2024年5月18日 千葉県・順天堂大学さくらキャンパス
選手が主体となってチーム作りをしている中大。竹村駿太郎主将(文4)は今年のチームの雰囲気を「周りから見たら誰が4年生で誰が1年かわからないくらい仲がいいチーム」と語る。そんな中大の相手は、練習試合を繰り返し、お互いがお互いの手の内をよく知っている早大。中大は「今年のチームにとって初めての公式戦であり、学生リーグ全体としても開幕戦だったので勝ちに行く事は当然に盛り上がる試合をしようと臨んだ」(竹村主将)が、試合時間残り1分に逆転を許し、惜しくも敗北を喫した。
第1ピリオド(以下P)、先制点を挙げたのは中大。チームメイトに「切り込み隊長」と称される佐賀慶(経1)がロングシュートを決めた。大学生になって初の公式戦となるこの試合には「気楽にシュートを決めることだけに意識」して臨んだそう。「中央大学のキーパーのレベルがとても高いため、自分のシュート力も自然と上がってきたと思います」と成長を実感していた。相手の弱点をよく理解している両チームは、相手にシュートを打たせない堅い守備を見せ、膠着状態に。中大は早大に得点を許し追いつかれるも、森田晃輝(文3)がシュートを決め、2-1で第2Pを迎えた。
第2Pも決めては決められてといった拮抗した戦いが続く。早大が得点し同点となるも、藤林佳聖(文2)が攻守交代の隙をつきシュートを決めて再び1点差に。その後、早大に攻め込まれる場面が続くが、西森郁未(文4)が好セーブを連発し、チームのピンチを防ぐ。西森の活躍応えるように味方からパスを受けた鈴木海斗(文1)が素早くシュートを決めさらに点差を広げる。主導権を掴みたい中大は早大に得点されてしまうものの、相手が退水したチャンスで、佐賀が再び得点しリードを保つ。しかしながら、今度は中大選手が退水したピンチで早大に得点を許し、点差を1点に縮められて折り返した。
▲好セーブを見せた西森
第3ピリオドも早大の得点から始まったが、佐賀が3点目となるシュートを決め、なんとか1点差を保つ。リードを広げたい中大は、早大選手が退水したタイミングでタイムアウトをとり、攻撃の体制を整え追加点を狙うも、チャンスを活かすことはできなかった。反対に早大に連続得点を許し、逆転されてしまう。鈴木、飯島颯大(文1)が果敢にシュートを放つも得点には繋がらず、調子を上げる早大に点差を3点にまで広げられてしまう。なんとしても得点しようとする中大。守備で力を発揮していた針谷晴人(文4)がこぼれ球を決めて2点差に。さらに、攻めの姿勢が功を奏しペナルティースローを獲得すると、藤林が冷静にシュートを決め、1点を追いかけるかたちで最終第4Pを迎えた。
「逆転しないといけないという焦りもありましたがみんなが冷静に落ち着いて4ピリ目に臨みました」(竹村主将)という最終第4P。中大は第1、第2、第3、とは打って変わって攻めからプレーを始める。最初の攻撃ではチャンスを生み出すことができなかったものの、第4P開始約3分、巧みなパス回しで早大のディフェンスを翻弄すると佐賀が得点し、同点に追いつく。再び膠着状態となるもディフェンスを破ってきた早大に、中大はペナルティースローを与えてしまい大ピンチに陥るが、好調を維持する西森が実力を最大限発揮してセーブし、チームを鼓舞する。佐賀も相手にマークされながらも得点し、中大は再びリードを奪った。1年生ながら5得点という大活躍を見せた佐賀の強みを竹村主将は「シュート力と点が決まり始めてからの爆発力」と語り、「一年生とは思えないほど肝が据わっていて、点数が欲しい場面で点数を取ってくれる選手」と評価した。しかし、早大も譲らない。立て続けにシュートを放たれ、同点に持ち込まれる。さらに、残り1分、中大選手の退水という早大にとって絶好のチャンスで得点され、勝ち越されてしまう。中大は最後の攻撃で決めきれず、試合は10-11で幕を閉じた。
▲5得点を挙げる活躍をみせた佐賀
試合後、竹村主将は「ディフェンスの共通認識の部分やカウンターの形、シュートの決定力など細かい修正点が多く見つかった」と改善点を口にした。次戦の対戦相手は6大学対抗戦で敗北を喫している慶大。リベンジを果たし、上位リーグ進出に近づくことができるのか目が離せない。
◆試合結果◆
●中大10(2ー1、3ー3、3ー5、2ー2)11早大〇
(記事、写真:福田菜緒)
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