中大が24年ぶりにインカレを制覇してから1カ月。1,2年生のみが出場する新人戦でも優勝を果たし、今年度最後の公式戦を最高の形で締めくくった。
最初のヤマ場は準々決勝。相手は最近どの大会でも安定して上位に入賞している大東大だ。先鋒は公式戦初出場の山崎将治(商1)が二本勝ち。リードしたい中大だったが、その後相手が2勝し、勝者数で逆転されてしまう。しかしここでインカレを経験した三将・近藤祐世(商2)が力を発揮。メンを決めて1勝を収めた。残りの二人はともに引き分け、取得本数で中大が勝利。この勝利がチームの団結力を一段と強くした。
準決勝では国際武道大を3勝1敗で破り、迎えた明大との決勝戦。筑波大を破った強敵だ。去年は準優勝で終わった中大だが、今年こそはと試合前に円陣で士気を高めた。
先鋒・山崎が引きメンの一本勝ちでチームに勢いをつける。次鋒の沖拓真(法2)、五将の黒木祐二郎(商1)は引き分けに終わるが、続く中堅の鈴木雄弥(法2)は「しっかりここで強さを見せつけられたら」と今大会の主将としての意地を見せ、チームに2勝目をもたらした。三将の近藤が引き分けて2勝0敗となり、残りの二人に勝負を託す。
副将を務めたのは河嵜遼(商2)。関カレとインカレ、2つの団体戦を経験してきた河嵜だが、「チームに貢献できた試合はなかった」。そして今回まわって来た『チームに貢献する』最大のチャンス。棒に振るわけにはいかない。自身の試合で引き分け以上なら中大の勝利が決まるが、河嵜は面を付けながら「とにかく攻めよう、一本を取りに行こう」と心に決め、妥協はしなかった。
長身を生かし、「中大らしいどんな時でも攻める剣道を貫き通した」とコテの二本勝ち。中大の勝利を確実にしたこの試合が「これからの自信につながっていく」と、今までの団体戦で味わった悔しい思いを晴らした。
大将は一年生ながらインカレ優勝に一役買った清家羅偉(法1)。準決勝で筑波大の星子を破った相手の梶谷について、清家は「(相手の方が)スピードなどすべてが勝っていた」と分析。しかし、梶谷に一本先取された後も、「打たれてもいいから自分から打っていこう」と諦めずにメンを取り返して引き分けに。大将らしい剣道で最後まで戦い抜いて試合を終え、中大が3年ぶりに新人戦を制した。
▲表彰式後の中大剣道部
10月に行われたインカレでは24年ぶりに優勝した中大。今回はそのプレッシャーを跳ねのけ、他大の追随をかわし、下級生の層の厚さを見せつけた。次の大会は来年の5月。試合のない冬の期間に稽古を重ね、さらに力を付けていきたい。「チームを引っ張っていけるような存在になっていきたい」(河嵜)と一人一人の志も高く、今年以上に中大が活躍する姿を見られるのが楽しみだ。
連覇の期待がかかるインカレに向けては「常に挑戦者という気持ちと強い気持ちを持ち、勝ちにこだわっていきたい」(清家)と、慢心せず常に上を目指していく。
インカレ第一回、第二回大会での優勝以来、中大が成し遂げられていない『インカレ二連覇』を達成するため、中大剣士の戦いは続く。
◆大会結果◆
決勝
○中大3-0明大●
山崎 メ- 藤田
沖 メ × メ 石井
黒木 メ × メ 小田
鈴木 メ- 元吉
近藤 × 柴田
河嵜 ココ-松尾
清家 メ × コ 梶谷
準決勝
○中大3-1国際武道大●
山崎 × 長尾
小島大輝(商1)× 中西
河嵜 -コ 赤星
鈴木 メド-コ 竹内
近藤 × 蒔苗
黒木 ド- 岩切
清家 ドメ- 吉川
準々決勝
○中大2(5)-2(4)大東大●
山崎 メメ- 長岡
小島 × 黒澤
古谷裕貴(経2) ド-メメ 村田
黒木 -メ 石丸
近藤 メ- 前田
河嵜 × 白川
清家 メ × メ 若林
4回戦
○中大5-0明星大●
山崎 メメ- 遠藤
沖 × 金丸
小島 メ- 廣吉
黒木 × 井上
近藤 メメ- 小澤
河嵜 メメ- 高橋
清家 ド- 永井
3回戦
○中大6-1東京国際大●
山崎 ドコ- 下橋
沖 メメ - 小田島
黒木 ドコ- ド伊藤
鈴木 - ドド 青木
河嵜 メメ- 岡崎
近藤 メメ-渡部
清家 メ-安田
2回戦
○中大6-0東経大●
山崎 メメ- 満田
沖 × 秋山
小島 コメ- 遠藤
古谷 コメ- 寺下
近藤 メメ- 深井
河嵜 メメ- 加藤
清家 メド-メ 熊谷
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部