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【中大陸上部同窓生対談/國學院大學久我山編】<後編>4人からこれからの後輩たちへ、エールを送る!

全国高等学校駅伝競走大会(通称:都大路)に通算25回の出場を果たしており、東京の陸上競技部の中でも強豪校として名高い國學院大學久我山高校(以下:久我山)。現在中大陸上競技部長距離では浦田優斗(経4)、伊東夢翔(経3)、長嶋翔大(総3)、鈴木耕太郎(法2)と計4名の久我山出身の選手とマネージャーが在籍している。今回はその4名にインタビュー。高校時代の話や、お互いの印象、今後の目標についても話を伺った。【全3回】(取材は5月25日に行いました)

後編は自身の走りの強みや久我山の後輩たちへのメッセージをお届けします!

(聞き手・構成:大畠栞里、大日方惠和(=久我山卒))

<前編>はこちら、<中編>はこちら


▲「デスターシャ」の決めポーズをする4人。
手前はたまたまトレーニング中だった短距離ブロックで同じく久我山の寺田向希(文1)

 

―今シーズン力を入れて取り組みたいことはありますか?

浦田
「ちょっと今年は相当出遅れてて、色々と噛み合わないことが多くて。怪我もそうですし、 狙ったところで体調不良とかもあって。相当で遅れちゃってるので、欲張らずにというか。今年始まる段階では結構高望み、トラックシーズンも駅伝シーズンも全部目標を高めに設定してたんですけど、前半シーズンは日本選手権に間に合えば1本、狙うレースに絞って、もう夏は3年間、結局1回も練習消化できてないので、今年逆に夏しっかり消化できれば余裕で練習の量的には去年以上に積めると思うので、夏の強化期間を鍵と見て頑張れれば、 秋冬でしっかり10000m、ハーフ、箱根で結果出せると思うので。やっぱり夏の強化を軸に頑張りたいなっていう風に思います」

伊東
「浦田先輩と一緒なんですけど、去年は前期のシーズンだいぶ走れて、逆に夏越えてからガス欠っていうか、全然思うように走れるレースが1本もなかったんで。今期はちょっとここで遅れてる分、最近はやっと調子も戻ってきていい感じになってきてるので、 夏越えてから去年みたいに失速しないように。ハーフっていうところの結果が駅伝には1番重要になってくるので、ハーフで結果残せるように、3年目で大事な時期なので頑張っていきたいなって思ってます」

鈴木
「僕も出遅れてるので、3人とも出遅れてるんですけど、僕は個人的に今年が勝負の年になると自分の中で思ってるので。今はもうチームのほぼ最下層にいるので、結構北上じゃないですけど、駅伝シーズンに向けて地道にやっていこうって思います。関カレも選ばれてたのに自分で棒に振っちゃったので、そういう悔しさとか、今日のこういう機会を経験して、それを受けてこれから練習していきたいです」

長嶋
「自分の中では今年はいろんなものを形にしたいなと思ってる1年なので、この1年、2年でかなりいろんなところにも行かせてもらったりとか、経験もかなり踏ませてもらったので、あとは上級生になったっていうところもあるので、何かしら形としてチームに還元していって貢献できればなっていう風に思ってるので、 今やってるトレーニングの部分であったりとかを継続してやってくのと共に、もう 少しプラスアルファ何が自分にできるかなっていうところを考えて、チームを目標に貢献できるようになっていければと思います」

 

―走りの面での強みを教えてください

浦田
「可能性を感じさせる走りができるところ、自分の中で思ってる以上に走れることが多くて、レースでは練習以上に本番の力が発揮できる。練習のときよりラストが効く。レースでの爆発力が自分の魅力だと思います」

伊東
「粘り強さですかね。粘り強くはあると思います。キツかったり、しんどいことを意外とできるというか、何事も意外ときついこと、しんどいことを文句言いながらでもやる性格なので。それが走りにも生きてるかなと思ってて、走ってからキツくなることが多いんですけどそこで自分を奮い立たせられるのでそこが走りのいいところではないかと思います」

鈴木
「走る上ででペースとかあんまり気にしないで、どんなペースでも対応できるのが自分のいいところなのかなって自分なりに思うんですけど、大学入ってから自分らしいレースが一回もできてないので自分らしいレースをしたいです」

長嶋
「僕からの視点で言うと、浦田先輩は、爆発力というか、天才的だなと。ここぞって時に当てていく力はチームで一番なのかなと思います。なかなか身につくものではないというか、すごい能力だなと思うのでプラスの強みだなと思います。
夢翔は、粘り強いとも感じているけど、意外と馬力があるというか。スピードがあるとはまたちょっと違うけど、意外とアップダウンを苦にしないタイプだなと思う。馬力があって、ガンガン強気のレースができるところ。どんなレースでも前で攻めてちゃんと自分なりに課題を持って帰ってくるみたいな前のめりのレースができるのは強みだなと思います。
耕太郎は、最初見たときはコイツ天才じゃねって思って、最初そう思ったのは多分バネ感というか身長があってその中で体が使えない選手が多い中で耕太郎はちゃんとそれを体のバネ感をしっかり使った走りができてるところは強みなのかなって。今見たらまだ足りない部分はいろいろありますけど、そこは耕太郎の強みなのかなって思います」

 

―長嶋さんは選手としての目線とマネージャーとしての目線で選手や競技を見たときに何か違うと感じるところはありますか?

