昨年までチームの中心として活躍を続けてきた選手たちが卒業し、「結勝」をスローガンに始動した今季の中大野球部。苦戦が予想される声もあった中、4月8日に開幕した春季リーグでは序盤から勢いに乗り、最終的には勝ち点4を獲得。シーズン終盤には4連勝を記録し、全日本王者となった青学大との優勝決定戦に持ち込んだ。惜しくもリーグ2位で終わった春。大きな収穫と課題を得た選手たちの声を全8回に渡ってお届けする。
最終回は櫻井亨佑(商4=習志野)選手です。主将の重圧と戦いながら駆け抜けた春。優勝を逃した瞬間、涙を見せた櫻井選手があのとき何を思っていたのかお伺いしました。(聞き手、構成:中島遥)
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▲主将、そして4番として春を戦い抜いた櫻井
――練習始めにどのようなことを伝えたのか
「そうですね。リーグ戦あと1勝ってところで2位っていう結果で終わってしまって。それの要因としては、勝率で負けたんで入りきれなかった、開幕戦とかカードの1試合目とか、 その試合が取れなかったのが痛かったかなっていうのがあって。こういう練習の休みのあとの入りっていうのは、そういう部分にも繋がってくるかなっていう風に話して、入りっていうのをしっかりやろうって言って入りました」
――チーム全体を振り返って
「『繋ぐ』っていうのをキーワードにして戦ったんですけど、 前半はすごい打線が繋がって、ピッチャーも継投でそれぞれうまく回ってて、すごい噛み合った試合が多かったので、そういう試合を多くやっていけたら自然と勝ちにも繋がるっていうふうには思いました」
――櫻井選手自身の成績を振り返って
「打線が繋がったっていう話はしたんですけど、自分のところにチャンスで何回も回してくれた中で、そういうところでなかなか結果出せなくて。ちょっとそこでストッパーというか、 なかなかうまくいかないことも多くて。そういった中でみんながしっかり繋いでくれてたんで、そこでしっかりランナー返せるように、メンタル面でも打撃面でもまだまだ全然足りないなっていうふうに、感じたシーズンでした」
――春リーグの打撃の感覚は
「入りはそんな悪いような感じはしてなくて。ただ、少しインコースとか突かれて開き始めたりすると、 そこからどんどん崩れていって。少し長打狙いに行っちゃったりもして、それが逆に開きに繋がって、どんどん崩れてっちゃって、 そういうところが要因かなと思います」
――春は長打を増やそうとしていた
「そうですね。逆にそれが崩れていった原因だなっていうふうに思います」
――この夏の期間はそれを踏まえたものに
「長打を狙って打つっていうよりは、長打が自然と出るような打ち方っていうのをしっかり色々な感覚を試しながらやっていきたいなって思います」
▲主将としてスタンドにあいさつをする櫻井(中央)
――キャプテンとして臨んだ今季、円陣ではどのような声掛けを
「『必ずチャンスは来るから、しっかり今我慢して、そのワンチャンスで点取ろう』っていうふうに話していました」
――春の戦いを終えて、チームをどのように見ているか
「スローガン掲げて、繋ぐことを意識した中で、みんなそういう意識の中で試合ができていて、下級生にも助けられた部分はいっぱいありますし、すごく良い状態ではあったと思います。それでも優勝はできていないんで、まだ足りてない部分をこの秋までにしっかり自分たちで見つけて、克服していきたいなって思います」
――リーグ前取材の際、期待する選手に名前を挙げていた松嶋(晃希・経3=浦和学院)選手がベストナインを獲得。松嶋選手の活躍について
「野球面に関してすごい一生懸命取り組んでいますし、練習もそうですし、体作りとか食事の管理とかもすごい徹底してて、それがいい結果結びついてて、同じ部屋で1番近くで見ていた部分もあるので、すごい嬉しいですね」
――同じ外野手で橋本(航河・文1=仙台育英)選手の活躍をどのように感じたか
「もうシンプルに1年生で春からスタメンで出てあれだけ活躍して、シンプルにすごい。すごい助けられましたし、ありがとうって感じです(笑い)」
――橋本選手と合わせて3人で外野を守る機会も多かった皆川(岳飛・経3=前橋育英)選手もベストナイン受賞となったが
「すごい自主練とかも一生懸命取り組んでいて、そういうのが結果に出てタイトルも取れていたので、ちょっと同じ返しとして。橋本も皆川タイトル取ってって感じで、悔しい面もあるんですけど。同じチームとしてすごい嬉しい反面、悔しい反面っていうか。半々ぐらいです」
――守備は無失策で終えたが振り返って
「みんなで前後とか間の声かけとか、すごい徹底した部分もあったし、あとはすごい難しい打球っていうのが少なかったかなって。そういうところもあって無事無失策で終えられて良かったと思います」
――先攻後攻を決めるじゃんけんに櫻井選手が挑んだ
「最初の日大戦、相手に山内(日大)が来るって聞いてて。 同じ習志野高校ですし、『行く』って言われたんで、じゃあ行こうかなって言って行ったんですけど、なんかいざ行ったら山内来なかったです(笑い)。で、じゃんけんに関してはいろいろ作戦考えて、いろんな人とやって、『あ、これだな』っていうので行きました」
――最終戦の9回、ヒットで出塁したものの敗れ、目の前で優勝を決められた。あの時の気持ちは
「優勝決定戦、自分のところにチャンスで 2回回ってきて、そこ2つ凡打で終わって。そこを打っていれば、もしかしたら勝てたんじゃないかなっていろいろなことを考えたんですけど、とにかく悔しかったですね」
▲青学大との優勝決定戦では悔しさをあらわにした
――オフを経て、気持ちの整理はしたのか
「そもそも残り1シーズンやるしかないので。悔しい思いはしたので、この気持ち忘れないでやろうっていうふうに思ったんですけど、色々考えることあったんですけど、しっかりリフレッシュとかして、今日の練習からしっかり明るくみんなでやっていこうっていうふうに思ってます」
――この夏に頑張りたいこと
「残り1シーズンでもう本当に最終学年ですし、ただひたすら一生懸命頑張って、下にも姿勢で見せたいと思いますし、そういったところで最上級生らしい練習態度とか、 試合もそうですし、とにかく必死に優勝に向かっていきたいなって思っています」
◇櫻井亨佑(さくらい・こうすけ)◇
学部学科:商学部・会計学科
身長・体重:179.1㎝・83.6kg
出身高校:習志野高校
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