2024年11月10日 愛知県・春日井市総合体育館
女子学生団体日本一を決める全日本女子学生剣道優勝大会が開催された。中大は強豪ひしめく関東大会で優勝し、関東王者として今大会に挑んだ。４年生にとってはこれが大学最後の試合。小川真英（経４）の活躍もあったが、結果は惜しくもベスト８位敗退。優勝候補の一角だったが早くも姿を消すこととなった。
中大はシードの関係で大会２日目の２回戦から登場。相手は福岡教育大。先鋒の猪原悠月（経３）がドウを決め流れを作り、後続も勝利を重ね中大が勝利。
▲先鋒の猪原
３回戦の相手は駒澤大。関東大会ではベスト8位だったが法大と１勝差だった実力校。試合は両者拮抗が続き、中堅戦が終わって未だ１本が出ない状況。中大の副将は池田胡春（経２）。池田は全日本女子学生の個人で２位に輝き、関東大会でもここぞという場面で勝利を手にした期待の若手。試合前「初めて全日（全日本）に出場できて嬉しい気持ちと、このメンバーで１試合でも多く試合したいという気持ちで試合に挑む」と語っていたが、その池田が崩れた。駒澤大の副将小倉の俊敏な動きに対応しきれずコテを取られ１本負け。
▲中堅の寺本すずな（経４）
大将戦での勝利が不可欠となった中大。「自分自身が最上級生として挑める全国大会は高校生の時コロナ禍でなかったため、この大会には強い想いがあった。大学最後のインカレで４年間の集大成を出し切り絶対日本一になる」とこの大会に懸ける思いを語った中大の大将小川。その思いが中大を救った。試合中盤、一進一退の攻防を繰り広げる中、一瞬の隙を見逃さず逆胴を決め、１本勝ちで代表戦へ。代表戦は中大は小川が、駒澤大は池田に勝利した小倉が戦う。「まだチームを終わらせない、１試合でも多く」。代表戦へ中大を背負い挑んだ小川は会場に響くほどの快音と共にコテを決め、中大を準々決勝へと導いた。
▲メンを打つ大将小川
準々決勝の相手は早大。先鋒の猪原がメンでの１本勝ちの後、次鋒池田がコテを取られ試合は振り出しに。中堅寺本は引き分けに終わり迎えた副将戦。中大は全日本女子学生個人でベスト８位に入った村田結依（経１）を起用。しかし相手選手榎本にメンとコテを決められ２本負け。大将戦は２本勝ちが絶対条件と、またも窮地に立たされた。大将小川が試合中盤メンを決め、会場がどよめく。またも中大を救うかと思われたが、早大中原のメンが決まり、その瞬間中大のベスト８位敗退が決定した。試合はその後小川がドウを決め、勝利した。
▲最後まで戦い抜く小川
試合後小川は大学剣道の４年間を「私は１年生の頃日本一を経験させて頂き、今思えば奇跡的な経験だった。このキャプテンとしての１年間、特に考えてやれることを全力で行って、全力で取り組んでいたからこそ（今大会の結果は）腹の底から悔しかったしその日は感情が整理できなかった。しかし、それほど本気で取り組めてこれほどの感情を抱く経験はこれからの人生の糧になる。チームとしては悔しい結果だったが自分個人としては力を出し切れた。今の私がいるのは関わってくださった全ての方のおかげ。最後まで諦めず剣道に向き合い尽くせて良かった」と振り返った。今大会を池田と村田はそれぞれ「自分の力不足でチームに迷惑をかけてしまって申し訳ない」「まだまだ自分の力を発揮しきれなかった部分が悔しい」と振り返った上で「新人戦が残っているので悔いが残らないよう全力で頑張る」「この経験をしっかりと糧にして、次の試合ではさらに成長した姿を見せたい」とこれからの意気込みを語った。
日本一返り咲きへ。想いを受け継ぎ中大女子剣道部はまた新たに歩み出す。
◆試合結果◆
二回戦
〇中大ー福岡教育大●
猪原ドー峯
徳田侑紗（経４）ー上杉
村田メコーメ濱崎
池田メー小場左
小川ツー御堂
三回戦
〇中大ー駒澤大●
猪原ー政野
村田ー田中
寺本ー村田
池田ーコ小倉
小川ドー碇
代表戦
小川コー小倉
準々決勝
●中大ー早大〇
猪原メー矢野
池田ーメ松山
寺本ー栗山
村田ーメコ榎本
小川メドーメ中原
（記事：佐藤裕介 写真：佐藤裕介）
公式X（@chudaisports)
Instagram(@chuspo_report)
