昨年のドラフト会議。
「第4巡選択希望選手 読売 伊藤優輔 投手 三菱パワー」
都立小山台高校で7年前の春のセンバツにエースとして出場した都立の星が中大、三菱パワーを経て、ついにプロの世界に飛び込んだ。
巨人と東京ドームは幼少期からなじみがあった。幼い頃は巨人ファンで、多い時は年に10回程東京ドームで巨人戦を観戦。当時エースだった上原浩治に憧れ、投手になった。幼い頃からの憧れだった巨人からの指名について、「少しびっくりした」と振り返る。さらに昨年、ドラフト指名後にENEOSの補強選手として出場した都市対抗では、自己最速を更新する156㌔をマーク。東京ドームのマウンドとの相性もバッチリだ。
▲最速156㌔のストレートと多彩な変化球を操る本格派右腕
また、巨人には偉大な中大のOBがいる。阿部慎之助2軍監督だ。中大の清水監督は「慎之助から電話があって、『期待してる』と言っていた」とドラフト会議終了後に阿部2軍監督から連絡があったことを明かした。このことに対し伊藤は「社会人卒ということもあって、1年目から本当に期待されていると思う。しっかり自分をアピールできるように」と気合十分だ。清水監督も「即戦力、先発ローテーションに入れる」と太鼓判を押す。昨年12月の新入団選手発表の際には、阿部2軍監督と対面。「中大卒だからと特別扱いしないから。横一線でしっかり最初からアピールできるように」と激励を受けたという。
▲中大の大先輩、阿部2軍監督とグータッチを交わす伊藤。偉大な先輩に続く球界に名を残す選手になってみせる
中大の2学年下の後輩である牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)と五十幡亮汰(北海道日本ハムファイターズ)とはプロでは同期入団となった。伊藤と牧がプロで対決することになったらという質問に、伊藤は「牧は真っすぐに強いんで、変化球でかわすと見せかけて真っすぐでいく」と予告。牧は「(2年次に)1部に残れたのは伊藤さんのおかげ。一緒に戦ってきた仲間として、向こうに印象付けるヒットを打つ」とコメントした。共に戦国東都を戦い抜いた両選手が、今度はプロで熱い戦いを繰り広げる。
春季キャンプは1軍スタートが決定。球団からは即戦力の期待がかかる。最速156㌔の直球と多彩な変化球に加え、大学4年春の入れ替え戦では3連投でチームを1部残留に導くなどタフさと勝負強さも魅力だ。「1年間1軍で過ごす」という目標を掲げた背番号56。田口、大江、畠らなどとの競争は激しいが、負ける気は毛頭ない。「先発とか中継ぎ、抑えとかのこだわりは全くない。任せて頂いたところで、最高のパフォーマンスをする」。与えられたチャンスを全てつかみ取り、スター選手へと駆け上がる。
▲弊部発行のドラフト号外を手にする伊藤
◇伊藤優輔(いとう・ゆうすけ)◇
生年月日:1997年1月14日 24歳
出身:東京都
学部学科:文学部日本史学専攻(2018年度卒業)
球歴:都立小山台時代は3年春に21世紀枠でセンバツ出場。その後中大に進学し、1年春から登板。社会人野球では、おととしの日本選手権8強、昨年の都市対抗(ENEOSの補強選手)は2回戦敗退
記事・写真 「中大スポーツ」新聞部