2022年6月9日~12日 大阪・ヤンマースタジアム長居
陸上の日本選手権が大阪・ヤンマースタジアム長居で開催され、800mで金子魅玖人(商3)が悲願の初優勝を遂げた。中大勢ではU20でも100mの藤原寛人(法2)が優勝を果たした。
大会3日目の予選をラストの直線でキレ良く追い上げ、決勝へと駒を進めた金子は「ラスト200mに余力を残したい」とレースプランを描いた。
金子はオープンコースになると先頭から5番手に位置取る。残り1周の時点で集団に大きな変化はなかったが、ラスト300mのところで仕掛けた。先頭の薄田健太郎(筑波大M2)に追いつくと第4コーナーを回ったところでスパートをかけ一気に先頭に出てそのままフィニッシュ。見事に優勝を遂げた。
▲手を開きフィニッシュした金子
過去2大会ともに準優勝と日本一まであと一歩が続いていたが、ようやく頂をつかんだ金子。「記録的には世界陸上標準記録突破まで2秒くらいある。こういうところで出せるようにならないとだめかなと思うので、しっかりと力をつけていきたい」と振り返った。
U20では「世界ジュニア(8月、コロンビア)に選ばれたい」とシニアからジュニアへカテゴリーを変更した藤原が優勝を果たした。
▲100mで優勝した藤原
フィニッシュ後、笑顔を見せた藤原は「どんな状況でも自分らしくいられるように楽しむ方にシフトチェンジした」と気持ちの変化が好調の要因と自己分析。「ブダペストの世界陸上(2023年、ハンガリー)と一番の目標はパリオリンピック(2024年)に出られるように頑張りたい」。世界ジュニア内定に大きく近づいたことで世界の舞台での挑戦を見据えている。
▲「C」ポーズをとる藤原
長距離ブロックでは1500m決勝に中野倫希(経2)が出場。前日の予選を着順で突破した中野倫は「昨年度以上に練習が倍くらいうまく消化できている」と調子の良さがうかがえる。
▲積極的な走りを見せた中野倫
決勝では最後の1周まで3,4番手を維持する積極的な走りも「ラスト一斉に仕掛けたところで、まったくついていけなかった」と徐々に後退。12位でレースを終えた。「勝負どころの対応する力や自分から勝ちにいくという力をつけないとまだまだ戦えない」と振り返った。
U20では5000mに吉居駿恭(法1)と溜池一太(文1)が出場。
▲溜池(右から2人目)と吉居駿(同3人目)
序盤から前方でレースを進めると3000mを通過したあたりで溜池が先頭に躍り出た。吉居駿も後ろに続くと残り1000mのところで吉岡大翔(佐久長聖高3年)が前に出て以降は独走状態。「佐久長聖の吉岡くんの調子がいいから、そこに対応できる余力は残しつついきなさいと言ったのですが余力がなかったですね」(藤原正和駅伝監督)。
吉居駿は4位、溜池は7位でレースを終えた。藤原監督は「ホクレン(7月、北海道各所)にウエイトを置いてずっと練習をしている。表彰台を獲得できなかったことは残念ですが、4番で帰ってきたのはよかったと思います」と吉居駿の走りを労った。
最終日にはルーキー篠原寛(経1)が3000m決勝に出場。最後の1周手前で積極的に前に出たものの残り200mで表情は苦しくなった。「ラスト100m全然よくなくて」と最後の直線で5人に抜かれ6位となった。レース後、篠原は「周りと比べたりせずに、課題をひとつずつ潰して、自分ができることをやっていきたいです」と振り返った。
▲3000mに出場したルーキーの篠原
けがにより今大会を回避した吉居大和(法3)について藤原監督は「まずは焦らずにいい形で復帰できるようにしたい」としたうえで、この大会を前に吉居大と吉居駿が合宿を行い遠藤日向(住友電工)と練習をともにしたことを明かした。「大和に関しては、そこで厚い壁に阻まれたというか跳ね返されたという感じです」(藤原監督)。長距離ブロックとしては男鹿駅伝(25日、秋田)に加え主力組はホクレン・ディスタンスチャレンジ2022(7月、北海道各所)に照準を合わせる。
◆試合結果◆
1日目
男子5000m 決勝
④吉居駿恭(法1)14:05.75
⑦溜池一汰(文1)14:14.25
男子400 m 予選2組
⑨森周志(法4)47.65
男子1500m 予選1組
⑤中野倫希 (経2)3:46.74
⑬山田俊輝 (経3)3:52.86
U20男子400m 予選3組
④西山雄志(法1)47.34
U20男子100m 予選1組
⑤三井一輝(法1)10.89(-0.1)
①藤原寛人(法1)10.37(-0.4)
2日目
男子1500m決勝
⑫中野倫希(経2)3:50.12
U20男子400mH予選2組
③中島陽基(法1)52.04
U20男子100m決勝
①藤原寛人(法2)10.44(0.0)
3日目
男子110mH予選2組
④宮﨑匠(法3)13.66(-0.1)
男子800m予選1組
①金子魅玖人(商3)1:48.05
男子110mH準決勝2組
⑤宮﨑匠(法3)13.81(-0.4)
U20男子200m予選3組
④藤原寛人(法2)21.81(+0.5)
⑥檀上翔多郎(商1)22.19(+0.5)
4日目
男子800m決勝
①金子魅玖人(商3)1:47.07
U20男子走幅跳決勝
②常泉光佑(文1)7m66
U20男子3000m決勝
⑥篠原寛(経1)8:14.69
◆コメント◆
コメントは後日掲載予定です。
(記事:杉浦瑛俊、写真:鈴木咲花、角谷優希、杉浦瑛俊、若林拓実、石井縁、古川紗菜、小幡千尋)
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