2025年10月29日 中央大学多摩キャンパス
先日のドラフト会議で埼玉西武ライオンズ(以下、西武)より2位指名を受けた岩城颯空(経4=富山商)への指名あいさつが行われた。西武からは、秋元宏作副本部長、十亀剣担当スカウトが訪問。中大野球部からは清水監督、樫山部長が出席した。
▲左から西武の十亀スカウト、秋元副本部長、岩城、清水監督、樫山部長
以下、記者会見コメント
〜出席者あいさつ〜
秋元副本部長
「埼玉西武ライオンズ球団本部副本部長の秋元でございます。本日はドラフト2位で指名させていただいた岩城選手に、ごあいさつに伺わせていただきました。よろしくお願いいたします」
十亀担当スカウト
「埼玉西武ライオンズ担当スカウトをしております、十亀剣と申します。本日は(岩城が)しっかりとしゃべれるかどうか確認しに来ました(一同笑い)。よろしくお願いします」
樫山部長
「ご紹介いただきましたように硬式野球部長をしております、樫山でございます。まずは、今回ご指名いただきました埼玉西武ライオンズ様、本当にご指名いただきまして誠にありがとうございました。またお忙しい中報道各社の方々、会見に来てくださりありがとうございました。実は昨日富山に出張で行ってまして、中大の富山の同窓会で『岩城よかったね』と改めて岩城君の地元の方も非常に応援されていたんだなということを感じて、帰ってまいりました。プロ野球においては、そういったこれまでの方や監督、コーチ、スタッフ、みんなお世話になった人がいると思いますので、そういった人に対して感謝の気持ちを持って、これからプロ野球人生歩んでいただければ大変うれしいかなと思います。ぜひプロ野球で頑張ってください。よろしくお願いします」
清水監督
「硬式野球部監督の清水です。本日はこのような指名のごあいさつ、またお忙しい中こういう機会を岩城のために設けていただきましてありがとうございます。岩城に関しては、高校の時から、プロの球団も注目していたピッチャーで、僕も1年生から期待してたピッチャーです。まだまだ東都の修羅場をもっともっと投げさせていたらよかったなと思う気持ちがあるんですけれども。ですから、まだまだ伸びしろがたくさんあるピッチャーだと思っています。西武にはOBの古賀(悠斗=令4卒)もいますので、2人のバッテリーを期待しますので、どうかお願いします。本日はよろしくお願いします」
岩城
「硬式野球部の岩城颯空です。先ほど言われましたけど、自分ちょっとしゃべるのが苦手なんで、今日はしっかりしゃべれるように頑張るので、よろしくお願いします」
▲記者の質問に答える岩城
〜質疑応答〜
──ドラフトから約1週間ほどたったが、どういったことを考えて過ごしているか
「指名された次の日とかもリーグ戦の最終戦があって、ドラフトの次の日といえば試合のことしか考えてなかったですけど。リーグ戦も終わって、数日たちましたけど、本当に自分が呼ばれたのかなという実感がちょっとあやふやなまま過ごしている日々があって。でも今日こういう指名あいさつだったりとかがあって、ちょっと実感が沸いてきたという気持ちです」
──その中で球団の方々からかけられた言葉や期待
「今日言われましたけど、ピッチャーの中では高く評価していたと言われたので、自分としてはそんなに高く評価してもらえてうれしいという気持ちがあります」
──OBの古賀選手もライオンズにいるが、自信があるという思いも自分の中でも強い感じか
「先輩の古賀選手もいるので、中央大学OBとして早くバッテリー組んで活躍して、中央大学の後輩達に頑張っている姿を見せれたらいいなという風に思っています」
──清水監督が感じる岩城のすごい部分
「先ほど西武のスカウトの方からも言われましたけども、僕から見ても彼のストレートといいますか、真っすぐ はいいものがあると思います。それを本人がまだ実感してないのかな、というのが僕の中にもありまして。先ほども言いましたけども、ストレートと変化球がもう少し覚えれば、それこそ本当に一軍でローテーションでも抑えでもできるぐらいの力はあると思いますので、本当に本人が自分自身をもう1回ね、しっかり見つめて努力してほしいなと思います」
──球団の岩城の評価ポイント
「今も監督からもお話ありましたけれども、まずは強いストレート。そこに制球力があって、あと1番の魅力は奪三振能力ですね。そこは本当に魅力でした。かつフォアボールが少ないというところで、総合力の高さを評価させていただきました。我々スカウトとしても本当にナンバーワンの評価をさせていただいたので、本当に指名できてうれしく思います」
▲西口監督のサイン入りのドラフト会議のパスを首にかけてもらう岩城
──起用の方式について
「現段階でね、明確に先発かリリーフかということはまだ決まっていませんけれども、現状を考えるとリリーフの起用の可能性が高いのでは。現場の話でも、今は三振を取れる、強いストレートで打者を押し込めるというところで、最初はリリーフでの起用になるのかなという風には想像しています。ただ実際リーグ戦などでも先発してますので、そこの能力もあるとは思っています」
──地元での反響、前崎監督(富山商)とのやりとり
