中央大学のサッカー部とバスケ部で、新たな試みが行われている。デジタル資産“トークン”の発行である。トークンを保有することで、チームを一緒につくり上げることができ、その資金はチームの運営や練習環境の改善に当てられる。チームを応援する人にとっても、チームにとってもメリットとなる取り組みだ。大学の部活動で取り入れられている例は少なく、成功すれば中央大学がこの取り組みの先駆けとなれる。
トークンの仕組みとしては、保有するトークンのポイント数に応じて、チームとより深く関わることができる企画が用意されている。サッカー部では、応援に使われる横断幕の作成やシューズのデザイン決定に携わることができ、バスケ部では、チームロゴの決定に携われたり、選手にメッセージを届けて返信をもらえたりする。
この取り組みは商学部の渡辺ゼミと連携して行われており、今回中スポは渡辺ゼミへの訪問と、サッカー部とバスケ部それぞれのトークンに関わる方々へお話を伺った。
ゼミ訪問の日は、ゼミ生からトークン発行に関して、バスケ班とサッカー班に分かれて報告が行われた。まず、バスケ班ではトークンの金額に応じた特典や、PRの仕方についての報告が行われた。途中で渡辺先生から、プレゼン資料の強調部分やPRの文言についての指摘を受け、意図や改善案の話し合いが行われた。サッカー班では、中大サッカー部の選手や監督が出演するトークンのPR動画の内容についての報告が行われた。ここでも渡辺先生から、動画の中で選手が話す内容について指摘があり、すり合わせを行っていた。ゼミ全体を通して、大学のゼミではなくプロスポーツクラブの中をのぞいているのではないかと感じるほど、顧客を意識した施策について打ち合わせる様子がみられた。取材の中で、ゼミ生の活動内容とともに、トークン発行などの事業を通じて、大学スポーツ選手たちの食生活や寮環境の改善を促し、健全な部活動を目指していくという渡辺先生の目標も伺うことができた。
▲渡辺ゼミの様子
サッカー部キャプテン・猪越優惟選手(商4)
ーートークンについての説明を聞いた時の印象は
新しい挑戦だと思いました。トークン自体は自分は知っていたんですが知らない選手も多いし、そういうのを大学サッカーだけじゃなくて大学からやるっていうのをあまり聞いたことがないので、いいチャレンジだなと思います。いろいろ準備してくれた方もいるのでそういう人に感謝しながら自分たちにやれることをやりたいなと思います。
ーー選手から見て期待していることや魅力
トークンの支援というか、一緒にチームを作ろうという感じで、そういうのがあることで環境もよくなるし、個人のモチベーションも上がるというところもあると思うので、選手としてはすごくありがたいです。
ーー発信したいメッセージ
クラウドファンディングとは違って一緒に中央大学サッカー部をつくって盛り上げようという感じなので、少しでもこの部活に興味を持ってほしいです。お金を払うことに抵抗があるかもしれないですけど、大学サッカーは面白いので1回自分たちの試合を見てそれでこのチームいいなと思ってもらえたら支援という形で応援していただいてもいいですし、もちろん来ていただけるというのもありがたいですし、興味がある人は1回グラウンドに足を運んで試合を見て、支援どうこうよりもまずはグラウンドに来てそこから考えてほしいです。
▲猪越選手
サッカー部主務・鈴木愛理さん(商4)
ーートークンの定期ミーティングがあると聞いたがそこではどのような内容の話をしているか
サッカー部側としてトークンに携わっているメンバーと渡辺ゼミのゼミ生とミーティングするのが週に一回あって毎週のタスクをこなしていく感じで、トークンをやるにあたっていろいろ本当に大量のタスクがあってそれをゼミ生の方が考えてくれて、これはサッカー部としてどうですかと投げかけてくれるのに対して部としてはこっちの方がいいかもしれないとかこういう方がやりやすいかもしれない、というのを話していたっていうのが一つです。
ーートークンについての説明を聞いた時の印象
トークンは他の大学でやっている前例がないようなものだなと思ったしプロのサッカークラブでもやっているところは少ないなっていうのがあったので、最新のものに携われるのだったらどうなっていくんだろう、面白いなというのはありました。
ーー現時点でトークンの活動で難しいと感じる部分
