2025年6月21日〜23日 バッティングパレス相石スタジアムひらつか(大学日本代表選考合宿)
6月21日から23日までの3日間、バッティングパレス相石スタジアムひらつかで「侍ジャパン」大学日本代表選考合宿が行われた。中大からは繁永晟(商4・大阪桐蔭)、皆川岳飛(経4・前橋育英)、岩城颯空(経4・富山商業)が参加。代表選出を目指し、全国トップレベルの精鋭たちが集まる中、合宿へと挑んだ。代表には繁永が選出され、直前合宿にも参加した。
▲監督・コーチ陣の話を聞く繁永・皆川・岩城
中大から3人の選出となった今合宿。昨年も本合宿に参加し、日本代表としても活躍した繁永は「去年は1人でちょっと寂しかったので心強いですし、3人とも頑張れたらいいなと思います」と語った。教え子たちの姿を見るために平塚の地まで足を運んでいた清水監督は「力がある子たちなので、今日この合宿で力を出してくれたらと思います。岩城はピッチャーで持ち味が球威とか力だと思うのでそこを出してもらえたら。繁永・皆川もそんなに大きいの打つタイプじゃないのでコンパクトに勝負強い選手だとアピールしてくれたらな」と期待を寄せた。1日目はシートノック後に6イニング制のAーB、CーDの2試合の紅白戦が行われた。繁永は1試合目のAチームの6番セカンドで出場し、初戦から2打数2安打と猛アピール。1試合目に引き続き2試合目もDチームの8番ファーストとして出場。1打席のみの出場だったがチャンスをものにし、中安打を放ってアピールに成功した。
▲打撃で猛アピールした繁永
対するCチームの4番ライトとして皆川、クローザーとして岩城が出場。繁永同様、皆川も2打数1安打としっかりアピール。岩城はライトの守備についていた皆川の声援も受けながら1イニングをたった8球でテンポよく3人に抑え、中大勢は幸先の良いスタートを切った。皆川は「バッティングでアピールができたのであと2日間もしっかりやっていきたい」と語り、岩城は「明日以降も自分の持ち味を発揮しながらバッターを抑えていけたらいいかなと思います」と2日目以降に向けて意気込んだ。
▲2打数1安打とバッティングを魅せた皆川
▲1イニングを3人で抑える好投を見せた岩城
2日目はフリーバッティングやシートノックが行われた後に1日目同様紅白戦が2試合行われた。1試合目はAチームの5番レフトとして皆川が、Bチームの先発として岩城が出場した。1回、岩城は先頭にフルカウントからヒットを許したもののキャッチャー守(奈良学園大)の盗塁を刺す好守備にも助けられ、結果的に3人でこの回を終えた。すると2回には無死一塁でチームメイトである皆川との対戦が実現した。「少し燃えた部分はありました」と岩城。カウント1ー2と追い込んだところから低めに制球された球で併殺打に打ち取り、夢の中大対決は岩城に軍配が上がった。皆川は「来る球は分かるし、タイミングだけだと思っていました。ランナー一塁で送らなければいけない場面でゲッツーという悔しい結果に終わってしまいました」とこの打席を振り返った。岩城はこの日、2イニングを投げて打者6人に対し被安打2、24球無失点で終え、前日に引き続き安定した投球を見せた。「最初の方はストレートが浮き気味だったんですけど、変化球でカウントを整えることができたので勝負はできたんじゃないかな」と自身の投球を評価した。
▲岩城と皆川の中大対決は併殺打!
