第101回箱根駅伝で往路準優勝・総合5位の結果を収めた中大は、新体制のもとで「箱根駅伝総合優勝」をチーム目標に掲げた。今回は新幹部に就任した吉居駿恭主将(法3)、吉中祐太副主将(文3)、折居幸成寮長(法3)、篠原寛主務(経3)に話を伺いました。(取材は3月6日に行いました)
(聞き手、構成:遠藤潤)
▲今年度の個人目標を掲げる新幹部4名
折居「ハーフマラソン62分前半 寮長としてチームを支える」
吉中「5000㍍日本選手権出場 10000㍍27分台 エースになる!!」
吉居「世界へ」
篠原「チームの目に!!」
—昨シーズンを振り返って
篠原 全体的に言うと、チームの雰囲気というか会話自体は弾んでいて、連携とかもしっかり取れていたと思うんですけど競技面に向けた会話ができていなかったところがあって。仲は良かったものの競技に向けたチーム作りという面ではなかなかうまくいっていない面があったのかなと思います
吉居 個人的には中々うまくいかないシーズンで、うまく気持ちのコントロールができなかったんですけど、全日本終わってチームとしても改善すべき点が非常に多くて、そこからは気持ち切り替えて競技にしっかりと向かっていく姿勢で生活できていたので良かったなと思います
吉中 個人としては前半シーズンは怪我とかでバタバタしてしまったんですけど、後半シーズンは10000㍍で自己ベストを更新したり、箱根駅伝に出場させていただいたり、後半シーズンだけ見たらいい結果だったかなという印象です
折居 個人ではなかなか入部してから結果が出せていない中で一つ目標としていたCユニ、ハーフと10000㍍で自己ベストを更新できたっていうので、一つ着実に成長を見せることができたシーズンだったかなと思います。チームとしては全日本大学駅伝がポイントになっていたと思って、悔しい思いを選手一人一人が受け止めて、その時に学年ミーティングを開いてこの幹部が決定したというのもあるんですけど、そういうところで一つチームの雰囲気が引き締まったポイント、転換点があったシーズンだったかなと思います
—今シーズンのチーム目標について
吉居 新4年生で決めたんですけど、箱根駅伝で優勝したいという気持ちは一致していたので、そこを目指していこうということで決めました。個人的に世界陸上も狙っていますけど、箱根を見据えながらの取り組みをしていきたいなと思っています。4年生で目標は決めて、それを監督たちに言ったというところです。「一緒に目指していこう」という感じで言われました
—新入生のイメージ
篠原 まだ新入生と関わる時間が短いのであまり把握しきれていないところなんですけど、雰囲気的には落ち着いてるというか各々のことをしっかりとやっているなという感じがします
吉居 まだ目標が定まっていないというか控えめというか、練習メニューでも少し楽な方に、学年全体で守りに入ってしまっているので、もう少しチャレンジしてほしいなと思いますね
吉中 個性が強い感じがしていて、練習参加して日が経たないですけど新入生が来てくれたことによってチームに活気がさらに出てきたかなと感じています
折居 例年4年生と新入生は宮崎合宿でコミュニケーション取る形なんですけど今年特殊で宮古島と宮崎に分かれてという形で、自分は宮古島だったのでまだあまりコミュニケーション取り切れていないので、学年の色であったり個人を把握できていない部分があるんですけど、その中でも寮内の雰囲気を見ていると「ちょっと緊張しているかな」というところがあって、さっき駿恭も言ってくれましたけど控えめというか本来の自分を出し切れていないのかなというのもあるので、そこは全体でしっかりフォローしつつ、徐々に色だったり競技面でもガツガツと活気を出してくれるんじゃないかなと期待しています
—合宿での新入生も控えめ?
吉居 いや、割とすぐに打ち解けて練習以外の場所では割と控えめじゃなくて(笑)コミュニケーション取って、先輩ともけっこう打ち解けている感じはしましたね
—今年の四年生の強み
篠原 個性が強いと言いますか、全体の目標も見据えているんですけど、一人一人の目標もしっかり定まっていて、それに向かって各々頑張っていて「個」が強いなという印象です
吉居 競技に真剣に取り組んでいる者が多い学年だと思うので、ストイックというかどんどんプラスを生んでいける学年で、まだ全員とは言えないので増やしていって後輩にも切磋琢磨とかそういう姿勢を浸透させて広げていきたいなと思います
吉中 篠原が言ってたように個性が強い学年で、駿恭も言ってたように競技力が高い選手が多い学年だと思うので、しっかり競技の面から引っ張っていくことができるのがこの学年の強みかなと思います
折居 吉中と篠原が言っていた部分と重なるんですけど、個性っていうのがこの学年のキーワードかなと思っていて、練習面でもそうですし最上級生になって学年ミーティングをする回数も増えているんですけど、その中でもズバッと意見を言えるというか、それぞれが思ったことを、自分を発信できていると思うので、チームをいい方向に変える意味でもプラスに働いているかなと思います
—中大全体としての強み
篠原 コーチが4人態勢であるということが強みかなと感じていて、環境がすごい整っているので各々の競技力だったり課題に合わせた練習ができるところかなと思います
吉居 スタッフが充実していて、日本代表経験者も多いですし。コーチの大石さんとかもポイント練習ほとんど一緒にやってくれるので、それは強みです。あとは競技を楽しめる環境にあるので、その状況が悪い方向に行ってしまう可能性もあるんですけど、競技を楽しむというのは選手の意欲も高まるのでそこは強みなんじゃないかなと思います
