10月27日 中大多摩キャンパス
先日のドラフト会議で読売ジャイアンツ(以下巨人)より1位指名を受けた西舘勇陽投手(法4=花巻東)への指名あいさつが行われた。巨人からは、OBの阿部慎之助監督(平13卒)、水野雄仁スカウト部長、円谷英俊担当スカウトが訪問。中大野球部からは清水達也監督、樫山和男部長が出席した。
▲指名あいさつの会場に入る西舘投手
以下、記者会見コメント
〜出席者あいさつ〜
阿部監督
「みなさん本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。今日はとてもめでたい日なのでマスコミの方もちょっとだけスマイルでいきましょう。どうぞよろしくお願い致します」
水野スカウト部長
「この度2023年ドラフト会議で大学生No.1投手の西舘投手を指名できたことを非常に嬉しく思っております。阿部監督が抽選で引いていただいて非常に私も感動しました。西舘選手とご縁があってこうして中央の方にご挨拶に来ることができて非常に喜ばしく思っています。今回円谷スカウトは初めてドラフト1位を担当しますので円谷スカウトからも一言よろしくお願いします」
円谷担当スカウト
「担当スカウトをさせていただきました。円谷と言います。このように素晴らしいご縁をいただきまして本当に幸せな気持ちで今日の朝を迎えさせていただきました。私出身が青山学院大学で常廣、下村、と西舘くんのライバルと言われるピッチャーが二人ほどいる中で西舘くんを推させていただいてこのようなご縁を頂けたのでとにかく祈ったりな気分でいます。今日はよろしくお願いします」
樫山部長
「本日はお忙しい中昨日に引き続き多くの報道関係者の皆さんにお越しくださいましてありがとうございました。まずは我々としましては読売巨人軍からの西舘くんの1位指名大変嬉しく思っております。とりわけ阿部新監督は中央大学のOBでそういうところで西舘くんが頑張れることを非常に喜ばしいことだな思います。ぜひ西舘くんが頑張っていこうとちゃんと感じてそこに向けて頑張る力になることを願って本日はよろしくお願いいたします」
清水監督
「本日はお忙しい中ありがとうございます。昨日ドラフトで阿部監督が西舘引いてくれたんですけれどもそこでやはりすごく縁を感じましたし、今ここに座って25年前かなここからジャイアンツに巣立っていった阿部君が今度監督として西舘を引いてくれたことはものすごく縁を感じていますし、西舘もまたジャイアンツの力になってくれると思います。本日はよろしくお願いしまします」
西舘投手
「中央大学の西舘勇陽です。自分としてもこの4年間ここを目指してやってきたので本当に非常に嬉しく思います。本日はよろしくお願いします」
▲Cポーズを作る清水監督、西舘投手、阿部監督
~質疑応答~
――指名されて一夜明けた今の思い
「昨日指名をいただいてすごい嬉しい気持ちというのと自分としても野球人生これからだと思っているので今日も午前中だったり練習しました。ここを目標にやってきたというのを感じていてこれからまた切り替えてやっていきたいです」
――たくさんのメディアに囲まれているが今の気持ちは
「自分すごい人見知りなので本当にすごく緊張しているんですけど目標としていた舞台というのはやはりそういうことだと思うのでここにも慣れながらこれからもやっていきたいです」
――隣に大学の先輩の阿部監督が座っているが
「自分の小さい頃のスーパースターの選手で大学の先輩でもあるので不思議なご縁というか。そこは本当に周りの方々のおかげかなと思います」
――中央大学での4年間を振り返って
「まず大きな怪我なくリーグ戦投げられて清水監督や周りのコーチの方々やトレーナーの方々に支えてもらっていたおかげと思っているので自分一人ではここまで来れなかったですしチームメイトだったり周りの方々に感謝の4年間かなと思います」
――阿部監督が西舘投手と実際に会って抱いた印象
「投手として非常にポテンシャルが高いですし非常に持っているものが今回のドラフトの中でもジャイアンツとしてはトップクラスの評価はしておりました。自分自身もまさかこういう形で母校に帰ってこられるというのは夢にも思っていませんでしたし、実際に本人を前にしてもちろん初々しいなとも思いながらも20数年前僕もここから飛び立たせて頂いたことを思い出してすごく今日は嬉しいですし和みますね」
