2024年10月5日 秦野市カルチャーパーク
予選会が約2週間後に控える中大。「全日本メンバーをかけて挑んだ」と藤原正和駅伝監督が語るように大きな位置付けとなっていた今大会だったが、東海林宏一(経4)が28分48秒48の自己ベストをマーク。「めちゃくちゃうれしい」と納得のいくレースだった。
雨が降りしきる中、男子5000m7組に後藤琉太郎(文2)が出場した。前半から第一集団でレースを進めた。隊列は3000mを過ぎ徐々に縦長となる。しかしながら最後まで粘りの走りを見せ、14分17秒71でゴール。見事自己ベストを更新した。
▲自己ベストを更新した後藤
20時手前、雨も止み10000m最終組がスタートし、中大も多くの選手が出場した。中大勢では浦田優斗(経4)が引っ張る形。「リズムをつかんで駅伝シーズンにつなげていくという目的で、強化の一環で10000m出場した」という浦田に続き、東海林も「花田コーチの指示通りに自信を持っていった」と淡々とリズムを刻んでいた。中大の選手で隊列を作っていたが、徐々に崩れ、浦田と東海林の2人が先頭集団に残った。8000mを過ぎ浦田が付いていくことはできず、東海林が大学生トップを走り続けた。最後まで力を緩めることはなく28分48秒48でフィニッシュし、ゴール時にガッツポーズも飛び出した。「大学で初めて納得のいくレースで自己ベスト更新もできた、めちゃくちゃうれしい」と話し、多くの部員が東海林のもとに駆け寄り祝福した。また「ラスト一周で切り替えた」と浦田も28分台でのゴール。全日本インカレに続いてのレースでもあったが「現状の力でも28分台は確実に出せることが分かった」と安心した様子であった。
▲笑顔でゴールした東海林
藤田大智(文2)と佐藤宏亮(文3)は「前半から行けるところまで行き、粘る」というレースプランで挑み積極的な走りを見せた。藤田は全日本インカレに続いての出場となったが、今レースとともに振り返り「2本ともぱっとしない走りだった」と話す。続けて、「後半シーズン始まったばかりなので、これから立て直していけばいいと思っている」と前を向いていた。佐藤宏も「夏合宿から故障なくやってこれている」と昨年は故障に苦しんだが、今年は順調であることを明かした。タイムは満足していなかったが、佐藤宏の持ち味はロード。これからの活躍に期待したい。
▲レース序盤の(左から)山口、東海林、藤田、佐藤宏、浦田
一方、28分台でのタイムを目標としていた山口大輔(文4)。前半は浦田や東海林とともに第一集団でレースを進めていたが、徐々に後退。しかし最後まで粘りのある走りを見せ、29分29秒38でゴールした。「後半5000mからペースが上がるところでうまく上げきれなかった。対応しきれなかった」と課題を挙げ、今レースを振り返った。
夏合宿では東海林、浦田、山口、中野の4年生が同じ合宿で切磋琢磨してきた。「夏合宿でAチームで走ることができなかった。下克上というか反骨心でこのレースに臨んでいた」と東海林は話す。山口も「4年生で雰囲気作り、良い雰囲気を作ってきた中で、みんなで28分台出そうねと言ってきた」と明かした。この点に関しても「4年生が常にチームを統一してくれた」と花田コーチは語った。
藤原監督は「東海林は夏合宿が非常に順調だったので、何とかしてもここで結果で結びつけたいところでした。やっと持っている力を発揮でき、これが自信になるのではと思います」と結果をたたえた。
東海林は「常に全力でやっていきたい」、浦田は「今日の走りが最低限。これ以上落とすことはないように、これ以上の結果しかないという気持ちで頑張りたい」、山口は「1日1日、1レース1レース悔いのないように」とそれぞれが今後に向けて思いを語る。
箱根駅伝予選会まで2週間を切った。チームとしては、予選会、全日本大学駅伝と試合は続いていく。そして個人ではさまざまなロードレースや記録会で自分の力をタイムで、結果で示していかなければならない。今秋、今冬の選手1人1人の成長に目を離すわけにはいかない。
◆大会結果◆
男子5000m 7組
③後藤琉太郎(文2)14分17秒71 PB!
男子10000m 3組
②東海林宏一(経4)28分48秒48 PB!
③浦田優斗(経4)28分54秒53 PB!
④藤田大智(文2)29分22秒18
⑤山口大輔(文4)29分29秒38
⑧佐藤宏亮(文3)29分41秒88
⑨相地一夢(理工1)29分42秒95 PB!
⑬折居幸成(法3)29分51秒80 PB!
⑰荒井遼太郎(法1) 30分00秒15 初
㉓山﨑草太 (文2)30分17秒33
㉔永島陽介 (法3)30分17秒85
㉘中野倫希 (経4)30分41秒00
㉟田中伶央 (文2)31分31秒86
木下道晴(経1) DNF
◆コメント◆
東海林
ーレースを振り返って
「この夏、Aチームに外されていて 別のチームでやっていたので、こう下剋上というか、反骨心でこのレースに臨んでいました。なので28分台でPB出したっていうのはもうめちゃくちゃうれしいです」
ーレースプランは
「SGホールディングスの選手についていくというレースプランで臨みました」
ー夏合宿からの今レースへの持っていき方、コンディションなどは
「Aチームではなく別チームで岩手でずっとやっていて、質よりかは、 距離、量を重視してやっていた。その練習がすごく自分にはまって、ここまでも距離落とさずに持ってきてって感じでレースに臨んだ。今までとは違った流れでやって成功したので、自分の流れというのを確認できてよかったかなという風に思っています」
ー学内トップでのゴールだったが自信はあったのか
「自分はずっと練習番長と言われるぐらいずっと練習はできていたんですけど、ここ最近さらに練習がこうできるようになっていて、 自分の感覚っていうよりかは、周りの人から『絶対出るじゃん』とか、スタッフからも『今回は行けるよ』と周りから言われていた。自分というよりかは、客観的な目から言われていけるのかなって思っているところはありました」
ーたくさんの声援があったが
「途中から『頑張れ』ではなくても『きゃー』に変わっていて、『僕28分出ないのかな』とちょっと不安だったんですけど、時計を見たら28分台だったので、 みんなの声援が力になって頑張れたなという風に思います」
ー今後の目標は
「まずここが本当に1つ山場にしていたので、今後の流れがほんとにこれで決まるみたいな感じなので、出走レースはわからないです。けれど、大学初めての納得いくレースでPB更新でとにかく今回のレースはすごく自信になったので、 これから任されたレースっていうのを常に全力でやっていきたいなっていう風に思います」
(記事:二村沙羅、写真:琴寄由佳梨、大畠栞里)
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