2021年10月13・14日 駒沢体育館
全日本学生選手権(フリースタイル)が駒沢体育館で行われた。昨年は開催されなかったインカレ。今年も一度は中止になったが延期開催された。コロナウイルスの影響で部が練習を再開したのはつい3週間前。そんな中、125㌔級で出頭海(法2)が優勝を果たした。そのほかにも79㌔級で村島克哉(法3)がベスト8、65㌔級で岩切徳丸(経1)がベスト16という結果を出した。
▲フリースタイルのインカレで優勝した出頭
出頭は準決勝まで危なげなく勝ち進んだ。準決勝では山本(拓大)と対戦。攻めの姿勢を見せ相手にプレッシャーを与える。試合残り1分半、相手の仕掛けを利用しテークダウンで2点を先取。試合終盤で場外ポイントをとられ失点したものの4-1で勝利し決勝へ。
決勝戦の相手は5月の明治杯で敗北を喫した森(中京学大)。
「リベンジしたい気持ちがあって、この人に当たるまでは絶対に負けたくないしこの人に勝ちたいという思いがあった」と念願の対戦となった。森に敗北して見つけた課題は増量すること。出頭は筋トレで体を大きくし明治杯の頃から12キロの増量に成功。さらに、普通の重量級の選手ならあまり行わないランニングをすることで体を大きくすることの欠点を克服し、持ち前の機動力を下げずにパワーを上げることができた。
迎えた決勝、出頭は前へ前へと攻め続け相手にプレッシャーを与える。
相手にパッシブを与え1点、2点と出頭に得点が入る。後半戦が2-1で始まり、監督に「自分のパターンを崩すな、徹底して自分のいい位置を常にとっておけ」と指示された出頭は、粘る森を押し出し場外ポイントでさらに1点を追加し3-1で見事優勝を果たした。中大のインカレでの優勝は2018年の尾形颯以来3年ぶりだ。
▲優勝を決めガッツポーズをする出頭
この戦いぶりを監督は「高校時代に彼は三冠王で、強い高校時代の彼がパワーアップしてきたと思います。試合の安定感が全試合を通じてあったと思います」と語った。
「率直に言うとすごくうれしいですが、僕は2年生という立場で尾形さんは1回しか優勝していないので、ここから連覇を積み上げたいと思っています」と語り、インカレ連覇というさらなる高みを目指していく。
▲技を仕掛ける村島
村島は自粛中に筋力が落ち心肺機能も低下してしまった。それらを取り戻すためにランニングや筋トレを行い、今大会に臨んだ。
村島は初日を順調に勝ち進み、迎えた4回戦では高橋(日体大)と対戦。
相手が得意とするタックルでテークダウン、ローリングと連続でとられてしまい試合開始20秒足らずで計4失点。終始相手のペースに押され、0-10でテクニカルフォール負け。ベスト8に終わった。相手の高橋は今大会の79㌔級で優勝、差を見せつけられた試合となった。
この試合を「力のある強い選手でタックルが強烈で、それに勝つにはもっと筋力をつける必要があると感じました」と振り返った。「内閣に向けて部内で試合をやってそこで勝ち内閣に出たいと思います。目標は1点でも多く大学にプラスできるように頑張りたいです」と今大会で見つけた課題に向き合い、次の試合に向けて動き出すようだ。
▲相手を抑え込む岩切
岩切は1回戦ではフォール勝ち、2回戦も8-3で勝利し順調に勝ち進んだ。迎えた3回戦では窪田(日大)と対戦。
アクティビティピリオドの間に得点できず1点を先制されたまま試合後半へ。「前半は相手のレスリングに付き合ってしまったので後半は自分の得意な距離でレスリングをするようにとアドバイスをいただきました」。後半戦が始まるも、得意の飛び込むようなタックルを相手に仕掛けきることができず0-4に。終盤、「相手にバックをわざと回らせたときに相手を巻き込むようにしてバックに回る形」になり、はじめの判定は1点だったがチャレンジに成功し2点を得点。しかしその勢いに乗ることはできずに2-4のままタイムアップ。ベスト16で今大会を終えた。
