2025年4月19日 東京都・中央大学多摩キャンパスラグビー場
4月上旬より開催されている関東対抗戦で中大は1戦目の成蹊大戦、2戦目の学習院大戦で白星を挙げた。迎える3戦目の相手は今年度の関東学生ラクロスリーグ戦1部において、同ブロックとなった青学大(4月16日発表)。この試合は優勝に向けての大一番となったが、中大は試合終了間際に失点し、同点で試合を終えた。青学大との勝負は7月から12月にかけて行われるリーグ戦へと持ち越しとなった。
第1クオーター(以下、Q)は開始1分から青学大に先制点を献上する苦しい展開に。序盤からボールを支配できない状況が続く中、アタックの長峰和奏(総4)や河瀬柚花(商3)の得点で必死に食い下がるも1点ビハインドで2Qへ。
第2Qは開始2分、長峰がファールによる好機から2得点目を挙げて同点に並ぶ。青学大の巧みなパスワークを前に、1Qこそ反応できない中大のディフェンスではあったが、徐々に調子を上げてプレッシャーをかけ始める。エリア内に入らせない好守でこのQをわずか1失点に抑えると4対4で後半戦へ折り返す。
▲前半2得点を挙げた長峰
第3Qからはチームの主軸であるアタック河瀨、長峰がベンチに戻る中、新戦力が健闘し青学大との抜きつ抜かれつの攻防戦を展開する。安田日菜子(法4)が右サイドからのジャンピングシュート、フリシューと2得点を稼いだかと思えば、青学大も緩急のある1対1で主導権を譲らない。1点ビハインドで勝負の行方は第4Qへ。
▲右サイドの厳しい角度から切り込んだ安田
第4Q開始1分、ディフェンスのフォーメーションが乱れて失点を許すなど、これ以上の失点が命取りの展開に。逆境の中、何度もファールを奪うことで好機を伺うと、徐々に形勢が中大へ傾く。開始2分には青木優希(総4)、開始9分には前田美智花(国経2)が得点を連取。残り8分で河瀨と長峰がコートに復帰し中大陣営の士気が上がると、すかさず河瀨の得点で逆転に成功する。このまま自陣を守り切りたい中大ではあったが、流石は常勝軍団青学大。試合終了間際に一瞬の隙をついて猛攻を仕掛け、同点で試合終了となった。
▲シュートを放つ青木
試合終了後、豊島花梨副将(経4)はラストプレーについて、「相手が上手い選手っていうことは分かっているので、それに対してみんながもうちょっと寄せて、ディフェンスをしたりっていうところをできたら良かったかなっていうふうに思います」と振り返り、ミーティングではグラウンドボールの処理やドローについて、仲間と共通認識を固めた様子だった。
また、伊藤健人コーチは次戦に向けて、「初動を早くして、プレッシャーを常にかけ続ける」ことをポイントとして挙げた。
次なる相手は日体大。課題に残った試合の「序盤」、プレーの「初動」から流れを作り上げ、今シーズンの幕開けを優勝で飾れるか。
▲優勝が懸かった次戦へと挑む
◆試合結果◆
〇中大9 - 9相手大●
◆コメント◆
豊島花梨(経4)
──今回の試合で勝ち切れなかった要因は
ダウンしたボールを取り切れなかったっていうところが大きかったと思います。
自分たちが落としにいくことはできたんですけど、相手とイーブンな状況になったときに最後取り切ることができなかった。
そこから攻められることに繋がってしまったり、そこでちゃんと守りきれず失点につながっちゃったっていうのが1番大きいかなって思います。
あとはオフェンスの面で言うと、決め切るっていうところがちょっと難しくて、せっかくいい形で流れを作れているのに対して、それを最後の最後でゴールを止められてしまうとか、シュート率が悪かったことが要因かなっていうふうに思ってます
──最後惜しくも1点決められてしまったことに関して、改善点はあるか
やっぱり相手のキーマンの選手に最後決められてしまったところで、そこに対してみんなの共通認識をとる必要があるのかなって思ってて、相手が上手い選手っていうことはわかっているので、それに対してみんながもうちょっと寄せて、ディフェンスをするっていうところをできたら良かったかなっていうふうに思います
──試合後のミーティングではどのようなことを話したか
全員で今日の試合の終わり方、もうちょっと改善した方がいいんじゃないってところを全体で共通認識取れるようにということをやってましたね。
