修大
枝廣愛(商3)2ー3出澤
武山華子(文2)2ー3村松
川畑明日香(文3)・吉岡桜子(文3)0ー3出澤・首藤

 

 

(記事:功刀萌恵、山崎あきこ、山崎響 写真:功刀萌恵、山崎あきこ、山崎響)

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