6月5日~8日 岡山県・JFE晴れの国スタジアム
学生日本一を決める第94回日本学生陸上競技対校選手権大会(以下、全日本インカレ)が4日間にわたって岡山県で開催された。
1、2日目では男子4×100mリレーが6連覇を飾った2018年以来7年ぶりに王座奪還を果たし、男子400mでは田邉奨(商2)が圧巻の強さを見せ昨年に引き続き優勝し連覇を達成した。
1日目
男子100m予選には、小室歩久斗(法1)、黒木海翔(法2)、三井一輝(法4)の3名が出場し、黒木と三井が準決勝に進出。今年入学した小室は惜しくも予選敗退となり、ほろ苦い全日本インカレデビューとなった。
▲準決勝に進出を決めた三井
400m予選には、庄籠大翔(法2)と田邉が出場。田邉は組トップでゴールし、昨年王者の意地を早くも発揮した。庄籠も組4着とはなったが、好タイムでフィニッシュ。両者ともに準決勝進出を決めた。
▲好タイムでフィニッシュした庄籠
1500m予選には、1組に寺田向希(文2)、2組に後藤琉太郎(文3)が出場した。それぞれ寺田が5着、後藤は7着となったが、寺田は好タイムにより決勝への切符を手にした。
▲惜しくも予選敗退となった後藤
4×100mリレー予選では、5組に中大が出場し、1走に檀上翔多郎(商4)、2走に黒木、3走に植松康太 (総2)、4走に三井が出走。2年生と4年生の力が結集し、1着の順天堂大には0.15秒差で競り負けたが、見事決勝進出を決めた。
▲三井(右)にバトンを渡し声をあげる植松
2日目
男子4×100mリレーでは2位と0.01秒差で優勝し、関東インカレに続き2冠を達成した。予選では38秒84のタイムで組2着に入りタイム差で決勝に進出した中大が予選でアンダーハンドだったというバトンパスを「移動距離を延ばすためにオーバー(ハンド)に変えた」と作戦を変更。「僕と黒木の勝因かな」と語った檀上がしっかりバトンを渡し2走の黒木へ。準決勝敗退となった100mでの悔しさをぶつけるかのような走りを見せ3走の植松へバトンを渡すと、植松は圧巻の加速を披露しラストの全日本インカレとなった三井へバトンを託す。「優勝するという気持ちで」4年生の意地を見せた三井が早大の猛追を振り切り1着でフィニッシュに飛び込んだ。
▲ゴールに飛び込む三井
レース後には「何度か弱気な気持ちになることもあったが、後輩とか仲間とかが優勝しかない!みたいな感じで背中を押してくれて、そこから自分も優勝という気持ちいっぱいで行くことができた」と後輩への感謝を語った。また、主将としてチームをまとめてきた檀上は「主将で最初で最後の全日本インカレで、後輩と同期が速くて、僕はただ信じて渡すだけだったので、気持ちよく走れた」と満足気だった。かつて6連覇を果たした2018年ぶりの全日本インカレ制覇。次の目標を尋ねると4人全員口をそろえて「日本選手権リレーで優勝し3冠を達成すること」と語る。中大のお家芸復活へ最初の一歩を刻んだ中大4継に注目だ。
▲4継メンバー(左から檀上、黒木、植松、三井)
男子400m準決勝には、予選を通過した庄籠と田邉が出走し、田邉が45秒81と中大記録、自己ベストを更新する圧巻の走りを見せ決勝に進出した。
▲中大記録を樹立した田邉
男子400m決勝では準決勝で自己ベストの記録を出した田邉が出場し、昨年に続き連覇を果たした。「今までは残り100mの辺りで先頭に追い付いて直線勝負というプランで走っていたのを、今大会では残り50mで先頭に立って勝つというプラン」に変更したというが、その言葉通りレース後半に一気にスパートをかけ、45秒93でフィニッシュした。今シーズンは学生個人選手権、関東インカレともに満足のいく結果を出せなかった中で迎えた今大会。「連覇とかは正直まったく意識していなかった」と自分のレースに集中し走り切った。ゴール後には「やっと優勝できた」と安どの表情を見せた。来月の日本選手権では「予選から自己ベストを更新する走りで必ず決勝に残り、決勝で45秒38以上のタイムと表彰台」と具体的な目標を語る。進化が止まらない2年生から目が離せない。
▲中大の横断幕を掲げる田邉
2日目の最初の競技となった男子110mハードル予選には3組に西垣俐玖(商1)、5組に館山正真(文2)が出場したが惜しくもともに予選敗退となった。
▲110mハードルに出場した館山
男子100m準決勝では前日に行われた予選を突破した黒木、三井が出場。黒木が10秒34、三井が10秒49と惜しくも決勝進出とはならなかった。黒木は足にテーピングを巻いた状態での出走となったが「なかなか結果が出せていないので悔しい」と語り、三井は「チャレンジャーみたいな気持ちで行った」とレース前の意気込みを明かしたが最後の全日本インカレの個人種目は悔しさの残る結果となった。
▲惜しくも準決勝敗退となった三井
男子400mハードル予選には3組に酒井大和(法3)、6組に山本祐弥(経1)が出場。酒井が51秒09で組4着に入りタイム差で準決勝進出を果たした。
▲ハードルを飛び越える酒井
男子1500m決勝には寺田向希(文2)が出場。中盤は集団の中でレースを進めたが、ラストスパートをかけきることができず全体の10位となった。
▲ゴールする寺田
今大会で中大勢が出場する唯一のフィールド種目となった走幅跳では山下然(経3)が7m42の記録で13位に入った。
▲走幅跳に出場した山下
◆大会結果◆
6月5日(1日目)
男子100m予選
3組
⑥小室歩久斗 (法1) 10.76
6組
②黒木海翔 (法1) 10.58 決勝進出
7組
③三井一輝 (法4) 10.53 準決勝進出
男子400m予選
5組
④庄籠大翔 (法2) 46.68
7組
①田邉奨 (商2) 46.55 決勝進出
男子1500m予選
1組
⑤寺田向希 (文2) 3:45.70 決勝進出
2組
⑦後藤琉太朗 (文3) 3:48.12
男子4×100mリレー予選
5組
②中央大学 38.84 決勝進出
1走
壇上翔多郎(商4)
2走
黒木海翔(法2)
3走
植松康太(総政2)
4走
三井一輝(法4)
6月6日(2日目)
男子110mH 予選
3組
⑧西垣俐玖 (商1) 14.67
5組
⑥館山正真 (文2) 14.47
男子400m 準決勝
1組
⑥庄籠大翔 (法2) 47.11
2組
①田邉奨 (商2) 45.81 決勝進出
男子100m 準決勝
1組
④黒木海翔 (法2) 10.34
3組
⑥三井一輝 (法4) 10.49
男子400mH 予選
3組
④酒井大和 (法3) 51.09 決勝進出
6組
⑤山本祐弥 (経1) 51.81
男子1500m 決勝
⑩寺田向希 (文2) 3:47.76
男子 走幅跳 決勝
2組
⑬山下然 (経3) 7m42(+0.5)
男子400m 決勝
2組
①田邉奨 (商2) 45.93 優勝
男子4×100mリレー 決勝
①中央大学 38.83 優勝
1走
檀上翔多郎 (商4)
2走
黒木海翔 (法2)
3走
植松康太 (総2)
4走
三井一輝 (法4)
(記事:功刀萌恵、琴寄由佳梨、山崎響 写真:功刀萌恵、琴寄由佳梨、山崎響、大畠栞里)
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