続く2試合目では、Dチームの2番センターとして皆川はこの試合1打席のみの出場で、一ゴロに倒れた。「甘い球が1球あるかどうかの状況で、その1球を捉えきれなかった。明日も対戦したことのないピッチャーと対戦すると思うので、しっかり対応していきたい」と皆川はこの日を振り返り、明日へ意気込んだ。Cチームの7番セカンドとして出場した繁永は1打席目で、元千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介を父に持つアンダースロー右腕の渡辺(東大)と対戦した。「初球を捉えることを意識した」と、その言葉通り初球を捉え、レフトの頭上を越える二塁打を放つ。2打席目は空三振に倒れるも、2日間の紅白戦で4打数3安打と好成績を残した。
▲二塁打を放つ繁永
3日目はシートノックが行われた後、5イニング制の紅白戦が1試合行われた。この日のキャプテンに繁永が任命され、チームメイトに積極的に声をかけている様子が見られた。繁永はAチームのサードとして守備のみで出場し、皆川は打撃のみの出場でBチームの1番で起用され、ドラフト候補である中西(青学大)からヒットを放つなど3打数1安打を記録した。繁永は守備と声で、皆川は打撃で最後のアピールを図った。
▲最終日も打撃でアピールした皆川
▲声を出してチームメイトを鼓舞しながら守備につく繁永
結果、繁永は昨年に引き続き見事に大学日本代表に選出され副キャプテンに任命された。「日本を背負って戦うつもり。明るい性格なんで声を出して引っ張っていきたい」と決意を語った。
皆川・岩城は選出とはならなかったものの3日間で多くのことを吸収した。皆川は「レベルの高い場所ですごいピッチャーとか野手がいる中でできたことはいい経験。力不足も感じたので、秋にまた頑張っていきたい」と語り、岩城は「この3日間でいろんなピッチャーの人たちとコミュニケーションを取れて変化球のこととかたくさん聞いたのでそれを帰った時に色々試しながらやって秋に繋げられたらいいかなと思います」と充実した表情を浮かべ秋を見据えた。
▲代表発表会見で代表メンバーを発表する堀井監督(慶大)
代表発表時堀井監督は「投手は縦の変化があるかないかとタイプの違う選手をそろえたいと思い、その2点を重視しました。野手は、速いボールにしっかりとアジャストできること、それから何か一芸を持っていること。これら2つの基準をもとに考えました」と選考基準を明かした。また、主将・松下(法政大)、副将・繁永に期待することとして「これだけのメンバーが集まるので一人一人がいろんなことを自分でできるとは思うんですけど、その中でも声掛けのタイミングなどが随所にあると思いますのでそういった点で指名しました」と語った。
2025年6月30日~7月4日 バッティングパレス相石スタジアムひらつか、明治神宮野球場(大学日本代表直前合宿)
6月30日から7月4日の5日間にかけて大学日本代表直前合宿が行われ、中大からは2年連続での代表選出となった繁永晟が参加した。
6月30日、第45回日米野球選手権大会に向けた直前合宿がバッティングパレス相石スタジアムひらつかで始まった。結団式を終えると、侍ジャパンのユニフォームに身を包んだ代表選手26名が和気あいあいとした雰囲気で練習を行った。
2日目の7月1日は臨時コーチとして元巨人の高橋由伸氏が訪れ、打撃指導にあたった。繁永は高橋氏から「間をしっかりとるように」教わったといい、練習から意識していきたいと語る。
3日目となる7月2日は、昨年の都市対抗王者・三菱重工Eastとのオープン戦が行われ、繫永は8番セカンドとして5回まで出場した。第1打席と第2打席は内野ゴロ、第3打席は鋭い当たりを放つが惜しくもサードライナーに倒れ、この日は3打数無安打に終わった。
▲第3打席で鋭い当たりを放った繁永
試合前の練習では、OBの中前裕也(令6卒)と談笑する場面も見られ、3日目終了後の取材で繁永は「(中前さんから)頑張れよーって感じで言われました」と明かした。
▲OBの中前裕也(令6卒)と談笑する繁永
4日目の7月3日に行われた横浜DeNAベイスターズとのオープン戦では、繁永は7番ファーストで先発出場した。第1打席と第3打席でヒット、第2打席で犠牲フライを放ち、この日は4打数2安打1打点と打撃を大いにアピールした。
最終日となる7月5日は平塚から明治神宮野球場に場所を移し、東京ヤクルトスワローズとのオープン戦が行われた。この日は繁永の出場はなかった。
2025年7月13日 明治神宮野球場(第45回日米大学野球選手権大会)
日米野球の最終戦が明治神宮野球場で行われた。前日までに行われた第4戦まで4連勝で勝ち越しを決めていた侍ジャパンは第5戦では初回に小田(青学大)の適時打で先制し、中盤に本塁打を打たれ反撃をされるも最後まで逆転を許さず、21年ぶりの完全優勝と史上初の三連覇を果たした。
繁永は第5戦は出場はなかったものの、HARD OFF ECOスタジアム新潟で行われた第4戦に7番セカンドでスタメン出場し、3打席目に左安打を放ち、その後の前嶋(亜大)の適時打をお膳立てした。
繁永は侍ジャパンでの活動を「5連勝できたことは嬉しかったが、試合に出られなかったことに悔しい思いはある。また、雰囲気っていうのは本当に大事だと思ったので、そこは(チームに帰って)秋に向けてやっていきたい」と振り返った。
▲副主将としてチームを盛り上げた繁永
(記事:高橋美帆、紀藤駿太、木下百葉、写真:高橋美帆、紀藤駿太)