2026年5月14日~17日 神奈川県・伊勢原射撃場
気温が30度に迫る暑さの中、関東学生スポーツ射撃選手権春季大会が開催された。昨年は学連主催試合の多くが栃木県ライフル射撃場で行われたが、今年度は開催地が変更。例年と異なる環境に苦戦する選手も見られたが、藤田琴子(商2)が10㍍女子エアライフル(AR)で6位に入賞した。
〈女子〉
大会3日目に行われた50㍍スモールボアライフル(SB)本選2組目には松本夏音(商3)が出場。この種目では、うつ伏せで両肘を付いた状態で撃つ伏射、片膝を立てる膝射、安定感が鍵となる立射の3姿勢でそれぞれ20発ずつを射撃し、出場者全員のうち合計スコア上位8名がファイナルに進出する。
▲立射に臨む松本
射程が50㍍のこの種目は、的までの間に屋根がない射場で行われる。朝から変則的な風が吹いていたこの日、松本は「まだ(風を考慮する)その域に達してない」としながらも、「風が強すぎる時には撃たないようにしようと心掛けた」と工夫。高得点が続いた間も集中力を切らさず、この種目中大女子勢トップとなる562点をマーク。しかし本選10位と惜しくもファイナル進出を逃した。
大会最終日の10㍍ARファイナルには、本選を8位で突破した藤田が登場。本選上位8名が出場するファイナルでは、60発を撃って合計スコアを競う本選とは異なり、スコアがリセットされた状態でまず一斉に10発を撃ち、そこから一人ずつが脱落していくサバイバル形式がとられる。
▲ファイナルで集中力を高める藤田
藤田は一斉に10発を射撃する第1ステージで6位。ここからは合図に合わせて1発ずつ発射するが、2発撃つごとに最下位が脱落していく第2ステージ。普段は緊張に強いと話していた藤田だが、学年が上がり昨年度とは違ったプレッシャーを感じていた。ファイナル独特の緊張感の中、第2ステージ3発目で藤田が放った10・3点の射撃がこの回のベストショットに輝いた。藤田はこの時点で全体5位。後の2発を終えて5位と順位を保ったが、その次の射撃で6位と順位を落とし、ここで脱落となった。
▲表彰状を手にする藤田
試合後のインタビューで藤田は、年明けごろから新しいフォームでの射撃に挑戦していたことを明かした。「点数がある程度は出てたんですけど伸び悩んでいたので、それ以上の点数を出すには変えるべきなのかなと思って」と、世代をけん引する選手としての向上心を口にした。試合結果について悔しい表情を見せたが、ここまでの積み重ねに一定の手応えを示した。
〈男子〉
10㍍AR本選では、大川蓮(商1)が全体14位、大川と1・5点差で萩原結人(文2)が22位に付けるなどしたが、中大勢はいずれもファイナル進出とはならなかった。主将の末次皇輝(商4)も「過去最低を撃ってしまった」と結果が振るわず、「感情にコントロールされず据銃(銃を構えること)などの基礎的な部分を固めていけたら」と課題を語った。
▲AR本選に臨む末次主将
50㍍SBでは萩原の本選14位が中大最高位となったが、日大や明大をはじめとする強豪が上位を占め、この種目でも中大からファイナリストは出なかった。
▲伏射で狙いを定める萩原
新しい環境での開催ということもあり納得のいく射撃をすることが難しい中、それぞれが次戦への課題を見つけた関東春季大会。6月、中大射撃部は同じ地で学生選抜競技大会に挑む。
◆コメント◆
末次皇輝主将
(10㍍AR男子本選後)
——今日の試合を振り返って
「(スコアは)過去最低撃っちゃったんですよ、全然内容良くなくて。めっちゃ悪かったです」
——試合開始前に藤田選手からジェスチャーで何か伝えられていたように見えたのですが
「自分が(サイトを)覗いている時間が長くて、それに気づいてなくて。覗いてる時間が長いとぼやけちゃうんですよ。それで点数が外れちゃったりして良くないんです。狙いすぎてしまうので、それに(藤田が)気付いて『長いよ』って」
——試合中、監督やチームメートからアドバイスはもらいましたか
「同じですね。構えている時間が長いっていうのと、もっとテンポ良く撃った方が良いと言われました」
——前回の東日本大会から今日までの間に工夫したことは
「メンタルトレーニングですね。点数を意識しすぎないように。フォームだったり銃を構えている時間の長さだったりにも気を付けています」
——今年のチームはどのようなチーム
