2024年９月28日 中央大学多摩キャンパスラグビー場
２カ月に渡って行われた関東学生ラクロスリーグ戦も残すは一試合。中大は２年連続のファイナル４進出を懸けて、Bブロック６位の成蹊大との戦いに臨んだ。第１クオーター（以下Ｑ）はミスが連発して１―１に終わったが、２Ｑ以降は本来の機動力を取り戻し13―２で快勝。Ｂブロック１位の好成績を収め、ファイナル４への挑戦権を手にした。
序盤はまさかの展開だった。第１Qはドローを先取し、開始１分で先制点を挙げる。このままスイッチが入るかのように思えた中大だったが、オフェンスを中心にミスを連発。14分で失点を許すと１対１で第２Qへ。
「慶大戦や日体大戦、ファイナル４を見据えた時のモチベーションに戻せ」という伊藤健人コーチの声で中大陣営にエンジンがかかると、開始３分で長峰和奏（総３）、７分で上田楓子（国経４）が続けてゴールを奪う。「もっと点差を広げたいと思って、自分が決めるしかないという思いでやっていました」との言葉通り、長峰は９分に東田中愛子（法４）との見事な連携で２点目をマーク、12分にも得点を挙げてゲームチェンジャーとしての片鱗を覗かせた。結局中大は５点の猛攻を見せ、６対１で後半へ折り返すこととなる。
▲２Qだけで３得点を決めた長峰
向かえた第３Qも各選手が攻守にわたって、献身的な働きを見せた。開始６分の東田中、10分の上田による得点でリードを７点に広げる中、要所でダブルチームを展開しつつも、飯田莉未（文４）を筆頭としたファールの少ない好守で成蹊大に付け入る隙を許さなかった。
▲攻守で献身的な働きを見せた飯田
ファイナル４を眼前に捉え、応援団の歓声にもより一層の熱が入る第４Q。早速会場を沸かせたのは、ドロワーとして数々のチャンスメイクを担ってきた中島日菜子（商４）。ドローを成功させると、その勢いのまま相手陣営に攻め入ってゴールを決めた。開始４分までに飯田、東田中がダメ押しの追加点を挙げ、その後は失点もあったが、大上結衣（法４）念願のリーグ戦初得点などでリードを拡大し、13対２で勝利した。
▲ドロワーとしての役割を全うした中島
▲懸命に声援を送る中大のメンバーら
▲念願の初得点を決めた大上
２年連続のファイナル４に向けて、伊藤コーチは「どこが来ても中大の今やっているラクロスが１Qの最初の入りからできるっていうような準備をしていきたいと思いますね」とメンタルのコンディションについて、その重要性を強調した。悲願の日本一に向けて、大きな一歩を踏み出した中大。彼女らの快進撃はまだまだこれからだ。
▲笑顔を見せる中大女子ラクロス部と応援団の皆さん
◆試合結果◆
〇中大 13－２成蹊大●
（１－１ ６－１ ８－１ 13－２）
２年連続のファイナル４へ進出
◆コメント◆
伊藤健人コーチ
──本試合の総評をお願いします
結構メンタル的には難しい試合だったと思います。成蹊大さんは１勝でもしようというモチベーションで来るはずだったので、我々としては勝てばファイナル４という試合だったってのもあって、ファイナル４が決まっているみたいなモチベーションになるのが一番怖かったかなと思います。なので、それが１Q自体に出たのではないかと思いますね。
──２Qから流れが変わったように思えましたが、その中で27番の長峰選手が３得点を記録しました。その点において試合の展開を変えた印象はありますか
１Q終わった後に今までにないようなミスが見られていましたし、強引な攻めも見られたので、いつも通りのセットプレーや１対１をしっかりやれば必然的に点が取れると。たまたま長峰が取れましたけど、そういった攻めをすれば誰かが点数を取れるのは分かっていたので、２Ｑからは安心して見ていられました。
──今回のキーマン・ＭＶＰは誰ですか
やっぱり中島がほぼ100%ドローを取れていたので、そこで流れを全部（持っていけました）。１Ｑもそうですけど、上手く攻められない時も全部リスタートのドローで取ってくれたというのがあるので、ＭＶＰはドロワーの中島かなと思います。
──今回の反省点、それを踏まえたファイナル４に向けた取り組みをお願いします
どこが相手でも中央の今やっているラクロスが１Ｑの最初からできるような準備をしていきたいと思いますね。メンタル的な入り方とかが大事になるので、そういったところのシチュエーションの練習をやっていこうと思います。
◆お知らせ◆
ファイナル４準決勝は10月20日（日）に大井ホッケー球技場メインピッチにて開催予定です。
（記事：日向野芯、写真：比留間柚香、日向野芯）
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