2024年10月23〜24日 駒沢屋内競技場
10月23日から24日にかけて文部科学大臣杯令和6年度全日本大学レスリンググレコローマンスタイル選手権大会が開催された。中大からは9名の選手が出場し、1年生の織山昭成(商1)が準優勝、石原三四郎主将(文4)が人生初の優勝を果たした。
55㌔級に出場した平田宗(総3)。予備選では先に消極的と見なされパッシブを取られるも、即座に体勢を整えて組み直した。どちらも隙を見せず、膠着状態が続く中前半戦が終了した。相手が1回目のパッシブを取られると、攻め込んだ平田が相手をデンジャーポジションに追い込み、追加で4点を獲得し、6-1でポイント勝ちを決めた。続く準々決勝では相手のパッシブによって得点するも、なかなか攻め込むことができずポイント負けとなった。
▲準々決勝敗退となった平田
60㌔級に出場した佐々木力人(商2)は開始直後に相手の背後に回ってテイクダウンを取り、先制点を獲得。膠着状態となり、佐々木の2点リードで前半戦を終えた。後半戦も組み合いが続き、消極的と見なされた佐々木が先にパッシブを取られた。パーテレからリスタートすると、そのままローリングで点数を稼せがれ、2-5とリードを許した。残り時間1分、相手にパッシブがくだされ、ローリングで2点稼ぐと残り時間30秒で同点に追い付いた。残り時間5秒で佐々木が相手の体勢を崩し、デンジャーポジションに追い込むとタイムアップ。ラスト5秒で勝利を決めきった。しかし、続く1回戦では終始相手のペースにのまれてしまい、テクニカルスペリオリティ負けで1回戦敗退となった。
▲組み合いが続く
72㌔級に出場した石原は予備選、準々決勝を順当に勝ち進み、準決勝へと駒を進めた。準決勝では開始わずか10秒で場外ポイントを獲得すると勢いそのままローリングで点数を稼ぎ、瞬く間に決勝進出を決めた。
130㌔級に出場した織山も準決勝、準々決勝ともに相手がパッシブを取られ、パーテレからローリングで取り切り、テクニカルスペリオリティ勝ちで決勝進出を決めた。
2日目に行われた敗者復活・決勝。67㌔級で敗者復活戦に臨んだのは木村太智(法2)だ。木村は1回戦不戦勝で駒を進めるも、続く2回戦では山梨学大の萩野大河相手に開始1分20秒デンジャーポジションを取られ4失点。4ー0のフォールで負けを喫した。
▲木村
迎えた決勝130㌔級第1ピリオド、対するのは織山がインカレで苦杯をなめたバドバヤル・ナンバルダグワ(育英大)。開始1分、両者ともに仕掛けるも得点には至らず膠着状態が続く。直後相手の攻撃で3度2失点をとられ、第1ピリオド終了時点で6-0と得点0の織山。なんとか挽回したい第2ピリオドだったが、開始直後テイクダウンで2点を取られ8-0でのフィニッシュとなった。
「力の差は結構あったんですけど、いい大会で決勝の舞台で戦えたのでいい経験になりました」。そう決勝を振り返った織山は「インカレの時は結構すぐに負けてしまったが、今回は第2ピリオドにまで持ち込むことができたので自分の中ではちょっと成長してるんじゃないかなと思います」と相手の印象を語る。
1年生ながら見事2位表彰台に輝いた織山が次に出場するのは新人戦。「両スタイルに出場しようと思っているので、どちらとも優勝したい」。期待のルーキーは今回の準優勝からさらなる躍進を誓う。
▲決勝の舞台での攻防
石原がついに72㌔級で自身の競技人生初となる優勝を成し遂げた。主将としてレスリング部を牽引してきた石原。決勝の舞台で対するのは高校時代の後輩である菊田創(青学大)だ。「普段から仲がいいからこそお互いすごく警戒していたし、自分の中でもやりたくない相手の一人だった」。
そう話した石原だったが、開始直後から果敢に攻める姿勢を見せる。順当に菊田にパッシブが与えられ、迎えたチャンスの時。石原は好機を逃さなかった。自身のレスリングスタイルでもあるローリングを連続で決め5-0。第1ピリオドも残り1分というところ、またも石原が仕掛ける。2ポイントを加算し7-0と勢いは止まらず第1ピリオド残り40秒を切る。場外へ相手を押しやり試合終了と思われたが、相手のチャレンジが成功し判定7-1で第2ラウンドに縺れ込む。開始1分でテイクダウンを奪い石原のテクニカルスペリオリティー勝ち。拳を突き上げた石原は圧倒的な勝利で見事自身初の優勝を掴んだ。
▲拳を突き上げる石原
表彰後、「まず素直にほっとしているし、うれしい」と笑顔を見せた石原。一方で「夏のインカレで負けた日体大の選手や優勝した育英大の選手などの本命の選手が出ていない大会だったので、自分が絶対優勝しなければいけないという心持ちだった」と冷静に今大会を振り返る様子も見られた。
石原が次に出場するのは韓国で開催される国際大会、コリアンオープンだ。今大会で収めた初優勝。続く韓国の地でも勝利の女神は微笑むか。
◆試合結果◆
55㌔級
予備選
○平田宗(総3)6-1真貴(大阪体育大)●
準々決勝
●平田1-5山城(国士大)○
60㌔級
予備選
○佐々木力人(商2)9-5國年(明大)●
1回戦
●佐々木1-9金澤(日体大)○
67㌔級
1回戦
●木村太智(法2)-長谷川(育英大学 )○
72㌔級
予備選
○石原三四郎(文4)9-3豊田(拓大)●
準々決勝
○石原9-0谷川(周南公立大)●
準決勝
○石原11-0久米田(天理大)●
77㌔級
1回戦
●林拳進(商3)2-9角出(東洋大)○
87㌔級
予備選
●淺野稜悟(法1)0-2五十嵐(山梨学院大)○
97㌔級
予備選
●中西広耀(法2)0-4立岡(天理大)○
130㌔級
予備選
○織山昭成(商1)0-0竹田(東洋大)●
準々決勝
○織山9-0吉里(九州共立大)●
準決勝
○織山―春風(周南公立大)●
67㌔級
敗者復活戦
●木村0-4萩野大河(山梨学院大 )○
130㌔級
決勝
●織山0-8バトバヤル・ナンバルダグワ(育英大)○
72㌔級
決勝
○石原9-1菊田創(青山学院大)●
◆コメント◆
山本監督
──今大会を振り返って
石原が最後のグレコローマン選手権ということで、本当に高校時代無名の選手で、とてもこんなところまで上がれる選手ではなかったのだけれども、大学4年間本当に頑張ってここまで登ってきたということは中央大学にとってもレスリングにとっても本当に大きな収穫だったと思います。あと全体的に見て、組み合わせ等もあったんですけどまあまあ全体的に底上げできているかなと。次の内閣総理大臣杯に向けてかなりいいステップになったんじゃないかな。そんな感じで考えています。
──次の大会での目標
総合優勝、この一択以外ないと思っているくらいのレベルまで今選手たち上がってきているので、総合優勝を半世紀ぶりに狙いに行くチャンスだと思っています。日曜日部内戦をやってそこで全部が決まってくると思うので、フル布陣で優勝していこうと考えています。
◆お知らせ◆
次戦は11月9、10日(日)に大阪・堺市金岡公園体育館で行われる全日本大学選手権です。
(記事:塚越香都、村野風珈、写真:塚越香都、橋本唯花、村野風珈、琴寄由佳梨)
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