「前崎監督にはドラフトが終わった後、時間ができた時に電話で報告させていただいて、その時に『今やっとスタートラインに立った。ここからスタート、ここからが本当の頑張りどころ。ここからもっと頑張るところだよ』と言葉をかけてもらったなと。あとは親にも電話で連絡して、その声からものすごく喜んでるなというのを感じたのと、あとは自分の携帯なんですけど、友達からおめでとうと連絡がたくさん来たので、同級生とかはすごく盛り上がってるなとは思いました」
──ご自身が思う強み
「自分でも思うのが、自分の武器はストレートだと思っていて、その強みを生かしながらピッチングしていきたいと思います。あとはこの東都リーグで投げてきた中で、リリーフが多かったんですけど。その中でピンチの場面で上がってきたことが多かったので、そういう経験も自分は他のピッチャーよりは多くしてきているのかなと思っているので。そういう場面での自分の強みを生かしたピッチングを見てもらえればいいかなと思います」
──西武には東都出身の武内(夏暉)投手もいるが、目標とする選手
「2つ上に武内さんがいると思うんですけど、同じ左ピッチャーとして、2年前の東都にいた時から、ちょっと左ピッチャーとしてずっと見ていた投手ではあるので。同じチームで野球できるというのはとてもうれしいなと思います。また良いものをたくさん学んで、自分のものにできるようにしたいなと思います」
──セ・パ問わず対戦してみたいバッターと理由
「まず最初に思ったのは、同じリーグで指名された同級生の繁永(晟=商4・大阪桐蔭)だったり、リーグ違いますけど皆川(岳飛=経4・前橋育英)だったり。同じチームで野球やってた人がいるんで、チーム内での練習の時にシートバッティングとかで対戦したことがありますけど、そういう時に皆川や繁永に打たれたりしてたので、そこはもう対戦する時は絶対三振取りたいなというのはまず1番に思っていて。あとはやっぱりOBの牧(秀悟=令3卒・現横浜DeNAベイスターズ)選手や森下(翔太=令5卒・現阪神タイガース)選手は、今すごく活躍されている選手なので、そのトップレベルの選手から三振を取りたいなという気持ちが強くあります」
──好きな富山県の食べ物を教えてください
「鱒寿司ですね。よく親に頼んで送ってもらったりしてたんで、やっぱり食べたくなります」
──秋元副本部長と十亀スカウトが思う伸びしろの部分
「もう全てにおいてですけど、まだストレートもまだまだ球速が出ると思っていますし、特に変化球のところ。かなり伸びしろがあるのかなと。まだピッチングスタイルのトータルでもやはり力で押す形が多いと思うんですけれども。若い時はそれで十分良いと思うんですけど、ゆくゆくは投球術などの面も含めて、伸びしろ満載だと思ってます」
「本当に強いまっすぐが魅力で、私自身も惚れた選手です。良い体してますけど、まだまだやることが多く、そういう部分ではこうしたらいいとかあるので。本人にはあまり言わないと思いますけれども、自分で考えていける頭をつけないといけないと思いますので。プロ野球で、そういうところを養ってもらえたら、より良いトップレベルの選手になれると思いますので、そういうところに期待しています」
──ご両親とお兄様からの言葉
「家族からは本当に呼ばれて良かったねと言われたのと『本当に野球選手になるんですか』みたいな(一同笑い)。本当に信じられてない感じのような言葉をかけられて。とりあえず本当に良かったという言葉も多かったですね」
──清水監督は古賀選手とどんなバッテリーを組んでほしいか
「まだまだ(岩城の)伸びしろがある点では、本当にバッターとの駆け引きやゲームを作る能力、そういうところではもっともっとできると思います。それをキャッチャーの古賀君に引き出せてもらえたらなということで、2人で本当に西武ライオンズを導くようなバッテリーで頑張ってほしい思いです」
──十亀スカウトが技術面以外の部分で評価したところ
「私が見ている時はマウンド上でしっかりと無駄な動きがない、慌てている様子を感じなかったっていうのは、やはり落ち着いて相手を見て投げられているんじゃないかなと思いました。けれども、今の話を聞いていたら性格かなというところを感じるので、良い意味でどっしりしてると思います。そういうところはプロ野球という環境の中で沢山の人に見られる、注目される場所ですので、マウンドというのは。そういうところで、自分の持った能力をゲームでしっかりと出せるようなところは、これからもできるんじゃないかなと期待している部分ではあります」
──大学入学後からMAX152キロに至るまで
「大学入って10キロぐらい(伸びた)」
──球速の目標
「球速の部分であれば、自分の行けるところまでというか。球速を伸ばしたいなって思いますし、具体的数字とかでいうと、まずは155キロだったりとか、1つ1つクリアしていって、ゆくゆくは160キロだったりとか、自分のMAXに挑戦したいなとは思います」
──先ほどの質疑の中で親御さんから「本当に野球選手になられるんですか?」という話題がありましたが、それはお父さん、お母さんどちらか?
