2025年6月19~22日 東京体育館
パリオリンピックのメダリストたちも集結し、熱戦が繰り広げられることが期待された明治杯。中大からは7名の選手が出場した。中大からは7人の選手が出場した。B日程に出場した大脊戸逞斗(法2)、C日程に出場した山口叶太(法2)が3位決定戦に駒を進め、山口が見事3位表彰台を飾った。
1日目
坂井愛(法1)が大学入学後初の公式戦、72㌔級に出場した。予選リーグ初戦、2回戦では強固な守りにタックルが入らず、カウンターで相手にポイントを取られてしまい、惜敗した。3回戦残り15秒でバックを取り、逆転を図るも惜しくもタイムアップ。勝利を挙げることはできなかったが、今後の活躍に期待がかかる。
▲大学入学後、初の公式戦に挑んだ坂井
2日目
GR130㌔級に出場した織山昭成(商2)。1回戦は先にパッシブを相手に与え、パーテレに持ち込む。そのままローリングで点数を取り切り、テクニカルスペリオリティ勝ちを決めた。しかし、続く2、3回戦では自分のペースに持ち込むことができず、惜しくも予選敗退となった。
▲ローリングを仕掛ける織山
FS61㌔級には佐藤大夢(法4)、大脊戸逞斗(法2)の2名が出場した。
1回戦、佐藤の試合は膠着状態が続く中、佐藤に先にパッシブが課され、相手に1点が入る。そして場外ポイントでさらに2点加わった。3点ビハインドで始まった第2ピリオド。相手にコントロールされ、2点を奪われるもカウンターで2点を獲得。反撃に出るもタイムアップとなり、初戦敗退となった。
▲隙を狙う佐藤
大脊戸の1回戦、開始から絡み合いながらも、先に大脊戸がコントロールし、得点をもぎ取る。さらに相手のタックルが入るもすかさず脚を取り、相手をデンジャーポジションにして追加得点。しかし、バックに回られローリング、回されて6-6と同点に追いつかれた。第2ピリオドも互いに攻撃の手を緩めず、ポイントを取り合う。拮抗(きっこう)した試合の中、大脊戸の攻撃がはまり、10-7と突き放す。1度バックを取られ、得点され、10-9と追い付かれそうになるも守り切り、ポイント勝ち。2回戦でもテクニカルスペリオリティ勝ちを収め、準決勝に進んだ。
▲ローリングで得点を稼ぐ大脊戸
昨年天皇杯準優勝の向田(専大)と対戦した。先制点を奪われるも、隙を突いて相手をコントロールし、4-4と同点に持ち込む。第2ピリオドでは向田(専大)の猛攻に耐えられず、フォール負け。準決勝で惜敗したものの、3日目の3位決定戦に駒を進めた。
3日目
3日目には、FS74㌔級に林拳進(商4)、山口叶太(法2)、女子レスリング62㌔級に佐々木すず(法3)、そしてFS61㌔級の3位決定戦に大脊戸が出場した。
3日目初戦、FS74㌔級1回戦に林が出場した。開始早々、林が相手をコントロールし、テイクダウンで2点を獲得。しかしカウンターでバックを取られ、ローリングで相手に4点。第2ピリオドも流れを掴めず、さらに相手に4点が追加された。反撃に出たい林、残り1分半、タックルで相手の懐に入り、さらにローリングで得点を重ね、10-8と逆転勝利した。2回戦では先にテイクダウンを取られるもグラウンドを返らず、失点を2点に抑えた。しかし、さらに得点を重ねられ、8-0。巻き返しを図りたい第2ピリオドだが、相手のペースにのまれてしまい、0-10のテクニカルスペリオリティ負けとなった。
▲相手の足を取る林
同じくFS74㌔級に出場した山口、対戦相手は高橋(日体大)。1か月前に行われた東日本学生レスリングリーグ戦で敗北を喫した相手とのリベンジマッチとなった。先に2度のパッシブが課され、相手に1点。試合は膠着したまま第2ピリオドへ。開始からわずか数秒、相手に攻め込まれるも、それを利用したカウンターで2点を獲得した。しかし、相手に足を取られて体勢を崩し、点差が広がる。後がない山口が果敢に攻め、タックルに入るも逆手に取られ、ポイントを許してしまう。最後まで相手に飛びつき粘るもタイムアップ。しかし、高橋が決勝に進出したため、山口も4日目に行われる敗者復活戦への切符をつかんだ。
▲相手をコントロールする山口
佐々木は女子レスリング62㌔級に出場。先にコントロールされ、ポイントを奪われる。第2ピリオドも自分のペースを作ることができずに、0-8とリードを広げられてしまう。積極的に仕掛けるも得点は決まらず、点差が縮まらないままタイムアップ。