長嶋
「自分的には意外と似ているというか。もちろん、競技をやる側と走るまでをサポートする面で大きな違いはあるけども、結局走る前にも事前の準備が必要だし、そこまでどれだけのものが積み上げられたかっていうのが中でも重要になってくると思うし、マネージャー目線で言ってもやっぱり走り出したらできることって計測ぐらいで、それももちろん大事になってくるけど選手がレースにどれだけ最高の状態でノンストレスで迎えられるかというところまでするのがマネージャーだと思うので違うところというか 競技をするかしないかで大きな違いがあるけど見てる面というか、選手だったら自分の結果出したり、マネージャーだったら選手に結果出してほしいっていう面で僕は意外と似ているのかなと思ってて。選手にどれだけ感情移入できるかっていう。難しいな」

▲長嶋の的確な分析に驚く一同

浦田
「めちゃめちゃいい」

伊東
「なんかめちゃくちゃいいこと言ってましたよね」

長嶋
「マネージャーであっても選手であってもどれだけその目標に、チームの目標っていうものに対してどれだけ貢献できるかってのは選手もマネージャーもやり方は違えど一緒なのかなっていうところがあるので、意外と似てるんじゃないかなと個人的には思いますね」

 

―競技以外でこのメンバーで自分のこれだけは負けないぞという物はありますか?

伊東
「僕はこの世でだれにも負けないものがある。ポジティブさ」

浦田、鈴木、長嶋
「確かに」

伊東
「多分僕、20年人生生きてきて僕よりポジティブっていうか」

長嶋
「能天気?(笑)」

伊東
「そう。なんか能天気というか鈍感というか」

長嶋
「何も考えてない」

浦田
「いい意味で鈍感だわ。幸せそうだもん。マジで人生楽しそう」

長嶋
「いや確かにそれが一番なんですよ」

伊東
「ポジティブさというか鈍感さ。何事も楽しめるっていう点ではたぶん誰にも負けてないなって思います」

浦田
「俺のほうが(伊東より)ひざ下長くね?」

伊東
「でも耕太郎には負けるからダメです」

浦田
「耕太郎は長すぎる(笑)」

鈴木
「僕は個性ですかね。個性を出してる」

伊東
「なんか変わんない」

鈴木
「同じ久我山だからとか同じ長距離やってる人とかで括られないように、自分らしさを出して」

伊東
「あ、変人ってことね(笑)」

鈴木
「いや、あえて出しているという感じです。別に出さないと思えば出さない」

浦田
「じゃあ出さないでやってみて(笑)」

長嶋
「無理?」

鈴木
「今は出してるからそう思われてるだけで」

伊東
「じゃあ出さないで一週間過ごしてみて。疲れる(笑)」

鈴木
「そしたら僕らしさがないので。あえて出してるって感じですね。だからポジティブさじゃなくて、なんだろう。自分の場合は」

浦田
「ユニーク?」

鈴木
「そう!ユニークさは負けないです」

浦田
「なんだろう・・・」

▲長所を探す浦田

鈴木
「いっぱいありますよ」

浦田
「いや、良い方はないよ」

伊東
「全部表裏一体。見方が違うだけなんで。良い方から見ればいいし、悪い方から見たら悪い」

長嶋
「物は言いようですよ」

浦田
「一応頭悪いでしょ?」

伊東
「いやそんなことないですよ、こっち(鈴木)のほうが悪いですよ」

長嶋
「地頭はいいじゃないですか」

伊東
「勉強してないだけで」

浦田
「一番ポーカーが強い(笑)」

長嶋
「一個に熱中したらすごくないですか?」

浦田
「集中力はあるかも」

長嶋
「1つのものに対するあれ(集中力)は1番あるんじゃないですか?」

浦田
「それにしとく(笑)。打ち込んだ時の集中力は一番すごい。
長嶋は?」

伊東
「この中だったら全部一番のものが多いよ。ほとんど一番じゃん(笑)」

 

―久我山の後輩に期待することはありますか?