「正直彼は3位以内に入らなければいけない位置にいましたが、まったくベスト16という結果には満足していないですね。正直1年生だからということではなくて、もともと日本一のチームのキャプテンをやっていて団体戦の強さも持っている子ですので、3位以内に入れなかったということは私からすると少し残念だったなと思います」。(山本美仁監督)
「目指していたものはやっぱり優勝なのでベスト16という結果にはあまり納得いっていないです」。(岩切)
今回は監督、岩切とともに満足いかない結果に終わったようだ。
「全国大会レベルでの優勝、国外の大会でも入賞を目指して、早い段階で活躍していきたいと考えています」。と語る彼はまだ1年生。近い将来に活躍してくれることを期待したい。
2日間のフリースタイルのインカレを終え、山本監督は「コロナ明けで正直私も成績を期待するよりも彼らが無事に試合をしてほしいなということを思っていました。だけど彼らが私に見せてくれたパフォーマンスはそれをはるかに上回るもので本当によくやってくれた」と今大会を総括した。次の目標は内閣3位以内に入ること。課題となるフィジカル面を徹底的に強化し、今大会優勝した出頭に続き好成績を残してもらいたい。
◆大会結果◆
57㌔級
1回戦
●小川潤大(経1)3-4日々野(神奈川大)○
2回戦
●芹沢雄生(法2)
※不戦敗
61㌔級
1回戦
○草間正汰(理工2)-土持(日本文理大)●
※不戦勝
2回戦
○草間12-2桝本(日体大)●
※テクニカルフォール勝ち
○時田隆成(商4)8-0佐々木(山梨学大)●
3回戦
○草間10-0髙木(徳山大)●
※テクニカルフォール勝ち
●時田4-4服部(山梨学大)○
※ラストポイントを取られ敗戦
4回戦
●草間正汰(理工2)0-10榊(山梨学大)○
※テクニカルフォール負け
65㌔級
1回戦
○山慶次郎(文4)8-2川添(帝塚山大)●
○岩切徳丸(経1)2-2平岡(慶大)●
※フォール勝ち
○土井璃音(法3)-鶴田(山梨学大)●
※不戦勝
●伊藤史門(文3)5-8西田(日本文理大)○
2回戦
●山0-10大橋(日大)○
※テクニカルフォール負け
○岩切8-3平内(国士大)●
○土井10-0占部(天理大)●
※フォール勝ち
3回戦
●岩切徳丸(経1)2-4窪田(日大)○
●土井璃音(法3)1-5秋山(九州共立大)○
70㌔級
1回戦
●関海翔(文3)0-2有馬(拓大)○
74㌔級
1回戦
●伊藤朱里(法4)1-2森川(山梨学大)○
2回戦
●三浦紘平(文1)-森崎(東洋大)○
※不戦敗
79㌔級
2回戦
○村島克哉(法3)6-1菅原(日本文理大)●
●石山大凱(法1)-丸目(専大)○
※不戦敗
3回戦
○村島8-5竹内(徳山大)●
4回戦
●村島克哉(法3)0-10髙橋(日体大)○
※テクニカルフォール負け
86㌔級
1回戦
○池田貫太郎(商4)2-0重松(大東大)●
※フォール勝ち
2回戦
●池田0-10市川(神奈川大)○
※テクニカルフォール負け
92㌔級
1回戦
●阿部光(経2)3-5坂井(明大)○
97㌔級
1回戦
○安齋勇馬(文4)4-0秋場(国士大)●
●中里優斗(法1)1-4村田(中京学大)○
2回戦
●安齋0-11吉田(日大)○
※テクニカルフォール負け
125㌔級
1回戦
○出頭海(法2)9-0新井(国士大)●
2回戦
●武藤翔吾主将(法4)-輪湖(東洋大)○
※不戦敗
●笹岡龍馬(経3)-小林(山梨学大)○
※不戦敗
○出頭10-0佐藤(日本ウェルネススポーツ大)●
※テクニカルフォール勝ち
3回戦
○出頭海(法2)5-1山田(山梨学大)●
準決勝
○出頭4-1山本(拓大)●
決勝
○出頭3-1森(中京学大)●
(記事:守屋七菜、写真:町田航太、若林拓実)