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日体大と大激闘! かみ締めた1点の重みー関東学生ハンドボール秋季リーグ戦 対日体大

9月21日  日体大健志台体育館

「勝てる試合」だった。試合終了を知らせる乾いた機械音が鳴り響くと選手たちは天を仰ぎ、唇をかみ締めた。秋リーグ6戦目の相手はいまだ無敗の日体大。「練習試合やリーグ戦でぼろ負けしている相手」(山川慎太郎主将・経4)だけに、チームはこれまで入念に対策を練ってきた。それが功を奏し、前半を優位に進めるが、後半の失速が目立ち26-27で惜敗。1点が全てを左右する激闘を強豪校相手に繰り広げた。

前半は「かなりうまくいった」と実方監督が振り返るほど中大が試合の主導権を握ることに成功する。序盤には山川慎太郎主将(経4)と蔦谷大雅(法1)が果敢にゴールに向かっていくと勢いそのままに二人で一挙5得点を奪う活躍を見せた。また、同じ頃に大西暁斗(法4)も好セーブを連発するなど守備から盛り上げる。14分に安永翔(法3)の同点弾で試合を振り出しに戻した中大はその後もとどまることなく得点を重ねていく。しかし、日体大の堅いディフェンスに阻まれ点差は大きく開かないまま前半終盤へと突入。28分頃にはそれまで保利憲之朗(経4)と共にディフェンスの要として機能してた寺島健太(総3)がまさかの2分間退場に。中盤から攻撃面においても大活躍を見せていた寺島の退場は痛手と思われたが、その後すぐに日体大の選手も2分間退場となり、まさに一進一退の攻防が続いた。そんな中、前半を最高の形で締めたのは福本吉伸(経3)だった。途中出場の福本はそれまで好機を逃してきたが、ラストチャンスで会心の一撃をゴールに突き刺した。攻守がかみ合い、中大は15-13の2点リードで前半を折り返した。

▲攻守ともに躍動した寺島

前半の流れを大切にしたい後半は日体大の先制点から始まった。すぐさま前半に苦しんでいた中村翼(法2)が得点を取り返すも、再び寺島が退場に。それでも、久保寺歩夢(文1)の守備や大西のスーパーセーブが光り、順調な滑り出しを切った。こうして勢いに乗った中大は蔦谷を筆頭にゴールを揺らす。蔦谷は13分から圧巻の3連続ポイントを奪うなど、存分に輝きを放った。この頃、リードを広げた中大と日体大との差はなんと4点差。この試合、「勝った」ように思われた。

▲今回チームで最も得点を挙げた蔦谷

しかし、20分頃から徐々に中大の歯車が狂い始める。「シュートを単発で打ち始めた」(実方監督)。本来、中大はボールを巧みに回しながらゴールを目指すが、点差が詰まっていくにつれてそれができなくなってしまっていた。焦りから攻撃のリズムが崩れていった中大は終盤にかけて失速。そして、23分頃、ついに同点まで追いつかれ勝ち越しを許してしまう。しかし、諦めない中大は蔦谷や山川主将のシュートでどうにか必死に食らいつく。しかし、同点のラストチャンスで放った山川主将の一撃はゴールからそれ、1点差で無念の敗北。それまで善戦していた試合だっただけに、悔しさがこみ上げた。

「これまで秋リーグで負けた試合は終盤で弱い」(山川主将)。今の中大には試合状況が一変し、展開が劣勢となったときに立て直す力がないという。実方監督も「コートにいる誰かがそれを修正できないと」と頭を悩ませている。「もう負けられない」(山川主将)。残り試合もあとわずか。現状をチームとしてどのように乗り越えるか、今こそ秋の『勝負どころ』だ。

 

◆大会結果◆

●中大26(15ー13、11ー14)27日体大◯

 

◆コメント◆

実方監督

「悔しかったね。前半は速攻で点も取れたし、ディフェンスはまずまずだった。後半は攻撃のリズムが悪くなって最後にあんまり点が取れなかった。次戦はディフェンスを頑張って勝ちにいけるようにしたい」

山川主将

「前半はミーティング通りにいけたと思う。自分たちのやりたいことができた。でもラスト15分で負けたのは悪かった。後半の弱みが出てしまったと感じる。もう一回ミーティングして筑波戦に臨みたい」

蔦谷

「正直勝てる試合だったので、負けたのが悔しい。日体大に勝つためにはチャレンジャーとして食らいついていくことが大事だと思っていた。次戦の筑波大は高さがある。その高さに引っかからないようなハンドボールをして全員ハンドで勝ちたい」

 

 

◆今年もやります!~4年生特集~◆

昨年に引き続き、チームを支える4年生を紹介するこの企画。第5回はゴールキーパーでチームの副将も務める、大西暁斗(法4)選手です!

▲チームメイトと喜び合う大西

—ハンドボールを始めたきっかけは何ですか

「小学校ではサッカーをしていました。それで仲良い子たちが中学に入ってハンドボール部に入るってことだったので自分も入ろうかなと。あるあるな感じですけどね(笑い)。ポジションはサッカーやってるときからもキーパーで、ハンドボール始めてからもずっとキーパーです。ゴールの大小だったり、近い遠いはありますけど位置取りとかにはサッカーと通じるところはあるのかなと思います。止めるほうが自分に合ってるんだと思います(笑い)」

—キーパーをやっていて一番気持ちのいい瞬間はどういう場面ですか

「意外と止めたときより、際どいロングスローが前に通ったときですかね。投げるほうが好きです」

—ハンドボールの魅力は何だと思いますか

「流れのスポーツだと思うので、サッカーゲームみたいに強い選手集めたら勝てるわけじゃないというところですかね。大学というくくりになりますけど、チームの作り方から色々あると思うので」

—副将としてチームではどのような役割ですか

「今年のチームは本気出したらめっちゃ強いし、本気出さなかったらめっちゃ弱い、そんなチームだと思います。立場的に副将じゃなかったとしても、試合に出てる4年生は少ないのでコートの中ではしっかりしないといけないし、1年生から出さしてもらってるので、安心感を与えられる存在でありたいです」

—インカレに向けての意気込みを教えてください

「作戦とかは監督とキャプテンに任せているので、自分はみんないい方向に向かっていけるようにというのを大事にしたいです。どのチームも強いので」

▲好きな言葉は『人事を尽くして天命を待て』。「高校のTシャツの背中に書いてあった言葉で、やることをやってれば良いことがあると思うので」。

試合中は常に冷静な大西選手。学生生活ラストシーズンでの活躍を期待しています!

 

◆お知らせ◆

次戦は9月22日、明大和泉体育館にて15時50分から試合開始予定です

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部