2025年5月10日 神奈川・相模原ギオンスタジアム
相模原ギオンスタジアムにて、5月8日から4日間にわたって開催された第104回関東学生陸上競技対抗選手権大会。3日目は多数のトラック種目で予選・準決勝が行われ、400mHでは酒井大和(法3)、3000mSCでは井上優人(法1)がそれぞれ決勝に進むなど、最終日に向けて弾みをつける一日となった。
この日の初陣となった男子400mH予選には3名が出場。1組を走った酒井は序盤から快調なペースを刻むと、最後の直線でトップに立ってそのままフィニッシュ。危なげなく準決勝進出を決めた。2組の山本祐弥(法1)と4組の小栁新(法3)は序盤から上位陣のペースに付いていけず、予選突破とはならなかった。
▲酒井は危なげなく予選を突破した
▲ハードルを越える山本
▲小柳は上位陣に食らい付くことができなかった
続く準決勝でも酒井は安定感のあるハードリングで序盤から上位争いを展開する。最終コーナーを曲がり終えて4位に位置していたものの、最後のハードルを越えた後に力を振り絞り3位でフィニッシュ。自己ベストに迫る50秒56で初の決勝の舞台を決めた。
▲念願の決勝へ進んだ酒井
男子800m予選には宮下颯汰(商1)、寺田向希(文2)、上田悠輔(理1)の3名が出走。4組の寺田は序盤から集団を引く積極性を見せ、600mまで先頭に位置を付ける。コーナーで3名に抜かれるも最後は執念で準決勝へと駒を進めた。2組に登場した宮下は終盤の上位争いで競り勝てず、5組の上田はラスト1周を前に後退し、それぞれ予選敗退となった。
▲宮下は終盤の上位争いを制することが出来なかった
▲執念で準決勝進出を決めた寺田
▲上田は前半から流れに乗ることができなかった
迎えた準決勝では、前走とは翻って後方から様子を伺うかのようなスタートとなった寺田。淡々とレースを進めて、400m、300m過ぎとギアを変えて集団に揺さぶりをかける。先頭に迫った寺田ではあったが、最後の直線で失速。7位で決勝進出は掴めなかった。
▲寺田は決勝には進めなかった
4月下旬に行われた学生個人選手権では2名が決勝に残るなど、今大会でも活躍が期待される男子200m予選はエケジュニア瑠音(法3)、植松康太(総2)、松嶋飛希(法4)が顔を揃えた。1組では、エケが直線に差し掛かった所から徐々に加速し1位で予選通過。4組、5組の植松と松嶋も終盤の接戦を制し、タイムで準決勝へ進んだ。
▲余力を持っての準決勝進出を決めたエケ
▲タイムで準決勝進出を決めた植松
▲ゴール手前でトルソーを伸ばす松嶋
フィールド種目の男子三段跳決勝には工藤匠真(法2)、常泉幸佑(文4)の2名が臨んだ。2月に故障し、遅れてのシーズンインとなった工藤の1本目の試技。イメージを十分に張り巡らせてから助走の1歩を踏み出すと、ダイナミックな踏切と力強い空中姿勢で14m91をマークする。
その後は記録を伸ばすことができず、「助走スピードが普段よりも遅い状態でありながら、ホップを強欲に獲りにいけなかった」、「獲りにいっても空中で(フォームが)分解してしまった」と反省点を挙げた工藤ではあったが、「取り組んできた助走の流れに関しては非常に良い流れで試合で試せた」と収穫も得た様子であった。
▲工藤はイメージを十分に働かせてから試技に臨んだ
大会初日の走幅跳にも出場した常泉は13番目に登場。今種目に向けては「チャレンジャーとして一本一本積極的に跳びたい」と意気込む中、気迫のこもった助走と跳躍を見せたが、記録は14m65と自己ベストには及ばなかった。
▲チャレンジャーとして挑戦した常泉
今大会を振り返って「悔しい気持ちが強い。対抗戦で点数を持ち帰れずに終わってしまったことは不甲斐ない」と感想を口にした常泉ではあったが、「中大はトラック種目で活躍しているので、フィールド種目の選手も負けずに頑張っていかなくてはいけない」と前を見据えた。