鈴木
「一応見てた子たちなんですけど、結構もう、 言葉悪いですけど、戦力ダウンしちゃって、結構都大路も危ういみたいな感じで、都選の今回の南インターハイ予選も都大会で終わっちゃって、暗黒時代突入しつつあるので頑張ってほしいなっていう気持ちが強いです」

伊東
「なんか知らないですけど、僕の次の代(鈴木の代)が都大路走ってなかったので、やっぱり走ってないよりは走ってる方が嬉しいので。相場さん(※)は大変な時期に監督になったっていうかコロナもあったり、急に監督になったので、そういう意味では選手が頑張って相場さんを名将にしてほしいですね」

※相場さん・・・相場祐人氏。現久我山陸上競技部監督。久我山から中大に進学し、第89、90回大会箱根駅伝に出走。2021年より有坂好司氏の遺志を継いで監督に就任。

浦田
「僕は楽しくやってくれれば。でも今はまだ去年の都大路に出てて、その記憶というか、経験を持ってる代が多いので、今年とか出れなくて、低い成績、低い状態で定着してほしくはないなっていう風に思うので、全国大会の経験を持ってる代が、しっかり下に語り継いでいって、現状に満足しするようなチームにならないようにしてほしいかなと思うんですけど、まあまあ別に強くあってほしいですけど、 楽しくやってくれればって思います」

長嶋
「後輩たちが活躍してくれて、久我山が頑張ってるっていうのは自分も嬉しいなと思うので、頑張ってほしいなって思ってますし、今学生コーチが僕の代のやつが今年度から学生コーチになって結構大変っていう話も聞いたりとか、相談聞いたりとかしてるので、大変な時期だと思うんですけど、もう一度強い久我山を取り戻して、都大路入賞っていうのは本当にしばらくできてないので、そこまでいずれ行ってくれたら嬉しいかなっていう思いですかね」

 

―伊東さんと鈴木さんが樹立した久我山陸上競技部の最高記録(伊東:5000m、鈴木:1500m・3000m・10000m)がまだ抜かれていませんが、今後後輩たちに更新してほしいと感じますか?

鈴木
「もう余裕で抜いてほしくないですね」

伊東
「お前はそうだろうな(笑)」

鈴木
「中学の大会記録ですら俺確認してますからね。絶対抜いてほしくない!」

伊東
「でも自分はガチで耕太郎にも抜かれると思ったし、その1個下の飯國(飯國新太=現國學院大)にも抜かれると思ってたので、抜かれなかったのが奇跡っていうか、なんで抜かれなかったんだろうってぐらいなんで、別に誰が抜いてくれてもそれはそれで嬉しいし、残ったら残ったで嬉しいなみたいな感じです。どっちでもいいって感じですね」

 

【番外編】

鈴木
「番外編で 僕から見た長嶋先輩です」

伊東
「だるっ!(笑)」

鈴木
「長嶋マネージャーなんです、今は。でも僕が高校の時見たのは走ってる長嶋選手なんです。業務してる長嶋先輩じゃないんですよ。だからもっとみんなに走ってる長嶋先輩を知ってほしい、長嶋マネージャーじゃなくて」

長嶋
「いらんいらん(笑)」

▲どうしても褒めたい鈴木と照れる長嶋

鈴木
「長嶋翔大選手なんです!中大でマネージャーみたいに扱われてるのはちょっと僕は悔しい」

伊東
「全国大会まであと一歩っすから」 

鈴木
「マジで。本当にすごい選手。走りも本当にいいです」

浦田
「マジで長嶋は3000m障害で障害物跳ぶのが誰よりもうまいんですよ。日本選手権レベルで見てもそこにいる誰よりもうまいですよ。本当に。長嶋よりうまい人は見たことない」

鈴木
「だから、選手としてもそういう覚悟があってマネージャーやってるっていうのをみんなに知ってもらいたいですね」

長嶋
「まあ、でも覚悟がないとできないなとは思います」

鈴木
「番外編でしたね(笑)」

▲久我山の男子校舎に飾ってある訓示「明朗剛健」を記す浦田

 

今回の同窓生対談を通じて、選手の普段の様子や意外な一面を知ることができ、たいへん楽しい取材でした。選手並びにマネージャーの皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

<終わりに>

これを持ちまして、中大陸上部同窓生対談は以上となります。改めて取材にご協力してくださった洛南出身の選手並びに久我山出身の選手そしてマネージャーの方々、誠にありがとうございました!

そしてこの企画は普段から中大スポーツの活動を応援してくださっている購読者様のご意見を参考に実現いたしました。購読者やファンの方だけではなく、私たちも初めて聞くことばかりでたいへん有意義な取材でした。素晴らしいご提案ありがとうございました!

これからも中大で活躍する選手とファンの方々をつなげる架け橋になれるように精進して参りますので応援のほどよろしくお願いいたします!

 

<前編>はこちら、<中編>はこちら