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村佐大車輪の活躍劇 200m自由形、100mフリーリレーで大会新記録を樹立─第101回日本学生選手権水泳競技大会・2日目

2025年9月5日 東京アクアティクスセンター

競泳の日本学生選手権第2日は5日、東京アクアティクスセンターで行われ、男子200m自由形で村佐達也(総1)が大会新記録の快勝。男子4×100mフリーリレーでも、1泳から蓮沼椋祐(経3)、村佐、光永翔音(商2)、小山陽翔(法4)という充実のオーダーで優勝し、大会新記録を樹立した。


■男子200m自由形

7月の世界水泳(シンガポール)で同種目銅メダルを獲得した村佐達也(総1)が予選9組に出場。序盤から大きくリードする盤石の泳ぎを見せ、1分48秒16の全体1位で決勝進出を決めた。レース後は「身体は動いていました」と振り返った上で凱旋レースとなる決勝に向けては、「格の違いを見せれたらと思います」と淡々と意気込みを口にした。

▲凱旋レースも圧巻の試合運びだった

優勝はもちろんのこと、大会記録更新が大きく期待された決勝でも村佐はただならぬ存在感を発揮した。「周りを引き離して全員の心を折ろうと思っていた」と語った通り、100mを50秒92で折り返す積極性を見せると、その後もダイナミックなストロークで差を広げ続けてフィニッシュ。「自分の強みである後半を出せなかった」と振り返ったものの、1分45秒62の大会新記録で選手権を獲得した。前日の100m自由形に続いて二冠を達成した村佐は「松下知之選手や西川我咲選手(ともに東洋大)はベストも出しているので、自分も世界水泳の後とか関係なしにベストを出せたらと思っていたので、まだまだ納得はできていないです」と冷静に自身の心境を明らかにした。

▲ルーキーながら個人二冠を達成

■女子200mバタフライ

「表彰台に向けて、楽しんで泳いでいこうと思う」と前日の背泳ぎ決勝後に意気込んでいた弘中花音(文2)は予選5組に登場した。「突っ込むレースが私の良いところ」という弘中は本レースも積極性を見せる。100mを1分1秒27の1位で折り返すと後半も逃げ切り、危なげなくフィニッシュ。2分11秒47の全体2位で決勝進出を決めた。レース後100mのラップタイムを知った弘中は「1秒27はちょっと、どうりできつかったわけですね(笑)」と驚いた表情で語ったものの、充実な状態であることを覗かせた。

迎えた決勝は5レーンでのスタートとなった弘中。「金メダルを獲りに行くつもりで臨みます」という強い意志は、大一番でも体現された。50mを2位、100mを2位で通過すると、1位と僅差でラスト50mへ。後半は粘り強い泳ぎで最後までメダルを争うも、追い上げを許し6位でレースを終えた。弘中は「メダルを獲れる位置にいたので悔しい気持ちはあるんですけど、すごく清々しく泳げました」と語ったうえで「最近バテることを恐れるレースをしてしまったり、バテる直前に諦めかけたりするんですけど、今日は最後のタッチまで諦めず泳げたのでそこは褒めたいと思います」と充実の表情で思いを語った。

▲レース後の笑顔が印象的だった弘中

■女子100m平泳ぎ

200m平泳ぎを制したユニバーシティーゲームズ(ドイツ)以来の大会出場となった楠田夢乃(文2)は今種目予選5組に出場した。「今年はユニバが終わってからの8月はほとんど合宿で、楽しみつつ練習を積めた感じがありました」と徐々に状態を併せてきた楠田。苦手意識のある今種目は練習でも納得のタイムが出せず、「一発目は怖かった」と語ったが、「決勝に残る覚悟を持ちながら泳ぎました」との言葉通り、全体7位で決勝進出を決めた。

迎えた決勝。自己ベストの更新を目標に掲げての挑戦となった中、1分9秒29を叩き出して見事有言実行となった。「前半は置いていかれることは分かっていた中、最後のラスト25mから出ていきたいと思って臨んだので、その通りに泳げたと思います」と笑顔で語り、翌日以降に向けては「最終日の200m平泳ぎに全てを懸けているので、今まで練習した成果がつながればいいかなと思います」と決意を示した。

▲自己ベストを更新した楠田

■男子4×100mフリーリレー

予選は1泳・尾関啓太(総2)、2泳・蓮沼、3泳・小山、4泳・松村駿佑(総2)のオーダーで全体3位通過を果たし、迎えた決勝。この日の最終種目は、1泳・蓮沼、2泳・村佐、3泳・光永、4泳・小山にメンバーを変えて臨んだ。「昔から『自由形といえば中央大学』と言われているので、近年優勝していないのでここで優勝したいというのもありますし、学生記録を更新したいです」という小山が語った通り、大きな期待を背負ってのスタートとなった。

▲満を持して臨んだリレーメンバー

「昨日の疲れもあって、思った通りに体が動かないだとか不安もあったんですけど、負けたくない思いでした」という蓮沼は、その言葉通りオリンピアンの松下に食らい付く健闘を見せて2位で中継する。先輩の好スタートから受け継いだ村佐はすかさず逆転すると、リードを作って光永へ。前日の100m自由形では村佐に先行を許したことで、悔しさをにじませた光永だったが、本レースでは全体トップの47秒72というラップタイムをマークし、2位・早大との差を拡大。「日本一早いフリー陣が僕の前に泳いでくれたんで、もう何も心配はなかったです」という言葉にもあるように、最終泳者の小山は落ち着いてレースを締め括り、大会新記録でフィニッシュ。3分15秒04は学生記録に及ばなかったが、選手たちの表情は晴れやかだった。

▲光永のラップタイム全体トップだった

レース後、小山は「メンバー全員で諦めずに天皇杯奪還へ向けて頑張ります」と力強く意気込みを口にした。

▲笑顔を見せるリレーメンバー

 

◆大会結果◆

名前種目タイム結果
川中鼓太郎(商1)男子200m自由形予選1分50秒4813位(B決勝進出)
村佐達也(総1)1分48秒161位(決勝進出)
嶋田大海(商1)1分51秒3622位
坂本千紗(商1)女子200mバタフライ予選2分15秒0818位
長森流楓(文3)2分13秒9311位(B決勝進出)
弘中花音(文2)2分11秒472位(決勝進出)
中原克(商1)男子200mバタフライ予選2分2秒0636位
松原晴太(商4)2分5秒0658位
町山哲太(商1)1分59秒3311位(B決勝進出)
楠田夢乃(文2)女子100m平泳ぎ予選1分9秒517位(決勝進出)
杉浦凜汰郎(経3)男子100m平泳ぎ予選1分2秒4628位
川平治樹(商1)1分2秒7433位
谷藤大斗(法4)1分1秒8017位
中大女子4×100mフリーリレー予選3分50秒0911位(B決勝進出)
中大男子4×100mフリーリレー予選3分19秒763位(決勝進出)

名前種目タイム結果
川中鼓太郎(商1)男子200m自由形B決勝1分50秒262位
村佐達也(総1)男子200m自由形決勝1分45秒621位(大会新記録)
長森流楓(文3)女子200mバタフライB決勝2分13秒311位
町山哲太(商1)男子200mバタフライB決勝1分59秒714位
弘中花音(文2)女子200mバタフライ決勝2分11秒446位
楠田夢乃(文2)女子100m平泳ぎ決勝1分9秒296位
中大女子4×100mフリーリレーB決勝3分50秒113位
中大男子4×100mフリーリレー決勝3分15秒041位(大会新記録)

(記事:日向野芯、写真:松浦有紗、琴寄由佳梨)

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