4月中旬の法政大学記録会にて自己ベストをマークするなど、その好調ぶりが光っていた井上優人(法1)は男子3000mSC1組に出走。序盤から前方で様子を伺いつつレースを進め、1000mを3分2秒、2000mを6分10秒で通過する。ラスト2周を前にして、安田(慶大)がペースを上げて引き離され、6番手の選手が背後に迫る中、粘り抜いて5位でフィニッシュ。着順での決勝進出を決めた。
▲決勝進出を果たした井上
◆大会結果◆
男子1部400mH予選
1組
①酒井大和(法3)51秒07 準決勝進出
2組
⑤山本祐弥(経1)52秒33
4組
⑧小柳新(法3)53秒35
男子1部800m予選
2組
⑤宮下颯汰(商1)1分52秒37
4組
④寺田向希(文2)1分51秒98 準決勝進出
5組
⑧上田悠輔(理1)1分58秒76
男子1部200m予選
1組
①エケジュニア瑠音(法3)21秒06 準決勝進出
4組
③植松康太(総2)20秒95 準決勝進出
5組
③松嶋飛希(法4)21秒27 準決勝進出
男子1部三段跳決勝
⑯工藤匠真(法2)14m91
⑲常泉光佑(文4)14m65
男子1部400mH準決勝
2組
③酒井大和(法3)50秒56 決勝進出
男子1部3000m障害予選
⑤井上優人(法1)9分7秒27 決勝進出
◆コメント◆
工藤匠真(法2)
──冬季の取り組みを振り返って
一言で表すと非常にいい練習を積めました。筋力の面であったり、動作や走りのフォームを改善する取り組みを行ってきました。動きもダイナミックになり股関節から力を発揮したり脚を運んだりする意識についてだいぶ収穫があったと思います。
また、これまでに比べて長い距離の練習を多く積んできたので、動きを持続させてスピードを調整する能力も養い、跳躍的な助走の練習を行ってきました。これまでの冬季で一番感覚が変わった冬季練習だったと思います
──春先から今大会までどのようにコンディションを合わせてきたのか
2月の合宿手前で肉離れをしてしまい、そこから再発もしてしまったため春先のシーズンインをかなりおくらせる形になってしまいました。今大会までは、完治して練習を積み始めることができてから全助走での試合は初となりますが、調整としては全助走の流れを大いに意識をして取り組んできました
──ご自身の跳躍で良かった点・反省点
良かった点としては取り組んできた助走の流れに関しては非常に良い流れで試合で試せたことです。
反省点としては助走スピードが普段よりも遅い状態でありながら、ホップを強欲に獲りにいけなかったところです。また、獲りにいっても対応ができずに空中で分解してしまったので可能である状況なのに完成させれなかったというのが反省点です
──今後の目標
まだ学生個人や全日本インカレの標準を突破することができていないので、早い段階で突破することを目標としています。走れるようになれば冬季取り組んできたことを自信にして、これまでの試合で出た反省点を改善していきたいと思います
常泉光佑(文4)
──本種目におけるコンディションは
怪我をしていたこともあって練習出来ていませんがでしたが、良い感覚を得ることができました
──ご自身の中での積極的な跳躍はできたのか
決勝に行くつもりでスピードも跳躍も積極的に跳ぶことができたと思います
──走幅跳含めて、今大会の感想
悔しい気持ちが強いです。対抗戦で点数を持ち帰れずに終わってしまったことはブロック長として不甲斐ないです
──ここまでの中大の戦いを見て感じること
個人種目での入賞も多く、4×100mリレーで優勝した事は印象的でした。普段は個々でメニューを行っていますが、チームワークはかなり高く、その力を存分に発揮していたと思います。中大はトラック種目で活躍しているので、フィールド種目の選手も負けずに頑張っていかなくては行けないと感じてます
(記事:日向野芯、写真:琴寄由佳梨、大畠栞里、土屋日向、橋本唯花)
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