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29分台連発!予選会へ向け藤原監督も手応え掴むー2019年度第3回中央大学記録会

10月6日 中央大学多摩校地運動施設陸上競技場

前日の気候とはうって変わり、10月本来の涼しさが感じられる中行われた中大記録会。短距離、長距離から多くの選手が出場した。短距離陣にとっては冬季練習に向けて自分の立ち位置を確認する重要な機会。長距離陣にとっては20日後に迫る箱根予選会メンバーを決める選考会を兼ねたレースだ。選考会とあって例年以上にピリッとした張り詰めた空気が漂う中、多くの選手が自己ベストを更新した。今回の1万㍍で存在感を示したのはフレッシュな2人の1年生だった。▲緊張感が漂う中大グラウンドと選手たち

レースは舟津彰馬(経4)と森凪也(経2)の2人が前の集団を、三浦拓朗(商2)が1㌔3分ペースで後ろの集団を引っ張るペースメーカーとして走った。

スタート直前、「俺と凪也が前を引っ張るから、怖がらずしっかりと記録を出そう」と舟津駅伝主将が全体に声をかける。部員達もそれに呼応するかのように、引き締まった表情でスタートラインに立った。▲スタートの号砲を待つ選手たち

レースはスタート直後、宣言通り舟津を先頭に縦長の集団となった。最初の1キロを2分56秒で通過し、多くの選手達が続々と続く。2000㍍を過ぎてからは今年大きく成長した森凪が舟津に変わって軽快な走りで先頭集団を引っ張った。▲先頭集団を引っ張る森凪と舟津

縦長の集団に変化が見えたのはペースメーカーの森凪が外れた5000㍍だった。中間点の5000㍍の通過は14分42秒。ここから徐々に遅れを取る選手が目立ち始める。

その1人に田母神一喜主将(法4)の姿もあった。田母神にとっては、長距離挑戦を決めてからまだ僅か2ヶ月弱での初めて挑む1万㍍。今まで中距離を主戦場としてきたスピードランナーが、主将として大学最後の年を箱根に捧げる決意を固めて今日のレースに臨んでいた。「どこまで粘れるかが大事」と集団から離れても、田母神の持ち味である力強い足取りは変わることはなかった。田母神は必死で前を追い、初めての1万メートルを30分10秒台で走りきった。▲集団から離れるも粘りの走りを見せる田母神主将

5000㍍からスルスルっと前に出たのは畝拓夢(法3)だ。「うまくリズムを作れて全体を引っ張れた」(畝)。去年ケガでレースに出場できず、悔しい思いをした畝が気迫のこもった走りを見せた。レースは後半に差し掛かり、先頭集団は畝、助川拓海(経1)、三須健乃介(文3)、池田勘汰(商3)、千守倫央(商1)、大森太楽(文3)、手島駿(商2)、井上大輝(法2)の8人に絞られる。▲5000㍍以降レースを引っ張る畝とそれに続く助川、三須、池田、千守、手島、大森、井上

ラスト1㌔手前で千守と助川の2人の1年生が勝負に出た。「レースの中で1回は先頭に出てレースを展開して、自分の良さを出していこう、アピールをしよう」と助川が集団を抜け出すと、「先輩方がペースメイクをして下さり無駄な力を使わず楽に走れた。ここで勝負」と千守も同期の助川を逃すまいと食らいつく。

最後は千守が持ち前のスピードを見せ、助川を振り切りガッツポーズでフィニッシュ。タイムは29分18秒と自己記録を大幅に更新し、予選会メンバーに名乗りを上げた。▲ガッツポーズでトップでゴールする千守

千守のゴールに続き、助川も自己記録を大きく更新する2位でのフィニッシュ。それでも「同期の千守にやられてしまって、結果としては自己ベストも出ましたし順位も上なんですけど、全然納得いく結果ではなかった」と助川は悔しさをにじませた。

ワンツーは1年生に譲ったものの、上級生も間を空けずに続々とゴールに駆け込んだ。11位の若林陽大(法1)までが29分台と、近年では1番の選手層の厚さを感じさせる結果となった。▲1年生2人に続きゴールする池田(左)、井上(右)、三須(真ん中)

この結果に藤原駅伝監督も「夏の成長がしっかりと出せたのではないかなとは思います」とレースを評し笑顔を見せた。

1万メートルのペースメーカーとして出場した舟津、森凪、三浦の3人は続く5000㍍2組目にも出走した。同組に出場した2人の高校生を3人が引っ張る形でレースを進め、舟津と三浦は3000㍍まできっちりとペースを刻んだ。

