2022年６月22日 神宮球場
○中大２×ー１東洋大●
東都大学野球１部２部入れ替え戦 対東洋大３回戦が神宮球場で行われ、副将の石井巧（文３）がサヨナラとなる中前適時打を放ち１部残留へ大きく貢献した。自身のサヨナラ打は作新学院高２年次の夏に高校野球栃木大会で宇都宮工業高相手に放ったサヨナラ本塁打以来２度目となる。
▲無死一、二塁のチャンスを作り攻撃のタイムで集まる選手たち
長い長い春季リーグ戦にピリオドを打ったのは３年生ながら副将を任されている石井だった。９回裏に中前祐也（法３）、森下翔太（商４）の連続四球で無死一、二塁のチャンスを作ったところで清水監督は主将の北村恵吾（商４）にバントのサイン。石井は「（バントを）１球で決めるから。あとは初球から思い切っていけ」と北村がバッターボックスに入る前に声を掛けられた。その言葉通り北村は１球でバントを決め、相手のミスをも誘い同点とした。なおも無死一、三塁とした場面で石井はバッターボックスへと向かった。ツーボールツーストライクとしたところで「（打った瞬間）ショボい打球になってしまったな（笑い）と思った。気持ちで抜けてくれた」と島田（東洋大）の129㌔の変化球をセンター前へと運び、執念の一打でチームを１部残留へと導いた。
▲執念のサヨナラ打を放った石井。来季の活躍にも目が離せない
石井は牧秀悟（令２卒）以来の３年生副将。「副将として何もできなかった」と悩む時期もあった。記録にならないミス、流れを断ち切ってしまうようなプレーでチームに迷惑をかけてしまうこともあった。それでも「チームを勝たせるどころか自分の気持ちの入らないようなプレーでチームに良い影響を与えられないようなプレーが続いたのでなんとしても今日に懸けてやってきた」という。
▲一塁ベース付近でチームメイトから手厚い祝福を受ける
その中で出たサヨナラ打。一塁ベースを駆け抜けた後、石井は「今までのことが思い浮かんできた」としばらくの間うずくまり、動くことができなかった。うずくまる中でチームメイトから手厚い祝福を受けた。「最後あの形になってよかったです」。悩んできた副将がチームを救った。
北村主将の掲げる「日本一」へ。春季リーグはあと１勝が遠く、優勝はおろか１部残留を手繰り寄せることが難しかった。しかし、この入れ替え戦で得た成長を糧に秋季リーグは逞しい男・石井が自身のバットでチームを優勝へと誘う。
（記事：為谷楓太、写真：鈴木佐和、志水恒太）
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