2021年10月31日 仙台市内
関東地区選考会を4位で突破し、3年連続の出場となった全日本大学女子駅伝。6区間中3区間を1年生が走るフレッシュなメンバーで臨んだ中大は昨年からタイムを約3分縮めたものの「それ以上に他の大学がレベルアップしていて順位に反映することができなかった」(大塚沙弥・経4)と18位でのフィニッシュとなった。
▲カメラに向かって笑顔を見せる中大女子陸上競技部
1区を任されたのはこれが初の全日本大学女子駅伝となる島貫恵梨子(商1)。レース全体を左右するため各校エース級が集うが、「プレッシャーは感じなかった」と力強い走りでトップから59秒差の20位で2区の鈴木梨々亜(文2)にタスキを繋いだ。前回に続いての2区となった鈴木は「アップダウンの激しいコースという特性を昨年より理解した上で走ることができた」とコースを攻略。区間10位の走りで順位を4つ押し上げた。続く3区を走るのはこれが最後の全日本大学女子駅伝となるキャプテンの大塚。市の中心部を粘り強い走りで駆け抜けたが、「最後まで押すことができず、順位を下げる不甲斐ない走りになった」と19位で風間歩佳(法2)に繋いだ。
昨年は5区を走り、今年は4区での出場となった風間。緩やかなアップダウンが続くコースを淡々と走り順位は維持したものの、「苦しい走りとなってしまい悔しかった」と悔いの残る走りとなった。強者揃いのエース区間5区は「ずっと5区を志望していた」というルーキーの髙野美穂(商1)に任された。抜きつ抜かれつの激しいレース展開の中「ロング区間は得意分野なので、楽しんで走ることができた」と、全区間の中で最長となる9.2kmを勢いよく駆け抜け、アンカーの大塚明実(文1)にタスキを繋いだ。勝負の決まる最終6区、「アンカーだったので、深く考えずにひたすら前の人を追いかけて1人でも多く抜かすことだけを考えていた」という言葉通り、最後まで混戦の中順位を一つ押し上げ、18位でゴールテープを切った。
試合後レースを走った選手たちは「エース区間で、大学トップの人達と走って、自分はまだまだ通用しないことを痛感した」(髙野)と各々が悔しさをにじませた。この経験を糧に「来年成長した姿を見ていただけるよう仲間と共に必ず杜の都にもどってきます」(鈴木)と力強く来年へのリベンジを誓った。
◆選手コメント◆
1区島貫(区間20位)
──初めて全日本大学女子駅伝を走ってみてどうでしたか
画面越しで見ていた景色とは全然違って緊張しました。
──1年生ながら1区を任されてプレッシャーはありましたか
プレッシャーはあまり感じませんでした。
──レースプランはありましたか
集団に出来るとこまで食らい付いていくつもりでした。
──走ってみて感じた手応えや、課題はありますか
スタート前に不安感が強くて、それを感じないくらい練習を積んで自信をつけていかなければいけないと感じました。
──今後の目標をお願いします
大きな舞台を楽しめるような選手になりたいです。
2区鈴木(区間10位)
──前回と同じ2区を走ってみてどうでしたか
アップダウンの激しいコースという特性を昨年より理解した上で走ることができました。
──順位を4つ押し上げる素晴らしい走りでしたが、レースプランはありましたか
レース序盤は力みすぎずリラックスして入り、下り坂はストッパーをかけず走る、そしてラスト1kmは高校時代の専門種目であった800mのスピードを活かしてラストスパートというレースプランでした。ぺースを押していくという練習をしていたことでアップダウンの激しいコースもイメージ通り走ることができました。
──走ってみて感じた手応えや、課題はありますか
まだまだトップ選手とは戦えないと痛感しました。今後の課題としては中盤の粘り強い走り、筋力強化が必要だと考えます。
──チームとしては去年より一つ順位を上げタイムも約3分縮めていますが、この結果についてはどう思いますか
結果チームとして3分縮められた点は成長を感じました。しかし他大学以上に成長が見られなかったということが順位に反映されなかったのではと考えます。シード権獲得のためには他大学以上の努力が必要不可欠です。私たちのチームには何が足りていないのか話し合いを重ね、よく考えながら1年間チーム一丸となり精進して参ります。
──今後の目標をお願いします
今後はチームに影響力を与えられる選手になりたいです。そして支えてくださっている方々へ恩返しするため、記録を更新し前向きに努力し続けます。そして来年成長した姿を見ていただけるよう仲間と共に必ず杜の都にもどってきます。ご声援ありがとうございました。
3区大塚沙(区間19位)
──最後の全日本駅伝となりましたが走ってみていかがでしたか
