11月3日 日本武道館
各都道府県の最も心技力に優れた選手が天皇杯獲得を懸けて争う本大会。警察官や教員などさまざまな経歴を持つ選手が名を連ねるなか、宮崎県の代表として木島飛翼(法3)が初出場を果たした。結果は1、2回戦ともに二本勝ち、3回戦まで勝ち進んだが惜しくも一本取られ敗退となった。
1回戦は同じく初出場の吉田(新潟)との試合。試合序盤からメン、コテと連続で打ち相手が防いだところに引きメン、さらに引きドウと果敢に攻める。一度間合いを切ったのち、一瞬の隙を狙った引きドウが決まり一本。さらにその直後、相手が剣先を下げたタイミングを見計らってメンを打ち二本勝ちを収める。
▲1回戦に向けて備える木島
2回戦は平子(山梨、国士大)との大学生同士の対決。両選手が「出ばなメン」を得意とするなか、1分30秒過ぎ互いにメンを狙っていったところ木島の「出ばなメン」が決まり一本先制。その後、つばせり合いの解消時に五分五分で下がってないことから反則を一回取られてしまう。しかし、試合再開直後に相手がメンに来たところにコテで合わせ二本目を打ち込んだ。1回戦と同様、二本勝ちで3回戦へと勝ち進んだ。
3回戦は足立(埼玉)との対戦。試合序盤から相手がメンに来たところにコテを狙っていく。積極的にコテ、コテ、メンと連続した技で相手の隙を狙った。相手の竹刀を押さえ、メンを打つ場面もあったが一本にはならない。互いに譲らず剣先での攻め合いの時間が続く。しかし、5分に差し掛かる時間帯の相メンで足立の方がわずかに早く、一本取られてしまう。このまま試合終了となり、惜しくも準々決勝進出とはならなかった。
▲面を狙いに行く木島
初出場で3回戦進出という結果を残した木島。「まさか自分がこの大会に出場できるとは思っていなかったし、勝ち上がることに自信があまりなかった。大学内で日本一になって、強い選手と対戦するうちに通用するところがあるんだ、打てるところがあるんだというのが分かった。大学の人には稽古をつけてもらったりしてとても感謝している。」と振り返った。
◆コメント◆
木島(法3 宮崎)
――3回戦まで勝ち上がれたことについて
自分は宮崎県出身で県の代表として出場したのですが、宮崎県の最高成績がベスト8なので、あともう一つ上に行きたかったというのが感想です。
――今日の自分の状態について
1、2回戦は自分から行けたんですけど、最後は少し見てしまい、そこを打ち込まれました。
――今大会を通して得たこと、課題は
今大会、得たことしかないと思っています。大舞台で戦わせてもらったり、どれだけ自分の技が通用するかだったり。緊張感がある雰囲気を味わえたことで、これからのラスト1年に繋げることができると思います。でも、やっぱり下がってしまってはいけないと最後の試合で感じました。
――今後の稽古で取り組みたいことは
中央大学にはいろいろな選手がいるので、自分が苦手な剣道のスタイルを常に研究して自分の打てる技を増やしたいと思います。
――鍔競り合いについて
自分は結構引き技を狙っているイメージで。引き技が打てたら自分のスタイルができるんですが、足立選手の場合は警戒されてたから、自分の得意なところを防御されていました。
◆試合結果◆
3回戦
●木島―メ足立(埼玉)〇
2回戦
〇木島メコ―平子(山梨、国士館大)●
1回戦
〇木島ドメ―吉田(新潟)●
(記事:奥村杏、写真:今諒平、奥村杏)