森凪は最後まで高校生を力強く引っ張った。途中で後ろを振り返り、付いてこいと手招きする姿も見せた森凪。厳しい夏を乗り超え、一段とチームの主力となりつつある彼の強さが垣間見えた瞬間だった。「14分20辺りを目指してて、それより上回ったので良かったかなと思います」と高校生の自己ベスト更新をアシストし、自身の5000㍍の自己ベストにも迫る快走を見せた。▲高校生を引っ張る森凪と二人に檄を飛ばす藤原駅伝監督

今日の記録会を振り返り、舟津駅伝主将は「去年よりもチームの完成度っていうのは今回の記録会を見て頂いても高いですし、みんな高い水準で去年よりも練習できています」とチームの成長に自信をのぞかせる。

予選会までは残り19日。全日本予選での悔しい敗退からチームは着実に成長し続けている。まずは予選会突破、そしてシード権奪還へ。選手、スタッフ陣の表情から『今年の中大は違う』、そんな予感が感じ取れた。

◆コメント◆

藤原駅伝監督
――1位、2位で1年生の2人がゴールしましたがその辺りに関して
先輩におんぶで抱っこで途中まで引っ張ってもらっていたので、そこは勢いが勝ったのかなという感じでしたかね

――予選会や今後の目標を教えて下さい
そうですね。予選会はきっちりと3位以内で通過したいというのが学生たちの目標ではあるので、まずはそこをしっかりと果たしたいなと思います。もちろん当然今年はシードをマストで取らないといけないと思ってるので、山の対策をしっかりできればなと思います

◆大会結果◆

男子100m

1組目(+3.7m)

①吉村拓真(経4)11秒01
②小林廉太朗(法4)11秒16
③椎谷祐士さん(中大クラブ 18卒)11秒20
④高橋和也(商4)11秒24
⑤鈴木彗太(経3)11秒44
⑥廣田淳(経3)11秒60

2組目(+2.7m)

①鈴木康平さん(SKD 18卒)10秒80
③内山夏生(経2)11秒91
④野崎俊伍(文2)10秒93
⑤野田大河(商2)10秒98
⑥坂元勇太(商3)11秒14

3組目(+1.1m)

①川上真弥さん(iMARe 16卒)10秒70
②倉田信太郎(法2)10秒82
③西丈澄(法2)10秒87
小池真郁(商4)DNS
宇野大地(経2)DNS

男子800m

1組目

長明泰成(文3)
宇野佑亮(経2)
鳥居風樹(法1)
福岡葉平(経4)DNF

*記録が判明次第記載致します。申し訳ございません。

男子200m

1組目(-0.4m)

①野崎 21秒98
③室谷翔太郎主将(経4)22秒21
④坂元 22秒48
③椎谷さん 22秒91
⑥鈴木彗 23秒44

2組目(0.0m)

②堀場廉主務(商3)21秒73
③野田 22秒02
倉田 DNS
西 DNS

男子1万㍍

1組目

①千守 29分18秒56 PB
②助川 29分21秒42 PB
③池田 29分22秒02
④井上 29分22秒35 PB
⑤三須 29分23秒95
⑥畝 29分25秒98 PB
⑦大森 29分33秒92 PB
⑧手島 29分46秒81 PB
⑨加井虎造(文3)29分57秒02
⑩川崎新太郎(経3)29分58秒89
⑪若林 29分59秒37
⑫矢野郁人(商3)30分00秒57
⑬岩原智昭(文3)30分06秒78
⑭田母神主将 30分19秒46 ☆
⑮小木曽竜盛(理工1)30分30秒56
⑯藤村燦太(商1)30分42秒98 ☆
⑰倉田健太(商2)30分57秒75
⑱藤井拓輝(商2)31分00秒56 PB

舟津駅伝主将 7000㍍までペース走
三浦 7000㍍までペース走
森凪 5000㍍までペース走

*☆は1万㍍初挑戦

男子5000m

1組目

③小林龍太(経1)14分24秒35
⑪谷澤竜弥(経2)14分54秒82
岩佐快斗(経4)DNF
南後海里(経2)DNF

2組目

①森凪 14分14秒49
舟津 3000㍍までのペース走
三浦 3000㍍までのペース走

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部