吉中 二人が言ってくれたようにスタッフが充実しているのもありますし、環境としてもトレッドミルだったり器具がすごくいいのもありますし、トラックと駅伝をどちらもしっかりと取り組むのが中大だと思うので、駅伝だけではなくてどちらも取り組めるのがこのチームの強み、いいところだなと思います
折居 みんなスタッフだったり環境面を言ってくれたので自分からは選手のことを言おうと思います。大学駅伝の強豪の中でも、スポーツ推薦が10人くらいで自分みたいにたまに一般生が入る感じで比較的少数精鋭のチーム。その中で上の学年が自分を出して、個性を出して、他の学年の選手もより良い個性を出している。個性が凝縮されて、磨かれていくものがあるんじゃないかなと思います
—キャプテン就任の経緯
吉居 全日本終わったときにチームの状況的にもあまりよくなくて、学生コーチの長嶋(翔太・総3)と、白川(陽大・文3)と溜池(一太・文3)でたまたま全日本終わったときに話して「自分たちの誰かがやるべきなんじゃないか」という話をして、その次の学年ミーティングの時に立候補しました。「競技にストイックにやっているし、いいんじゃないか」と認めてもらった感じで、やらせていただきました
—キャプテンという立場は
吉居 やっぱりキャプテンは考えることが多いので、自分としてもトラックシーズンに向けてやっている時期なので気持ちが世界陸上のほうにもあって、「どうすれば出られるか」ということばかりを考えてしまって。チームのことも考えないといけないとなると、少しチームのほうをおろそかになってしまったりという反省があるので、昨年までは自分の分だけでよかったところをチームのことを考えないといけないのは、まだ悩んでいる部分でもありますし、箱根駅伝まで10か月ほどのところで、全員が目標に向かって熱意を燃やせているかと言われるとそうではないので、どうやったらそういった選手たちも熱意をもって「箱根駅伝優勝」という目標をこの時期から持ってやっていけるかというところを難しく感じていますね
—キャプテンとしての理想像は
吉居 まずは結果を出すということと、練習への取り組み。しっかりやっているなと思わせる背中を見せていきたいというのと、チームを盛り上げて巻き込んでいきたいというのがありますね
—副キャプテンとしてどのように取り組みたいか
吉中 駿恭が競技力で引っ張っていくというところで、僕は競技力というよりは周りを巻き込んでみんなでコミュニケーションをとりながらやっていこうと考えていたので、そこのバランスで他の4年生から推薦みたいな形で僕が選ばれた形ですね。僕も4年生として背中を見せていかないといけないと思うので、しっかり練習からみんなを引っ張れるところは引っ張って、私生活では僕の強みはみんなとコミュニケーションをとれることだと思うので、チーム全体に声をかけていきたいなと思っています
—寮長としての取り組み
折居 基本として自分がしっかりしているというか、行動でしっかり示していけるような人になりたいなと思っていて、やはり寮長になって既に日頃の掃除であったり寮の環境について指摘しないといけないところが出ているので、指摘する立場になったときに自分がルールを守っていないとなれば「そんな奴に指摘されても」ということになると思うので、そこは自分がルールを守る側の人間として示していきたいなと考えています
—主務としてどのように支えていきたいか
篠原 少しでも何かプラスになることがあれば積極的に動いていきたいなと考えておりまして、主務業をしていく中で大きい事案や小さい事案があると思うんですけど、時間がない時には優先順位をつけないといけないなと考えていて、チームに小さな風というか何かいいことがあるように丁寧にどうやってプラスの影響が出るかを考えてやっていきたいなと考えています
—今年度の目標
篠原 チーム全体として箱根優勝を目指していく中で、選手が競技に集中する中で見えていない部分などを選手の「目」となって、なるべく選手の視野を広げることをサポートしていければなと思います。広い視野を持てるようなチーム像で箱根優勝に向かっていければと考えています
吉居 まずは東京世界陸上に出場してチームに勢いをつけていきたいというのと、今年はキャプテンも任されているので、しっかりチームを盛り上げるような行動や発言をして、チーム全員が箱根優勝を目指したいと強い気持ちを持ちたくて、そのために練習に取り組んでいって、箱根で勝てるようにしていきたいなと考えています
吉中 個人としてはトラックシーズン5000㍍で日本選手権出場と10000㍍27分台を目指してやっていきたいと思っていて、駅伝シーズンでは箱根駅伝優勝と出雲・全日本の表彰台を掲げているので、そこに貢献できるように任された区間で区間賞・区間3番以内というところを目標に頑張っていきたいと思います
折居 個人としてはロードで、長くなってくるほど強みが生かせるかなと考えているので、残り一年しか残されていない中でハーフに絞って最低でも62分前半で走って、箱根駅伝へのチャンスをつかみたいなと考えています。チームとして箱根駅伝総合優勝が最終目標になってくるので、自分ができることとして生活環境をそろえる、特に近年は箱根駅伝が近づいてきたときの感染症というのがチームの課題としてあがっていると思うので、選手が戦わずに悔しい思いをしないように、自分ができる取り組みを考えて実行していきたいなと考えています
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