――阿部監督は西舘投手にどんな投手に育ってほしいと思うか
「ジャイアンツの中でとは言わずに将来は日本を背負い立つ大投手になってもらいたいなという思いもありますし、一生懸命やればなれると僕は信じています」
▲OBの阿部監督
――清水監督は西舘投手にどんな投手に育ってほしいと思うか
「まずはやはり阿部監督が1年目というところに行きますけれども阿部監督の力になってジャイアンツを優勝に導くためのワンピースになって欲しいなと思います。そのあとは日本を代表するようなピッチャーになっていって欲しいと思います」
――教え子の阿部監督のもとに選手を送り出すことになるがどんな気持ち
「まさかこういう形でまた慎之助が来て教えた子が1位という形で入っていくというのは夢にも思っていませんでしたけれども、昨日のくじを引いてくれた時もやはり縁というか強い何かを感じました。本当に西舘には慎之助をまた男にして欲しいなともいます」
――西舘投手がプロに入るにあたっての意気込み
「1年目はずっと1年間投げていたいのでそこを目標にやって将来的には開幕ローテーションに入れるような投手になって巨人の優勝に貢献して巨人の力になれればと思います」
――阿部監督は西舘投手にまずは先発でと伝えていたがその意図と狙いは
「僕が2軍監督当時、中継ぎで投げた時に初めて見てその後先発で回って今まで投げてきているのでまずはそこの力量を見ていきたいですし、アマチュアとプロのバッター全然違うので色々場数を踏んでもらってそこの適性を見ていきたいと思っています」
――阿部監督から見た西舘投手はどんなタイプの投手か
「僕の印象ではやはり三振が取れる。三振を取るというのはなかなか難しいことなのでそこを一番評価したいなと思いますし、もちろん先発して全員に三振取れれば一番いいんですけどそれはなかなか難しいのでそうところも含めてゲームで見たい。ブルペンは多分いいのでそこで判断しないように自分でもしたいなと思います」
――円谷担当スカウトの推しポイントは
「とにかく誰が見ても、僕が担当スカウトじゃなくても1位の評価はされていたと思うんですけど、僕が1番いいなと思ったのはとにかく苦しい場面で、例えばリーグ戦だと最下位がかかった試合であるとか、入替戦とかことごとく苦しい場面で結果を残してきたのが西舘投手。僕はそこが彼の1番すごいところなのかなというのと、身体が丈夫でいつも投げている。そこが彼の魅力なのかなと僕は思います」
――阿部監督は久々の母校となったが
「きれいですね。先ほどそこを100㍍ぐらい一瞬だけ学生時代に戻らさせていただいたんですけど、やっぱり僕には似合ってないなと」
――西舘投手は阿部監督にどのような印象を抱いたのか
「やっぱり小さいころからのスーパースターの選手で本当にテレビの人というかそういう感覚だったんですけど、これだけ近くで見てそれくらいまで自分が野球人としてのレベルがそこまでこれたのはうれしいことですし、自分が小さい頃のスーパースターだった選手の下で野球ができるというのは簡単には経験できないことだと思うので、本当にすごく嬉しく思っています」
――阿部監督が常にクイックで投げる西舘投手に抱いた印象
「本当に独特ですし、大体のピッチャーは遅いとかそういう苦労があるんですけども、その心配もいらないっていうすごく教えることが少ないんだろうなという完成された素晴らしいピッチャーだと思っていたので、本当に楽しみしかないですね」
――キャンプまでに鍛えたいこと
「自分の課題としては制球力というのが自分の中でもっていて、この秋は少し改善できたかなという部分もあったんですけど、やっぱり大学野球とプロの世界というのはコースも広さも違いますし、バッターのレベルも上がってるので自分の空振り取る能力であったりとかそういうのももっと難しくなってくると思うのでその環境に触れながら、周りの先輩方に教えていただいて球種を増やすだったりとかそういう選択をしないといけないときもあると思うので、まずは今自分が持っている力がどれだけ通用するか試してみたいと思います」
