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悔しさをバネに更なる高みへ!-第97回全日本選手権大会

5月23日〜26日 戸田ボートコース

学生、社会人を含めて日本一を決める全日本選手権が開催された。97回目を迎える今大会は例年よりも早く開催され、連日30℃を超える猛暑の中で行われた。中大は女子チームから2クルー、男子チームから1クルーの計3艇が決勝に進出した。中大ボート部創立以来初となる女子チームの決勝進出、男子エイトは学生クルー唯一の決勝進出。中大の強さをみせつけるべく決勝の舞台で暑さに負けない熱戦を繰り広げた。

初めに決勝の舞台に登場したのは女子舵手なしペア(林田瑞季主将・商4、遠藤穗・商3)。第1クォーターをハイペースで進み2位につけるも続く第3、第4クォーターで後ろから迫る一橋大、関西電力に追い抜かれ4位でゴールした。

「決勝に行くのは当たり前」という意気込みで練習に励んできた林田主将と遠藤。レース後、「勝ちたかった」と悔しさをにじませつつ、序盤のペースを後半まで維持できなかったこと、キャッチといわれるブレードを水中に入れる動作に改善の余地があることなどを自己分析。「自分の課題を念頭に置きつつ常に高い意識で練習に取り組みたい」と語った。必死に逃げ切りを図る女子舵手なしペア

続いて決勝の舞台に登場したのは女子クォドルプル(溝口女華・文2、長縄由衣・経4、渡邊花穂・法4、米澤知華・理2)。序盤、同じく学生チームとして決勝に進出した仙台大を抑えてレースを進めるも第3クォーターでリードを許し4位でのフィニッシュとなった。初の決勝の舞台で今までにない緊張感があった。中盤に仙台大が迫ってくることに焦り、漕ぎがバラバラになってしまったりと練習で出来なかったことがそのままレースに出てしまったと振り返った。スパートをかける女子舵手なしクォドルプル

女子の花形競技で決勝の舞台に立てたことで元々少なかった女子チームがここまで強くなったことを証明した。決勝に進めたことには素直に誇りを持ち、同時に「次は絶対に勝ちたい」とリベンジを誓った。

大会最後のレースはボート花形種目男子エイト。NTT東日本、トヨタ紡織、東レ滋賀と強豪社会人チームが並ぶ中、唯一の学生チームとして中大は決勝の舞台に立った。序盤第1クォーターで必死に社会人チームに食らいつくと、仕掛けてくるとされる第2クォーターで一気にギアを上げる。2位まで上り詰めた中大だが、後半第3クォーターからの追い込みにリードを許し結果4位でのゴールとなった。▲力を出し切った男子エイト

是谷有輝主将(理4)は「決勝では一番良い漕ぎができたが、それでも勝てなかった。パワー負けしてしまった」とレースを振り返る。モットーとして掲げる「大きく、強く」の漕ぎがまだ足りなかったということを反省点として挙げた。インカレ前に自分達の立ち位置を再確認、ドイツ遠征を経て更にパワーアップしインカレで大暴れすることに期待したい。

◆コメント◆

溝口健太監督

ーー今日の大会を振り返って

男子エイト、女子クォドルプルと花形レースの決勝に両方残ったのは中大だけ、その他にも決勝、順位決定に残った選手たちに胸を張ってもらいたい。同時に今大会は社会人が実力通り勝ったというイメージ、レースを終えて選手がどのように自分を振り返るかが非常に大事。例年よりも早く準備期間が短かったというのはあるが、インカレ前に高いレベルの社会人チームとレースをして自分達の立ち位置を確認できたのは大きい収穫だったと思う。

ーー社会人チームに勝つには

社会人よりも学生が有利な点は2つある。1つは練習時間。社会人より練習時間が多く取れる分、元々の実力の差が開いていても伸びしろでいえば差は縮まっている。もう1つはチームとしての絆や一体感。同じ寮で寝食を共にして練習をするといったことが出来るのは学生ならではであると共に最大の強みだと思う。戦いが終わり、辺りが暗くなっても寮に戻らず他愛もない話をしている姿をみるとチームとしての強さを感じる。個人のエルゴタイムなど圧倒的に上である社会人チームとのレースで学生とそれほど差が開かないのはチームとしての一体感が学生の方が上だということを表している。選手にはそういう部分を大事にして、社会人が相手だからとかじゃなくて、「俺ら、私たちなら勝てる」と良い意味で根拠のない自信を持って挑戦していってもらいたい。

試合結果◆

女子舵手なしペア決勝戦
④中大(林田瑞季主将・商4、遠藤穗・商3)7分56秒38

男子舵手なしペア順位決定戦
②中大(小野祐樹・理工1、仲川耕平・商1)7分17秒44

女子舵手なしクォドルプル決勝戦
④中大(溝口女華・文2、長縄由衣・経4、渡邊花穂・法4、米澤知華・理2)7分22秒53

男子舵手なしフォア順位決定戦
④中大(白鳥翼・文2、川東将稔・文2、千種蒼大・理工3、中曽根裕太・商2)7分5秒55

男子エイト決勝
④中大(徳永貴大・商4、塩田義峰・商4、是谷有輝主将・理工4、齋藤拓馬・文2、岡田直樹・法4、久保如竹・総4、二本松慎也・商3、石塚慎之助・法3、cox小島発樹・法3)
5分58秒18

記事・写真:中大スポーツ新聞部