▲組み合う佐々木
FS61㌔級の3位決定戦に大脊戸は、先に体勢を崩されて体を持ち上げられるも、場外の1ポイントにとどめた。第2ピリオド開始早々、場外で1点を取り返し、さらに場外ギリギリで相手をコントロールし、テイクダウンで逆転した。残り30秒、互いに足を取り合い膠着状態に。このまま耐えれば3位が決まる。そう思った瞬間、残り5秒、大脊戸の体が宙に浮き、投げ技が決まった。その瞬間、試合終了のブザーが鳴り、3-5のポイント負けが決まった。
▲入賞を果たした大脊戸
4日目
4日目最初の試合、まだ温まりきっていない会場の中、試合開始のアナウンス。3位決定戦に進むにはこの試合を勝ち上がらなければならない山口。相手をコントロールしてテイクダウンで2点を獲得。さらに再びコントロールして相手をデンジャ-ポジションに追い込む。そして、第1ピリオド3分ぴったりでフォール勝ちを収めた。
3位5位決定戦では相手の棄権により、不戦勝で3位が決まった。
▲表彰台に乗る山口
3位5位決定戦に駒を進めた2年生の大脊戸と山口。大脊戸の次大会は2025U20世界選手権大会。2回目の世界大会へ、「メダルを取りたい」と闘志を燃やす。山口は2025U20世界選手権大会の前に、国内で行われる新人戦に出場する。初の国際大会の前に勢いを付けられるか。2年生コンビのさらなる活躍から目が離せない。
◆試合結果◆
1日目
女子72㌔級
1回戦
●坂井0-5吉田(南九州大)○
※フォール負け(4:27)
2回戦
●坂井0-10吉武(長崎県レスリング協会)○
※テクニカルスペリオリティ負け(5:11)
3回戦
●坂井2-4小原(法大)○
※ポイント負け
2日目
GR130㌔級
1回戦
○織山9-0春風(周南公立大)●
※テクニカルスペリオリティ勝ち
2回戦
●織山0-9小畑(新日本プロレスリング)○
※テクニカルスペリオリティ負け
3回戦
●織山2-11奥村(自体校)○
※テクニカルスペリオリティ負け
FS61㌔級
1回戦
●佐藤2-6赤嶺(日体大)○
※ポイント負け
○大脊戸逞斗(法2)10-9加藤(国士大)●
※ポイント勝ち
2回戦
○大脊戸12-2及川(日体大)●
※テクニカルスペリオリティ勝ち
準決勝
●大脊戸4-14向田(専大)○
※フォール負け
3日目
FS74㌔級
1回戦
○林10-8三輪(ALSOK)●
※ポイント勝ち
2回戦
●林0-10高田(自体校)○
※テクニカルスペリオリティ負け
●山口叶太(法2)2-9高橋(日体大)○
※ポイント負け
女子62㌔級
●佐々木0-8榎本(自体校)○
※ポイント負け
FS61㌔級61㌔級3位決定戦
●大脊戸3-5赤嶺(日体大)○
※ポイント負け
4日目
FS74㌔級 敗者復活戦
○山口6-0茂野(大体大)●
※フォール勝ち
3位5位決定戦
○山口―高田(自体校)●
※不戦勝
◆コメント◆
大脊戸選手
──大会を振り返って
結構課題が見つかった大会ですね。足を取られちゃうのと、後半になって守っちゃって負けちゃって。最後まで攻めていたら多分勝てたと思うんですけど、そういうことをして負けちゃったので、もっと練習して、来年はもっといい成績を取りたいと思います。
──次の大会、U20世界選手権への意気込み
世界は2回目で、前に1回U17に出たんですけど、前回は5位だったのでメダルは取りに行きます。
山口選手
──今大会を振り返って
やっぱり高橋選手との1戦目、リーグ戦の時よりは差が縮まってる感じはしたので、1つ収穫かなっていうのはありますけど、まだ自分に足りないところがいっぱいあるので、そこを練習していきたいなと思いました。
──今大会を通して見つかった課題
後半の体力勝負というか、後半にぼろぼろ(点数を)取られてしまう場面が多かったので、そこが課題かなと思います。
──次の大会、新人戦への意気込み
今大会の反省を踏まえて、6分間攻め続けられるような試合展開を意識していきたいと思います。
(記事:塚越香都、写真:村野風珈、沼澤春日、庵原悠史、塚越香都)
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