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古豪復活 総合6位で10年ぶりのシード権獲得─第98回東京箱根間往復大学駅伝競走

ゴールテープを切る10区井上 ©関東学連/月刊陸上競技

2022年1月2日、3日 大手町~芦ノ湖~大手町

◆個人結果◆
1区 ①吉居大和(法2)1時間0分40秒 区間新
2区 ⑮手島 駿(商4)1時間8分52秒
3区 ⑦三浦拓朗(商4)1時間2分38秒
4区 ⑤中野翔太(法2)1時間2分17秒
5区 ⑥阿部陽樹(文1)1時間11分58秒

6区 ⑤若林陽大(法3)58分48秒
7区 ⑱居田優太(経2)1時間5分49秒
8区 ③中澤雄大(経3)1時間5分02秒
9区 ③湯浅 仁(経2)1時間8分31秒
10区 ⑰井上大輝(法4)1時間11分09秒

中大が総合6位の10時間55分44秒で箱根駅伝を終えた。シード権獲得は第88回大会以来10年ぶり。往路を1区吉居の区間新で勢いづき6位で終えた中大は、復路では箱根駅伝経験者の若林と中澤に加え、初出場の湯浅が区間3位で走り切り、一時は3位争いにも絡む好走を見せた。目標の総合5位にはあと一歩届かずも、近年では最高の総合6位、タイムは11時間を切り、中大記録を更新した。(記事:杉浦瑛俊、写真:©関東学連/月刊陸上競技)

往路結果
吉居 15年ぶりの区間新に「とてもうれしい」 往路6位で折り返す─第98回箱根駅伝往路


6区若林 ©関東学連/月刊陸上競技

往路を6位で折り返した中大は、山下りの6区に3年連続で若林が出走。芦ノ湖からスタートすると徐々に前の国学大を捕らえる。9㌔地点の小涌園前で抜くとそのまま差を広げ、小田原へ。6区は-1.2度と低気温であったことや、曇っていたこともあり、全体的にやや遅めのタイム。そんな中でも58分台をマークし区間5位で襷を繋いだ。

7区居田 ©関東学連/月刊陸上競技

7区は居田。11月のMARCH対抗戦で10000m28分台、12月の日体大記録会で5000m13分台を達成し今季終盤で急成長を見せたが、初の箱根路は苦い結果となった。小田原で襷を受けて以降、終始1㌔3分ほどでタイムを刻んだ。途中アクシデントもあり、終わってみれば区間18位の苦しい走りとなった。平塚では7位で中澤にリレーした。

橋本(帝京大)の前に出る8区中澤 ©関東学連/月刊陸上競技

2年連続の出場となった中澤は、当日変更で8区へ。7位で襷を受けると、茅ケ崎時点(6.9㌔)で40秒ほどあった差を詰め、11㌔地点で帝京大の前に出る。その後、東国大と創価大に追いつき4位集団を形成。終盤、戸塚中継所の前で駒大もかわし、区間3位の走りを見せた。

宗像(東国大)㊨と並走する9区湯浅㊧ ©関東学連/月刊陸上競技

9区は初出場の湯浅。戸塚を出てから創価大、東国大と3位争いを演じる。6㌔過ぎで創価大が遅れを取ると、宗像(東国大)にぴったりとついていった。混沌とした中、14㌔過ぎ、横浜駅の高架下をくぐったところで湯浅が仕掛け、単独3位に。その後もそのまま順位をキープし、区間3位の走りで鶴見に飛び込んだ。

㊤給水を受ける井上/㊦ゴール後仲間と抱き合う ©関東学連/月刊陸上競技

「湯浅!」。そう声を掛け、3位で襷を受けた井上は、鶴見を出てから徐々に遅れをとる。16㌔過ぎまで順位を保つものの、日比谷通りに入ったところで駒大に追いつかれ、抜かれた。しかし、藤原監督の「追いつかれたらラスト勝負にもっていこう」という声掛けもあり、直後に再び抜き返した。だが、表情は苦しく、駒大が先行。東洋大、東国大にも先を許した。井上にとっては最初で最後の箱根駅伝。目標の5位には惜しくも届かなかったが、10年ぶりのシード権を大手町に届けた。

近年は辛酸をなめてきた中大だが、今季の飛躍は目覚ましい。全日本大学駅伝でもシード権を獲得し、今回の結果を受け、出雲駅伝への出場権も得た。これで来季は三大駅伝すべての出場権を獲得し、次回は立川を経ずに箱根駅伝へと向かう。創部101年目を迎えた伝統校は、第100回の箱根駅伝で優勝を遂げるべく、新たなフェーズに突入した。古豪から強豪。そして常勝へ。再び針が動き出した。

◆お知らせ◆
選手コメントは後日掲載予定です。