2025年9月7日 東京・日本武道館
昨年はベスト8の中大剣道部。日体大との接戦を制し、準決勝まで駒を進めるも、法大戦で惜しくも敗退。強豪ひしめく関東で3位という結果を残し、全日本学生剣道優勝大会出場へと繋げた。
シード権を獲得していた中大は、2回戦から出場。初戦の相手は東京農工大。試合出場メンバ―全員が2本勝ちし、抜群の安定感を見せ3回戦へ。
▲唯一の1年生、山元隆太(経1)
3回戦では横国大と対戦。先鋒の宮本颯太(経4)が面を2本決め、その後引き分けが続くも、中堅の佐藤利輝(商2)が小手を決め流れを作り、4回戦進出を決める。
続く4回戦では専大と対戦。しかしここで中大は、先鋒の宮本が転倒し、頭を強打するアクシデントに見舞われる。鈍音とともに動かなくなった宮本へ不安の眼差しが向けられる中、宮本は試合を継続し、見事反則勝ち。宮本は、「反則で自分に一本入ったのがラッキーだったので、その一本を絶対に守り抜くという気持ちでやりました」と語り、先鋒としての責任と覚悟ある戦いぶりを見せた。中大はその後順調に勝ち、準々決勝進出を決める。
▲監督や仲間からの声援に応える宮本
準々決勝の日体大戦では、先鋒に佐藤を起用してスタート。佐藤は見事面を決め、「どうしても1本ほしいという流れに持っていきたいところで、しっかり自分から技を出して1本決められたっていうのはすごく大きかった」と語り、宮本を欠くなかでも先鋒の役割を見事果たした。しかし続く次鋒、五将で1本負けし、リードを許す展開に。ここで流れを変えたのが、中堅の中西健吾(経4)だ。一進一退の攻防が続く中、中西が見事面を決め、同点で三将にまわす。
▲流れを変えた中堅の中西
三将の水口快(経2)は本大会すべてにおいて2本勝ちしており、抜群の安定感を見せてきた。日体大戦でも相手に隙を見せることなく面、胴を決め切り、副将へ。副将戦では引き分け、続く大将戦では山野慎治(法4)が、全日本学生剣道選手権大会王者・藤島(日体大)と対峙。小手を取られ1本負けし、同点になるも取得本数により、中大の準決勝進出が決まった。
▲隙を見せない水口
準決勝では、昨年中大が敗れた相手である法大と対戦。先鋒に宮本を再起用し、大将を山野から、元々副将を務めていた福岡勇馬(経3)に変えて挑んだ。先鋒から中堅にいたるまで引き分けが続く。三将の水口が攻め、旗を1本上げさせるも、引き分けに終わった。水口は昨年、先鋒として出場し、法大と対戦している。「去年ベスト8で法政大学さんにやられてしまって。今回はベスト8の壁を越えて優勝しようという、一戦一戦大切にということで戦いました」と語った。
そして運命の副将戦。竹刀を握るのは主将の山野だ。対する中尾は全日本学生剣道選手権大会において3位に入賞し、高校時代は九州学院高校で共に過ごした仲である。開始と同時に鋭い発声を会場に響かた山野。お互い探りを入れながら慎重な試合運びをみせるも、山野が面を狙ったところで中尾の鋭い小手が決まり、主導権を握られる展開に。その後も激しい攻防を見せたが、中尾の1本勝ちで副将戦が終わった。
▲果敢に攻め込む山野
続く大将戦では、福岡が奮闘。2本勝ちしなければ勝てない状況で、鮫島(法大)に小手を取られる。しかしその直後、福岡が胴を決め、白熱した展開を見せる。両者一歩も譲らず、声援も大きくなる中、試合終了の合図が鳴った。
▲強気な姿勢で攻める福岡
法大戦を振り返って、福岡は「とりあえず1本取る、そこからだと思っていたんですけど、取られてしまったので、あとは取るしかないなと。何考えてというか、強気な気持ちで試合に臨みました」と語った。
◆試合結果◆
2回戦(1回戦はシードのためなし)
〇中大 ー 東京農工大●
宮本メメー井出
林 メメー植田
山元メメー河合
中西メメー廣瀬
水口メコー高嶋
福岡メドー畠山
山野メメー須賀
3回戦
〇中大ー横国大●
宮本メメー高瀬
林 メーメ三品
赤星陽生(商3)ー星野
佐藤 コー川合
水口メメー池田
福岡 ドー木村
山野メコーコ三品
4回戦
〇中大ー専大●
宮本 反ー 平田
林 ー 菖蒲
山元 ード浦井
中西 メー 寺坂
水口メメー 石田
福岡 メー 西原
山野 コード林
準々決勝
〇中大ー日体大●
佐藤 メー 岩松
林 ーメ飯島
赤星 ード阿賀
中西 メー 髙木
水口メドー 谷川
福岡 ー 柴田
山野 ーコ藤島
準決勝
●中大ー法大〇
宮本 ー 西浦
林 ー 林
佐藤 ー 大吉
中西 ー 田畑
水口 ー 高橋
山野 ーコ中尾
福岡ドーコ鮫島
◆コメント◆
山元
──唯一の1年生としての出場でしたが、今日の試合を振り返って
個人的な力としてはまだまだだなと感じていて、上級生に助けられた部分もあったので、今後のことも考えて早いうちに力をつけて、全国で活躍できる選手になりたいです。
山野
──関東ベスト4という結果をどう受け止めているか
率直に自分たちが今までやってきたことがしっかり関東のレベルの中でも力を発揮できているので、その点としてはいいかなという風に思うんですけど、やっぱあと1歩2歩勝ちきれないっていう部分に対してはまだやっぱりいくつか課題もあるという風に今日感じているので、うれしい反面、ちょっと悔しさも残る3位だったなと思います。
水口
──全日本に向けて
今大会3位という結果で終わってしまったので、全日本、必ず団体優勝して金メダルを持って帰りたいです。
関東3位という好成績を収めるも、悔しさをにじませる中大。全日本の舞台でどのような景色をみせてくれるのか。中大剣道部のさらなる成長が楽しみだ。
◆お知らせ◆
次戦は9月20日(土曜日)に武蔵の森スポーツプラザで行われる関東女子学生剣道優勝大会です。
(記事:樋口有花、写真:佐藤裕介)
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