2021年9月20・21日 スリーボンドスタジアム八王子
対専大1回戦。6回まで両チーム譲らない展開で、我慢の場面が続く。それでも中森至(経2)の5打数3安打3得点の活躍を筆頭に、チーム全体13安打と中大打線が奮起し7-4で勝利を収めた。
▲先発の近野
先発は近野佑樹(法3)。初回に四球と中安で満塁のピンチを背負うも0で切り抜け、その後も3回まで無失点で抑える。一方中大打線は初回から動きを見せる。前試合スタメン落ちの中森がフルカウントから右越三塁打を放ち、3番友田真志(商4)の右犠飛の間に巧みなスライディングでホームイン。「切り替えて練習に取り組んだ結果が今日につながった」と話した。2回にも羽渕達哉(商3)の投犠野で1点を追加し2-0とする。しかし4回、相手に二本の右三塁打で2点を許す。
▲タッチを上手く交わし生還した中森
同点に追いつかれた中大は5回、再び中森が三塁打を放ち、「なんとか食らいついた」と友田の左犠飛で勝ち越しに成功。監督が調子を上げていると話す4番足立裕紀(商4)、5番川満剛(文2)が続けて安打を放ち、ルーキー6番功刀史也(文1)の3試合連続安打でさらに2点を追加。
6回、近野が捕まり石井竜弥(商2)に投手交代。2点を返され1点差まで詰め寄られるも、8回に中森、代打出場の岸野皓大(商2)の適時打で7-4と突き放す。石井は「楽に自分のピッチングをすることを心掛けている」ことで7・8・9回を三者凡退で締め、接戦を制した。
迎えた2戦目、先発は1戦目好リリーフを見せた石井。初回、四球が絡んで2死二塁のピンチを招くと相手の4番武内に中前適時打を浴び先制を許す。「打たれちゃいけないバッターに打たれすぎ」と池田監督は苦言を呈した。だが攻撃陣は2・3回と連続スクイズで逆転に成功する。中大らしい長打ではなく小技で1点づつもぎ取る攻撃を見せた。
▲2回に低めの球を上手くスクイズした羽渕
しかし5回、石井はまたも四球が絡み1死二塁のピンチを招くと二連続で適時打を浴び、あっさり逆転を許す。続く4番武内にこの日2本目の安打を許し、1死一三塁にされたところで投手を近野にスイッチ。ここで悲劇は起きた。続く打者への3球目、打者が近野のインコースのストレートにつまり、セカンドへのゴロを打つ。ダブルプレーでチェンジ…と思いきやなんと名手羽渕が後逸し、三塁走者が生還しさらに1点を奪われる。「あれで終わり」と池田監督が語るほど大きなプレーとなってしまった。近野はこの回さらにもう1点許し、点差を2点に広げられる。6回に川満のソロ本塁打、7回にも1点を奪うも反撃はここまで。4ー5と接戦を落とした。
▲「気持ちの面で負けないようにしたい」と語った川満。
1週間後に全日本大会を控える中大。しかし、課題は山積みだ。まずは主力野手の不調だ。特に関東大会チーム打点王の佐藤龍之介(商3)、主砲の伴野匠(経3)、春季リーグ戦三冠王の幸喜健太朗(商3)の3人の不調が大きく響いている。その中でも今リーグ戦未だ安打0の伴野の状態は深刻である。開幕戦こそ4番でスタメン入りを果たすも打撃不振で4戦目ではついにスタメン落ち。佐藤・幸喜は21日の試合で安打を放ち、復調の兆しを見せているため、眠れる主砲の復活が待ち遠しい。
次に近野・石井の盤石であった投手陣の不調である。春季リーグではチーム防御率2.33と圧倒的な数字を残したが、今リーグではチーム防御率4.30と二倍近く跳ね上がっている。特に石井は四球からの失点、近野は甘い球を痛打される場面が目立つ。守り勝つ野球が主体の中大にとってダブルエースの調子はチームの勝敗に直結するため、二人の復調が急務だ。
一方で明るい材料もある。野手では功刀と小林洸誠(商2)、投手では木藤忠広(法1)と新戦力の台頭だ。三選手とも新人戦で見事な成績を残し、今リーグ戦でも、功刀は本塁打を含むチームトップの4打点、小林は5四球とリードオフマンとして高出塁率を記録、木藤は21日の試合で3回被安打0無失点のパーフェクトピッチングと良い働きが見える。全日本大会では主力の復調、新戦力の活躍がカギになるだろう。まずは次戦の日大戦で勝利をおさめ、勢いよく全日本大会に臨みたい。
◆試合結果◆
9月20日
チーム 123 456 789=計
専 大 000 202 000=4
中 大 110 030 02×=7
9月21日
チーム 123 456 789=計
中 大 011 001 100=4
専 大 100 040 000=5
◆お知らせ◆
次戦は9月23日、スリーボンドスタジアム八王子にて行われる秋季リーグ対日大1回戦となります。試合開始は9時30分を予定されています。
また、全日本大会の初戦は日程と場所が変更されました。中大の初戦は9月27日、天竜球場にて行われる対同志社大戦となります。試合開始は11時30分を予定されています。
(記事:坂井真子、江渕光太、写真:菅澤澪生、鎌田怜穂)