「お父さんの方ですね」
──お父さんに敬語で言われたのか
「敬語というか、お母さんの方も言われたんですけど、お母さんの方が『本当にプロ野球選手になられるんですか?』っていう風に。お父さんの方が、『野球選手の人なんですか』」
──それに対して
「『はい、そうです〜』と言いました」
──普段からそういう感じの会話が多い?
「結構真面目な会話もありますけど、普段は気抜けてる会話というか。気楽にいつも電話してます」
──なぜ親御さんはそういうふうに聞いてきた?
「まだ全然実感湧いてないんじゃないかなと思ってます。親2人共が」
──まだ面と向かってご両親とお会いできていない?
「はい、まだ会えてないんで」
──お会いした時はどう伝えたいですか?
「今のこの感じで『野球選手になります』ということを一言目で言いたいと思います」
──清水監督がメンタル面やマウンド度胸で成長を感じた部分
「適性という点で抑えというか、リリーフというのは持っていると思いましたので。本来大学野球というのはエースが初戦に先発して、また2戦目、3戦目みたいな、3連投というのもエースとしてはやらせたいという思いがずっとあったんですけども。チーム事情もそうでしたし、本人の適性というか、僕が感じる中では抑えでいた方が、この今年もそうですけれども、去年のシーズンも岩城が後ろにいてくれることで戦い方が進めやすかったんで、リリーフで使ったんですけども。本当にそのリリーフにおいての彼の能力というのは、先ほどから言っていますけども、真っ直ぐの強さと、三振が取れると。それも先ほどから本人も数字のこと言っていますが、対戦したバッターが数字以上によく表現で、『岩城の球はボールが大きくなる、近くに来ると』と、そういうイメージが対戦したバッターはあるみたいなので、そこのボールを生かすには最初から全力でいく、リリーフがいいかなと思って期待して使っていました」
▲チュー王子と西口監督のサイン色紙を手に撮影に応じる岩城
──将来的に具体的にどんなピッチャーになりたいか
「数字的にはちょっと、自分はまだまだわからないところなんですけど、やっぱりピッチャーとして、野球選手としてなったからには、チームのエースになって、チームを勝利に導く投手になるというのが、まず個人としても1番の目標ではあるので。そういう選手になるために、まずチームやファンの人から信頼される、応援される選手になるということだったり。そんな小さなことからやって、ゆくゆくはエースになりたいなというのが今一番の思いです」
──メジャーに挑戦したい思いはあるか?
「今のところは全然。自分は基本的にネガティブなので(一同笑い)、そういうことはあまり考えてなくて。さっきも言いましたけど、1つ1つやっていった上で、その先に出てくると思うので。まずは目の前の課題を1つ1つクリアしていけたらいいなと思っています」
──小学校の卒業文集にプロになりたいと書いていたようだが、この夢を持ったのがいつか
「小学校の文集には、プロ野球選手とか書かせてもらったんですけど、その時はまだ全然何も考えていなかったというのがちょっと正直なところで。実際に考え始めた頃っていうのは高校から、ちょっと本気でなりたいなとか思ったり。大学に来て、自分の2つ上の先輩が実際に目の前で指名される瞬間だったり、活躍している姿を見て、より一層大学来てからの方が強くなったっていうのはあります」
▲OBの古賀選手指名当時の号外を手に持つ岩城
◇岩城颯空(いわき・はくあ)◇
学部学科:経済学部・国際経済学科
身長・体重:182.2㌢・92.9㌔
出身高校:富山商業高校
(記事:佐渡原菜結、寒田理菜、写真:高橋美帆)
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