トークンを購入してくださった方にもっと企画に参加してほしいなと思っていて、最初はどのように企画に携わっていけばいいのだろうというのがすごく難しいと思うので、うまく巻き込んでいけたらいいなと思っています。
ーーどんな人にトークンを購入してほしいか
トークンの目的がコミュニケーションという部分がすごく大きいので、サッカー部に携わってくださっている方たちが購入して、購入だけが目的になるのではなくてそのあといろいろサッカー部と関わってもっと関係を作っていけたらいいなと思っているので、父母会の方とかOBの方とかはもちろん、地域の方とか大学サッカーのファンとか、今まであまり直接関わっていなかった人とこれを機に関わっていけたらいいなと思っています。
ーートークンの魅力について
プロのクラブで言うファンクラブの要素が強いなと私は感じていて、それは大学サッカーでファンクラブとかはあんまりないし、直接応援して直接支援して一緒に作り上げていくというのも大学サッカーではあんまりないのでそれは魅力かなと思います。
ーー今後トークンに期待していること
このトークンの活動を通して、ある意味今は画面越しの関わりしかないんですが、選手のことをより知ってもらって直接会場に足を運んでもらって直接応援してくれるような、そういう関係が作れたらいいなと思います。
サッカー部事業部・持田温紀さん(法4)
ーートークンの魅力は
サッカー部としてはトークン発行にあたって、「夢」をキーワードにしているのですが、トークンの魅力として、ファンの方々、応援してくださる方々と一緒に中大サッカー部をつくっていく、盛り上げていくというところがあります。トークン自体が保有を続けているとすごく価値を持つ可能性があって、長い目で応援してもらおうというのがある中で、僕たちの「夢」を後押ししてくださる力になってくれませんか、というメッセージが込められています。中大サッカー部って他の大学のサッカー部と比べてもここまで熱いチームってないのかなと思っているので、その熱さを部の中にとどめるのではなくて、応援してくださる方にももっともっとみんなで熱くなって、広げていきたいなと思っています。
ーートークンの始まりについて
僕自身がトークンをずっとやりたくて、渡辺先生にずっと「トークンどうですか」という話をしていました。自分のやりたかったことに先生も賛同してくれた形。トークンで成功しているチームとも関わりがあって、やってみたいな、と。宮沢監督に僕にどんなことを求めていますか、と一度訪ねたときに、「チームの価値を高めることにどんどんトライしてほしい」と言われて、「時代に追いつくのではなく追い越せ」とも言われました。それらしいことができているのかな、と思います。大学サッカーでトークン発行にここまで力を入れる事例はほとんどないので。もし中大サッカー部で何かしら成功の方向性をみつけることができれば、全国の大学の運動部に広がっていく可能性もあるのかな、と思っています。
ーートークンの意義
ファンのすそ野を広げたいというのと、ファンをもっと熱いファンにしたいってところがトークンの目的にもなっていて、中大サッカー部を一緒に作り上げてくださる人を増やしていきたいなと思います。
ーーメッセージ
トークン発行を通じて、トークンの保有者という関係でより中大サッカー部を応援してくださる方々と距離を縮めていきたいですし、一緒に中大サッカー部が目指す「夢」に向かって伴走していただくことができれば嬉しいなと思います。
バスケ部キャプテン・内尾聡理選手(商4)
ーーバスケ部の現状について
バスケ部は現在法人化しており、スポンサーの皆さんの支援により私が1年生の時よりも環境の面で大きく改善されてきています。特にウエイト器具の購入や練習終わりの軽食の提供は選手の体作りを行う上でとても助かっています。ただ、まだまだ不便なところはあり、ウエイトを行う場所の空調管理がなく夏場は暑いことやそもそも広さが足りていないことなどが挙げられます。寮の環境も決していいとは言えず、練習が夜に終わり自炊をするため24時頃に夜ご飯を食べる選手も出てくるなどアスリートの生活としてはあまり良くないのかと思います。
ーー初めてトークンについて聞き、提案された時はどんな考えだったか
私の意見としては、これまでの大学バスケ界に前例のない取り組みになると思い非常にワクワクしました。スポンサーの方々だけでなく、より多くの方々に支援いただくことになると思ったので、これまで以上に中央大学バスケ部として応援してもらえるチームにならなければと思いました。