――プロで対戦したい打者は
「大学時代の先輩である牧さんだったり、森下さんと対戦したいというのがあって。大学時代あまり自分がシート打撃でそんなに多く投げていなくてあまり対戦した記憶がないので、自分が下級生時代の頃とは違うのでそういうところを見せれたらと思います」
――三振へのこだわり
「全部の打者に三振を狙って投げているので、ゴロとか打たれたらエラーの可能性があるのに対して三振は絶対なので。ミスがないというところではずっと自分としては狙い続けています」
――西舘投手が目指す投手像
「特定の選手とかっていうのはいないんですけど、大事な試合で使っていただけるようなそういう信頼されることが一番大事だと思うので、大事なところでマウンドに送っていただけるようなそんな選手になりたいです」
――大学進学時に書いた「4年後プロ、ドラフト1位」を叶えた
「この4年間は本当に大学進学するにあたって決めた目標は忘れずにやってきましたし、結果として今実現できたことはこれからの自信になりますし、でもまだまだそこで終わっちゃいけないなという思いがあります」
――背番号17への思い
「自分も花巻東出身ですごい特別な番号、特別な数字というのは分かっているのでそういう高校からのつながりというのはすごい自分としてはうれしいなと思います」
――ピンチの時のメンタル
「自分がずっとクイックで投げているのもあって、自分のピッチングスタイルはテンポが変わることはないので、そこの落ち着きっていうのは自分の1つの強さかなという風に思っていて。メンタル面で言うと、投げているときはピッチャーは苦しいですけど、そこで点取られたらチームが負けて、悪い方向というか苦しくなってしまうのでそれは自分一人が背負えばどうにかなる問題ではあると思うので、そういう思いでマウンドに上がって投げています」
――佐々木朗希投手への思い
「ずっとテレビで見てきて、完全試合であったりとか日本代表で投げている姿であったりとかそういうのはやっぱり見てましたし、その時はいち野球ファンとしてすごい応援していて。まず自分が一軍に上がって結果出していかないと対戦であったりとかそういうのは始まらないと思うので、まずは自分ができることをしっかりやって課題をつぶしながらやっていければいいなと思っています」
▲記者からの質問に答える西舘投手
――阿部監督からのお願い
「僕からのお願いがあって。マスコミの皆さんにね。僕も二十数年前ドラフト1位で入らせてもらって、とてつもないマスコミの方の人数と、申し訳ないけど訳のわからない質問だったりそういうので僕が本当に人間不信に陥ったことがあります。やっぱり、マスコミが選手を育てるとかそういう言葉を聞いたことがあるんだけども、みんなどうなのかわかんないけど野球やったことない人も記者をやっているはずなんですね。けど、まず皆さんも野球を勉強してもらいたい。僕は博士でもないし、野球経験したことがあるだけであってそこは皆さんと一緒に勉強していくということが必要だと思うし、そういう中でのクエスチョンはこちらも受け答えしがいがあるというのは皆さんご理解いただいて。やっぱりこうやっていきなりプロに来てわーって囲まれてやるっていうのは精神的にもきついですし、そこをみんなで彼のこともそうですし、球団の今のジャイアンツの選手のこともみんなで共有して、フォローしあえたらして、でジャイアンツ一体になってほしいなっていうのは僕からの願いがあります。なので、僕ももちろん日々勉強していきますし、皆さんも野球を知ったかぶることなく聞いていただければいいし、もちろん今は調べればいろんなことが出てくる世の中ですから、そういう便利なツールを使って野球勉強していただいてプロ野球選手、ジャイアンツだったりプロ野球を見守っていただきたいなと思ってますので、ご理解とご承知おきください。どうぞよろしく」
▲阿部監督指名当時の号外を手に持つ西舘投手
◇西舘勇陽(にしだて・ゆうひ)◇
生年月日:2001年3月11日
学部学科:法学部・法律学科
身長・体重:185㌢・79㌔
出身高校:花巻東高校
(記事・写真:中島遥、高橋美帆)