今シーズンは怪我で苦しい思いを沢山した分、杜の都で再び走れたことに幸せを感じました。最後の杜の都こそは笑顔で終わりたかったですが、チームとしても個人としても今までで一番悔しい結果でした。
──チームとしてはどのような意識を持って、練習に取り組んできましたか
上半期はチーム全体として結果が出せずに出遅れていた分、特に夏合宿からはより危機感を持って、杜の都駅伝でシード権、富士山駅伝出場権を獲得するという目標を常に強く意識し、練習に取り組んできました。
──去年と比べて自分自身の走りはどうでしたか
去年以上に状態は仕上がっていたはずでしたが、最後まで押すことができず、順位を下げる不甲斐ない走りをしてしまいました。
──今年もフレッシュなメンバーとなりましたが、後輩の走りはどうでしたか
後輩たちは、どの区間の選手もチャレンジャー精神で積極的な走りができていたと思います。
──チームとしては去年より一つ順位を上げタイムも約3分縮めていますが、この結果についてはどう思いますか
チームの総合力は上がり、その点はタイムに表れたと思います。しかし、それ以上に他の大学がレベルアップしていて順位に反映することができませんでした。この差を埋めるためには現状に満足せず、練習の量、質、取り組み方を見直すことが大事だと思いました。
──来年全日本女子駅伝を走る後輩たちにメッセージをお願いします
今回の悔しさをバネに、来年こそはシード権を獲得できるように頑張ってください。これから皆んながさらにレベルアップして活躍していくのを楽しみにしています。
4区風間(区間14位)
──2年連続となりましたが走ってみていかがでしたか
今年は怪我が多くなかなか思うように練習が積めていなくて、苦しい走りとなってしまい悔しかったです。
──去年の5区と比べて4区はかなり短い区間ですが、レースプランは何かありましたか
基本的に上りのコースではありますが、下りで上手く加速して積極的に前を追っていき、ラスト1kmでスパートをかけようと考えていました。
──走ってみて感じた手応えや、課題はありますか
準備不足を感じました。もう一度初心に戻って練習に励み、富士山駅伝には万全の状態で挑めるようにしたいです。
──今後の目標をお願いします
まず目先の目標は富士山駅伝の出場権を獲得して、4年生にとって最後の駅伝を笑顔で終えることです。
5区髙野(区間17位)
──1年生で初の全日本駅伝となりましたが、いかがでしたか
緊張はあまりなく、楽しみの方が大きかったです。駅伝の全国大会は初めてで、収穫も多かったですが、それと同時にまだまだ足りない部分だらけだと感じました。
──エース区間の5区を任されてプレッシャーはありましたか
特にありませんでした。ずっと5区を志望していて、その為に練習を積んできました。また、ロング区間は得意分野なので、楽しんで走ることができました。
──レースプランはありましたか
いつも中間走で垂れてしまう癖があるので、前を追って粘ろうと思っていました。また、ラスト2kmは下り坂なので、全力疾走して走り切ろうと考えていました。
──同じ区間を走り区間新記録を出したルーキーの不破選手(拓大)の走りについてはどう思いましたか
同級生なだけに、とても悔しかったです。凄いのは確かですが、自分も負けずに食らいついていきたいです。
──今後の目標をお願いします
エース区間で、大学トップの人達と走って、自分はまだまだ通用しないことを痛感しました。この冬季で化けて、トップの人達と肩を並べて走れるよう努力します。
6区大塚明(区間17位)
──1年生で初の全日本大学女子駅伝となりましたが、いかがでしたか
昨年まではテレビで見ていた大会に選手として走らさせていただくことができ、とても光栄でした。しかし、結果ではチームに貢献することができず、とても悔しいです。
──アンカーを任されてプレッシャーはありましたか
中学生の時も高校生の時もほとんど1区ばかりを走っていましたが、アンカーは順位が決まるということでまた違った緊張感がありました。
──順位を1つあげる走りでしたが、レースプランはありましたか
アンカーだったので、深く考えずにひたすら前の人を追いかけて1人でも多く抜かすことだけを考えていました。
──走ってみて感じた手応えや、課題はありますか
→トラックとロードの違いを改めて感じました。また、単独走でも攻めの走りができるようにならなくてはいけないと思いました。
──今後の目標をお願いします
まずは富士山女子駅伝を目指して今回得た課題から自分を見つめ直していきたいです。そして、個人としてもチームとしても更にレベルアップした姿をお見せできるようにしたいです。
◆大会結果◆
①名城大 2時間2分59秒
②大東文化大 2時間5分35秒
③拓殖大 2時間6分23秒
⓲中大 2時間11分23秒
(記事:渡邊陽代里、写真提供:中央大学女子陸上競技部)