2024年12月15日 埼玉・熊谷ラグビー場
2021年に2部に降格して以来となる、3年ぶりの1部復帰をかけた入れ替え戦に挑んだ。
▲試合開始前の整列
試合開始直後の前半2分、相手のペナルティから先制の機会を得る。50㍍付近からのショットを選択するも決まらず先制とはならない。しかし直後の同4分、ラインアウトから攻撃を継続。パスをつなぎながら前進し、須田龍之介(法2)が大きくラインブレイクすると、最後はサポートに入っていた千葉央貴(経3)が相手からタックルを受けながらもグランディングし先制トライ。吉田晃己(法1)のキックも成功し7-0とした。
▲押し出そうとする相手とそれをこらえてトライを決めた千葉
ディフェンスの当たりも強かった。相手のラインを下げるタックルを繰り返し簡単には前進を許さない。しかし前半9分、自陣に入られるとラインアウトからモールで押し込まれトライ。キックも成功し同点に追いつかれる。その後も自陣でのプレーや相手ボールの時間帯が続いたものの無失点でしのぎきった。
▲タックルする大竹㊦と鈴木
前半25分から、相手のペナルティをもらい徐々に前進していく。そして同29分、ラインアウトで入れたボールを山﨑祥希(経4)へつなぐと、そのまま相手の隙間をついてインゴールへと走り込みトライ。キックも成功し7点差とする。それでもその5分後、再びラインアウトからモールで押し込まれトライを許す。キックも成功し14-14とされた。
▲トライを決めた山崎と駆け寄る須田㊧と大竹
前半38分、相手ボールのラインアウトを山口幸之助(経3)がキャッチし攻撃を展開していく。大竹幹太(文4)から、外にいた山崎へつなぐと相手をかわしながらビッグゲイン。さらに内側にサポートに入っていた大竹へ再度つなぎ、相手に倒されながらも水野拓(文2)へとパスをつなぐと、最後まで走り切りトライを決めた。吉田晃のキックも成功し再び7点差に。
▲インゴールへ飛び込んだ水野
リードを守って前半を終えたい中大だったが、前半40分を越えてからも相手に自陣で展開されると、ラストはラックからインゴールに入れられ失点。キックも成功し、21-21の同点で前半終了となった。
▲後半開始前の円陣
後半は中大のキックからスタート。開始4分、敵陣で展開していく中でペナルティをもらいショットを選択。吉田晃がしっかりとキックを成功させ、3点を勝ち越す。
▲入替戦の舞台でも安定していた吉田晃のキック
連続得点をあげ流れに乗りたい中大だったが、後半14分、相手ボールのラインアウトからモールで押し込まれ、今試合で初めて勝ち越しを許した。キックも成功し24-28に。同22分には、マイボールラインアウトからターンオーバーされると、キックも使って大きく外に展開されそのままトライ、キックで11点差とされた。さらにその後の同35分、41分にも立て続けにトライを許し、24-49と大きく点差を広げられてしまった。
それでも雰囲気を落とすことなく「アゲアゲな感じで」(鈴木英次郎・文4)戦い続けた中大は、80分過ぎ、敵陣での相手ボールのスクラムでペナルティを獲得。すぐさまタップで試合を再開すると、ボールを受けた鈴木がステップを切りながら前進。タックルを受けて倒されるも、こぼれたボールを島崎聖弥(経2)がピックしインゴール手前までゲインすると、最後はオフロードパスで山下奏(経2)へとつなぎ、トライまで持っていった。キックも時間をかけずに決め、ラストワンプレーへとつなげた。
▲グランディングする山下
さらに後半45分、ラックから出たボールを鈴木、須田、百瀬祐(理工3)、畔地毅(総政3)とつなぐ。さらに畔地からボールを受けた堂園昂修(法3)が相手のギャップをついてランで大きく突破。サポートに入っていた須田から大外の田積智陽(法3)へ展開しトライを決めた。ラストプレーとなったキックも吉田晃が落ち着いて決め、38-49まで追い上げたところで試合終了となった。
▲大外から走り込みトライをあげた田積
80分を越えてから、一矢報いる2トライを上げた中大だが、その時点でグラウンドに立っていた4年生は鈴木のみだった。3年生以下でつなぎ取り切った14得点を「未来につながるトライ」(鈴木)、「来年につながるトライだった」(大竹)、「成長したなっていう姿が見れて、来年託せるな」(山崎)と4年生が話したように、2025シーズンへとつながる大きな一歩目となった。
2021年ぶりの1部復帰とはならなかったものの、創部100周年という特別な年に、入替戦の舞台までたどり着いた中大ラグビー部。今試合が学生ラストゲームとなった山﨑は「もう1年間突っ走ってきたんで、もう後悔はないです」と清々しい表情で振り返った。
この悔しさは、来年以降に残る3年生以下の選手たちが晴らしてくれることだろう。再び入替戦の舞台に立ち今度こそ1部復帰へー。101年目の戦いはすでに始まっている。
▲試合後挨拶をする選手たち
◆試合結果◆
●中大 38(21-21、17-28)49 関東学院大〇
◆コメント◆
山﨑祥希(経4=國學院栃木)
──今日の試合が始まる前に監督、コーチからどのような言葉をかけられましたか
「メンバー外のためにもやるしかないぞっていうのだけだったので、試合出れないメンバー外のためにやりました」
──試合の前半はほんとに一進一退の攻防だったと思うんですけど、そこについてはいかがですか
「プラン通りだなっていうのはあったので、ディフェンスして点取ってって感じだったので、 後半そこで取れなかったのは自分たちの実力不足なのかなって思います」
──前半に山﨑選手がトライ決められたと思うんですけど、そのシーンについては
「いや、とくにはなにもないです(笑い)」
──後半は攻められる展開が続いたがチームの雰囲気は
「いや、特に前半と後半はそんなに変わりはなかったんですけど、やっぱり僕らが劣っていたなっていう部分は、疲れてきた時のフィジカルであったり、体力だったりっていうのは、関東さんには負けてたかなとは思います」
──試合終盤に後輩が意地の2トライを決めていましたが、どのように見ていましたか
「最後まで出れなかったのは悔しい気持ちはあるんですけど、自分がいない中、成長したなっていう姿が見れて、来年託せるなっていう思いでちょっと見てました」
──大学4年間を振り返って
「ほんとにラスト1年突っ走って駆け抜けてきたので後悔もないですし、強いて言うなら後輩たちに1部昇格させてあげたかったなっていうぐらいですね」
──次の代に期待することや、メッセージがあればお願いします
「新4年生一丸となってチームを作っていけば、絶対に自分たちよりいいチームできると思うので頑張ってほしいです」
村田翔平(国経4=本郷)
──試合終盤の後輩たちの2トライはどのような思いで見てましたか
「チームの持ち味を十分に出せたアタックでした。後半に得点が取れていなかったこともあり、最高の2トライでした!」
──同期へのメッセージをお願いします
「4年間ありがとう、そしてお疲れ様でした。この4年間色々な事があったけど、この代のお陰で最後まで楽しかったです。ありがとう!」
──次の代への期待やメッセージをお願いします
「とにかく楽しむ心を忘れずに。辛い事、苦しい事が多々あると思うけど、最後まで走り続けてください。
がんばれ!」
(記事:井口縁、写真:山里莉子、福田菜緒、加清容子、小林想、谷本咲和、野田将吾)
公式X(@chudaisports)
Instagram(@chuspo_report)