2021年3月25日 上柚木公園野球場
これまで危なげなく勝ち進んできた中大。決勝の相手は昨年の同大会準決勝で敗北を喫した國學院大となった。初回から中大打撃陣が得点を重ね、その後も順調に得点し6回時点で5-1と東都1部の実力を発揮。しかし8回に3点を失い1点差とされる。9回に中大は2点を加えるも再び國學院大に1点差まで迫られ、サヨナラ負けがよぎる。それでも近野佑樹(法3)が最後の打者をきっちり抑え、7-6で勝利。3年ぶりに関東大会制覇を成し遂げた。これにより8月に開催される全日本大会の出場権を獲得した。
▲先発のマウンドを託された石井竜也(商2)
中大は初回に1番幸喜健太朗(商3)が右中間に三塁打を放つと、3番佐藤龍之介(商3)が持ち味であるフルスイングで3塁線を破る左翼適時二塁打を放ち先制する。「自分の打球でチームを勝たせたい」という思いののった打球は、3試合連続の打点という活躍を生み出した。決勝という大舞台の先発を任されたのは、石井竜也(商2)。立ち上がりから調子の良さを見せ、裏の守りを3人で抑える。
続く2回、6番林部庄吾(商4)の右中間二塁打、高橋の犠打で1死三塁をつくる。ここで8番足立祐紀(商4)がスクイズを成功させ1点追加。石井は2回も3者凡退の好投を見せる。3回は両チームとも無得点に終わった。
▲初回先制の打点をあげた佐藤龍之介(商3)
4回表、昨年から安定した成績を出し続けている先頭の4番伴野匠(経3)が左越え二塁打を放つ。5番友田真志(商4)が確実に送り1死三塁とし、続く林部のセカンドゴロの際にホームイン。7番高橋孝成(商3)が四球を選び、再びチャンスをつくるとが足立の左越え適時二塁打でさらに1点追加。4点の差をつけた。その裏の守備をきっちり3人に打ち取り、相手を寄せつけず中大ペースで試合を運ぶ。5回は両者とも得点できず6回に突入。
6回、友田の右中間二塁打、林部の犠打でチャンスをつくり高橋の右飛で1点追加。さらに点差を広げた。その裏、相手の反撃にあうも最少失点で切り抜ける。
今大会打力で勝ち進んできた國學院大。これまで打線が沈黙し続けていたが8回に奮起する。石井は先頭の7番に中安を許すと、8番を三振に仕留めるも9番に中安を打たれ一死1・2塁と得点圏にランナーを置かれる。その後1番小谷(國學院大)に甘く入った変化球を仕留められ、右越え適時三塁打を放たれ2点を返される。3、4番にも安打を許し1点差に詰め寄られる。それでも、「焦りはなかった。打者陣がとってくれるので自分のできるピッチングを今する」と石井。粘り強いピッチングで逆転を許さない。
▲最終回、マウンドに集まる監督と内野陣
最終回、中大は先頭の高橋が中安で出塁すると、足立が犠打で確実に走者を進め1死二塁とする。ここで打席には9番藤森晃希(商3)。カウント2-2と追い込まれながらも中前適時二塁打を放ち貴重な1点を追加。1番幸喜の右飛で二死3塁とすると相手投手がワイルドピッチ。2点目を追加し、最後の守備に弾みをつけた。
3点リードで迎えた9回裏、中大は近野に投手交代。制球に苦しみ、先頭バッターに対し四球。7番を右飛に打ち取るも8番に中越え適時二塁打を放たれ失点。9番のセカンドゴロで二死3塁になると、1番に中安適時打を放たれまたも1点差に。本塁打が出ればサヨナラ負けの緊迫感漂う状況になるも2番打者を右飛に抑え、ゲームセット。3年ぶり14回目の関東大会制覇を成し遂げ歓喜の声であふれた。
▲閉会式終了後の集合写真
投手陣・打撃陣・ベンチ、全員でつかんだ今大会の称号。一人でもかけていたら、3年ぶりの王座奪還とはならなかったであろう。全日本大会でも全員野球で栄光を勝ち取ってもらいたい。また、昨年中止を余儀なくされた春季リーグ戦も始まる。関東大会王者としてのプライドを持って勝ち星を重ねていってほしい。新入生の活躍にも期待がかかる。
◆試合結果◆
チーム 123 456 789 =計
中 大 110 201 002 =7
國學院大 000 001 032 =6
◆お知らせ◆
次戦は3月28日、上柚木球場にて行われる春季リーグ戦対国士大戦となります。試合開始は12時45分を予定されています。
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部