特にグラウンドボールの部分だったり、最後の失点シーンでもっとこういうところ改善できたよねっていうところだったり、あとドロー率が悪かったりして、そこもうちょっとどうすればいいのかっていうところを全員で共通認識取れるようにしてました
──次の日体戦に向けての意気込み
青学大戦で引き分けっていうところで、私たちの目標としては、この関東対抗戦で1位を取るっていうところなので、必ず日体戦で勝利して1位で対抗戦を終えたいなっていうふうに思います。
今日の反省を生かして、次戦も頑張りたいと思います。
──ご自身の目標は
私自身の目標としては、チームがやっぱり流れとして悪くなっちゃうときがあると思うんですけど、そういう時に声かけだったり、改善案をチームの中でこう出せるような人間になりたいと思ってます。
日体戦、次戦の中でもなかなか上手くいかないときってあると思うので、それに対して自分がチームに対してアプローチできるようにしたいです。
伊藤健人コーチ
──新しい青学大のチームとの対戦でしたが、チームカラーやプレースタイルの変化は感じたのか
そこは特にないかなと思っているんですけど、うちよりも細かいところはちゃんとできていたのかなという印象でしたね
──相手チームはミディーやアタックを中心にコートを広く、パスワークを展開しているように観えたのだが、それを踏まえてディフェンスで特別な指示は出したのか
まあリーグでも当たるので、自分たちで体感して覚えていくってことぐらいしか。今日というよりも前日にはそういう話はしたので、ちゃんと自分たちで守れるようにっていうことですね
──その上で1Q目から対応はできていた感じなのか
1Qは対応できていなかったので、やっぱりそこかなと思っていて、1Qの最初にやられた時にすぐに対応できるような形にチームを持っていけたらとは思いますね。自分たちで対応できるように
──2Qからプレスをかけたり、ダブルチームであたったりとかがそういう傾向があった感じか
はい。それはもう1Qの時に今までやってきたことをちゃんとやれっていう話をしただけなので
──一方でオフェンス面ではメンバーを変えつつ、一時河瀨選手や長峰選手を下げてアタックを色んな選手を起用したが、課題や良かった点は
やっぱり、リーグで当たるので全員が全員青学に対して、こんな感じだなっていう体感ができたのが良かったと思っています。まあ、ディフェンスの選手も全部入れ替えてやったのでほぼほぼ全員出てたので、その点は実際にリーグでやった時も相手がどういうふうに来るだとか、どのくらいのスピードなのかっていうのも今日体感できたのは本当に良かったと思います
──セカンドチームの戦いはどう振り返るのか
どうやって攻めるのかとかどうやって守るのかというよりも一対一のところとか、ちょっとしたところ、ボールダウンした時にそれに反応する早さとか、相手がミスしてボールダウンするだろうなっていう時の動き出しとかを予測っていうのが今のチームの課題なので、それによって取れたり取れなかったりっていうのがだいぶ違うので、逆に言うとサブのところはさらに遅い。そこはハーフタイムの時にそこを早くしなさいっていう話はしました
──前よりも初動を早くするといった形で
反応もそうだし、初動を早くする姿勢ですね。そこを相手がボールダウンしているのに、取るまで待っているとか極端に言うとね。そういうのがラクロスの場合、ボールを持っている相手が一番強いので、ディフェンスだとちょっと守りづらいので、それを奪う、十回に一回でもいいからそこで取れれば、そういうゲームの場合は効いてくるので、それを続けなさいっていう話はしています
──次戦の日体大戦に向けて
今言った課題があるので、そこを修正するっていうのが一番ですね。初動を早くして、プレッシャーを常にかけ続けて、相手がちょっとでもボールダウンしたら前に詰めるっていう。あと、予測っていうところをできるようにそこを中心に練習をやっていこうかなと思います
◆お知らせ◆
次戦は5月11日(日)に日本体育大学世田谷キャンパスで行われる対日体大戦です。
(記事:日向野芯、写真:福田菜緒)
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