2024年5月25日 神奈川県・横浜国際プール
中大は主力の竹村駿太郎主将(文4)、針谷晴人(文4)を欠くなか、6大学対抗戦で惜敗した日大を相手に、拮抗した戦いを繰り広げた。しかしながら、最終第4ピリオド(以下P)で日大に大量得点を許し逆転負けを喫した。
第1P、今大会初めて、対戦相手に先制点を許してしまう。早くも1点を追うかたちになるも、「4年生が1人しかいないということで今まで以上に副主将としてチームを引っ張っていこう」とプレーしていたという森田晃輝(文3)が、「自分はシュートがあまり得意ではないので色々な種類のシュート練習をしてシュートの精度を上げるようにしました」と語ったように、練習の成果を見せて得点し仕切り直す。この得点に関して森田は「ここから勢いづいて点差を広げてやろうと思いました」と振り返った。その後、日大に追加点を許すも、再び森田が得点し、2-2で第2Pを迎えた。
▲第1P2得点を挙げた森田
第2Pも日大の得点から始まった。しかし、中大も主導権を譲らない。1年生ながらチームメイトから信頼を得ている佐賀慶(経1)が得点し、すぐさま同点となる。攻撃の手を緩めない中大は、船水淳希(文3)が放ったシュートは惜しくも枠にあたってしまったものの、佐賀、吉村光貴(文3)が立て続けに得点しリードを奪った。中大は対日大戦に向けて「勢いに乗せると怖いチームなので、勢いに乗せさせないために、相手のやりたい事である中からの攻撃をしっかりと全員でケアするということを共通認識として持つこと」(西森郁未・文4)を意識していたそう。第2Pは、西森が「全員がしっかりとやるべき事をしていて、連携がしっかりととれていた」と語ったように、中大の堅い守備が光り、日大になかなかシュートを打たせない。その堅い守備をはいくぐって打たれたシュートも、この試合唯一の4年生として「最上級生としてチームを引っ張っていくと同時に後輩達を信用し頼る部分はしっかりと頼って、1人でチームを引っ張るというよりもチーム全員で勝利に向かっていこう」という意識で挑み、「相手の選手の特徴を試合前にしっかりと確認し、頭の中に入れた状態で普段の練習から日大を意識していった」と調整を重ねてきた西森がセーブし、失点を最小限に抑えた。
▲見事なセーブを見せた西森
第3Pは、佐賀が放ったシュートが決まり、中大の得点からスタートした。しかしながらあと一歩のところで追加点が奪えない。中大は攻撃に関して「カウンター重視の攻撃で、相手に点を決められても焦らず自分達のペースで水球をする」(森田)という対策を立てて臨んだが、佐賀から鈴木海斗(文1)、藤林佳聖(文2)へのパスは繋がらならず、決定機を生み出すことができなかった。また、吉村、久保田啓友(文1)もシュートを放つが枠を捉えることはできない。その一方で、慶大は連続得点を挙げていく。中大は逆転されてしまい、1点を追うかたちで最終第4Pを迎えた。
▲果敢にシュートを放つ佐賀
第4P、藤林がペナルティースローを決め、中大は同点に追いついたものの、慶大に3連続得点を許してしまい、一気に3点差に。中大は、日大の連携のとれたパス回し、パスを受けた後の素早いシュートに苦戦を強いられる。残り3分、中大はタイムアウトを取って反撃をねらうが、チャンスを掴むことができない。反対に、慶大は攻守交代の隙をついて得点し、さらに差を広げていく。中大はさらに2失点し、逆転は絶望的になるも、最後まで攻めの姿勢を見せ続けた。鈴木が慶大GKが見せた一瞬の隙を突いて得点。加えて、残り30秒、中大の最後の攻撃で、藤林がペナルティースローを獲得し、一度は止められるももう一度シュートを放って決め切った。中大は最後までシュートを狙い、懸命に戦ったが試合は9-13で幕を閉じた。
▲ペナルティースローで得点した藤林
試合後、西森は第4Pに守備が崩れてしまった原因について「点数をリードされ、慌てて攻めた事と、こちらの決定機をしっかりと決めきることができなかったことによる逆カウンターなどによって連続失点し試合前に懸念していた勢いに乗せてしまったこと」を挙げ、「点数をリードされても慌てず自分達のやりたいことをしっかりと行う事と、決定機をしっかりと決め切ることが重要である」と改善点を口にした。
今大会は少数精鋭であるが故の苦難に直面している中大。前回大会3位の意地を見せられるか、次戦に期待したい。
◆試合結果◆
●中大9(2-2、3-2、1-3、3-6)13日大〇
(記事:福田菜緒、写真:髙梨晃世)
Twitter(@chudaisports)
Instagram(@chuspo_report)