ーートークンを通してどんなチームを目指すか
応援されるチームというとありきたりな言葉になってしまいますが、僕たちの試合がなにかその人の記憶に残ったり、下の世代には中央でプレーしたいと思ってもらえるようなチームになりたいと思います。また応援してもらうこともそうですが結果をだし、強いチームだと思ってもらいたいです。
ーー今回の取り組みを通して伝えたいこと
私達中央大学バスケットボール部一同「日本一」という目標に向け日々練習に励んでいます。今回トークンという新しい取り組みを、皆さんに少しでも協力していただけるとありがたいです。選手は懸命に練習しプレーで魅せることしかできませんが、今回のトークン発行にあたり、部長の渡辺先生を始め多くの方に協力していただきました。中央大学バスケットボール部の環境を良くするために多くの方々が動いてくださったことに感謝するとともに、是が非でもトークンを成功させたいと思います。「中央大学を応援したい、面白そうなことやってるな、新しい取り組みを応援したい」どんな理由でもいいのでご支援いただけると嬉しいです。ご協力よろしくお願いします。
▲内尾選手
バスケ部主務・宮澤彩紀さん(商4)
ーーバスケ部の現状で困っていることや難しさについて
昨年度法人化され渡辺先生やスポンサーの方々のご支援により環境は少しずつ改善されてきていますが、選手が生活している寮の環境が劣悪なことです。老朽化が進んでいるため、ほこりなども多くアレルギー体質になってしまう選手も多いです。また、選手は全員自炊しているためアスリートに必要な栄養を摂るのも大変だと思います。しかし、生活環境を整えるために一人暮らしするとなるとそれぞれの家庭の負担が増えてしまうこと、バスケ部として寮を借りるとなるとお金が足りないことから現状を変えられずにいます。
ーー初めてトークンについて聞いた時の印象
今まで聞いたことのない取り組みだったので、とても難しそうなイメージがありました。しかし、去年法人として「一般社団法人 CHUO BASKETBALL CLUB」が設立されて、歴史を新たに刻んだので今年もさらに新しいバスケ部の歴史を作っていくんだという印象でした。
ーートークンを通してどんなチームを目指すか
お金を支援していただく分、多くの方から応援されるチーム、応援したくなるチームにしていきたいです。また、多くの方のご声援をバネに着実に力をつけていけるチームにしていきたいです。
ーーファンを増やしていくことにもつながると考えるが、ファン獲得や交流についてはどう考えているか
多くの方にご支援、ご声援いただけることは選手のモチベーションに繋がってチームの士気が上がっていくことにも繋がっていくと思います。そのためにも、「中大っていいチームだよね、応援したくなるよね」そう言った印象を持ってもらえるようなチームにしていきたいです。
トークンでは、コメントをしたら選手からコメントをもらえたり購入者だけが見える動画などもあるのでより中大バスケ部を近くて応援していただければと思います。
ーーこの取り組みの中で苦労したことなど
まずトークンとは何かを知るところから苦労しました。その上でどうしたら多くの方に理解していただきご支援をいただけるか、渡辺先生のゼミ生と意見を交流しながら考えました。トークンは投票企画やトークルームを通して部に意見を反映することできるたチームの一員として、チームを応援していただけるのが特徴です。支援した皆様がチームの一員と感じてもらえるような企画を考えることに注力しました。
ーートークンを通して伝えたいこと
中大バスケ部はここ近年で力をつけてきているチームです。選手一人一人の意識が変わっただけでなく、渡辺先生やスポンサーの方々、多くの方々からのご支援のおかげでウエイト器具や練習後の補食、バス移動など環境が少しずつ整ってきています。しかし、選手がバスケットに集中できる環境が完全には整っていません。目標である「日本一」を達成するために、さらに躍動した中大バスケ部をお見せできるようチーム一丸となって精進してまいりますので、少しでもご支援いただけると幸いです。宜しくお願いいたします。
トークンは10月20日まで発行! 詳細は以下のリンクをクリック!
サッカー部
バスケ部
また、下記の招待コードをご利用いただくと、トークンがプレゼントされます。
サッカー部:Q2AGZR
バスケ部:AXM3CF