「自分があんまりしっかりしてなくて(笑い)。でも下級生がすごいしっかりミーティングだったり新入生の指導を自主的にやってくれるので、主将としてはすごくやりやすい部活です」
——今年度の個人の目標、チームの目標は
「日本一です」
——明日(取材日翌日5月17日)のSBに向けての意気込みをお願いします
「今日がめちゃくちゃだったんで、明日は感情にコントロールされないように据銃(銃を構えること)だったり基礎的なところをもう少し固めていけたらと思います」
松本夏音
(50㍍SB本選後)
——試合の中で工夫したことは
「風があったので、風が強すぎる時には撃たないようにしようと心掛けてました。あとは10点台が連続している時があったので、そういう時は集中力を切らさないように気を付けました」
——直近の3月の東日本大会から今日までに変えたことは
「立射の姿勢でいつも焦ってしまうので、今日は落ち着いて撃とうと心掛けていました」
——50㍍SB女子では中大選手の中で最高順位でしたがその点について
「他の人にはいつも負けないように、中大ではいつも1位でいようと思ってるので満足です」
——次戦に向けての意気込みをお願いします
「次は(本選得点)570点が出せるように、本来の力で焦らず落ち着いて撃てるように頑張ります」
藤田琴子
(10㍍AR女子ファイナル後)
——今日の試合を振り返って
「悔しかったです。最近姿勢を変えたばかりで、練習するごとに姿勢に慣れていって全体的に点数は上がってきていて。自分の中での自信も上がっていたんですけど、練習量が増えた分緊張もするようになっちゃって、特にファイナルは緊張でちゃんと真ん中に撃てなかったなと思います」
——昨年の全日本の後の取材では「緊張には強い方」とお話しされていましたが、今日はまた違った
「そうですね。去年は『まだ1年生だし点数が出なくてもしょうがないよね』という余裕があったんですけど、後輩ができて学年が上がったことで『ちゃんとやらなきゃな』という気持ちが出てきて緊張が大きかったと思います」
——撃つ姿勢を変えようと思ったきっかけは
「点数がある程度は出てたんですけど伸び悩んでいたので、それ以上の点数を出すには変えるべきなのかなと思って変えました。1月ぐらいから変えようと思い始めて、2月に試行錯誤して、3月は学連の韓国合宿に行かせていただいたのでその時に結構見ていただいて姿勢が決まったという感じですね」
——韓国合宿選抜で得られた経験は
「姿勢をすごく見ていただけたので今まで以上に安定したものが作れたなと思いますし、他の大学の強い選手たちと過ごしたり、韓国のプロ選手に教えていただいたりしてもっと上手くなりたいというやる気につながったと思います」
——今日の本選では10・8、10・9など高得点が見られましたが、良かった点は
「新しい姿勢で安定が大きくなって真ん中を狙えるようになったので、10・8とか10・9が出せたのかなと思います」
——本選が620・3でしたがこの結果について
「点数自体は去年出ていた試合とそんなに変わらないんですけど、今日は会場が変わってみんなが苦戦している中で(自分は)そこまで変わらない点数が出せて良かったなと思います」
——ファイナルの2ステージ目でベストショットの10・3が出ましたが、それについてはいかがですか
「自分ではそんなにいい点数じゃなかったかなと思っていたんですけど、ベストショットで名前が呼ばれてすごいびっくりしました」
――姿勢以外のことで今日の試合に向けて工夫したことは
「試射の時間は大会では決まってるので、練習でも試射をそんなに多く撃たないようにしていました。あとは毎回練習で60発撃ち切るようにしていました」
――次戦に向けて意気込みをお願いします
「次(学生選抜)は中大から出られる人が少ないので、その中でも結果を残して、中大として活躍ができるように頑張りたいです」
◆大会結果◆
〈女子〉
10㍍AR
ファイナル 6位 藤田
本 選 23位 松本
〃 25位 細淵紗良(国経2)
〃 28位 山田彩世(法2)
〃 42位 浅野空奈(商2)
〃 43位 藤井愛子(商1)
〃 57位 森 悠乃(経2)
〃 59位 小林りか(商3)
〃 63位 田村琴葉(文1)
50㍍SB
本 選 10位 松本
〃 25位 藤田
〃 28位 小林
〈男子〉
10㍍AR
本 選 14位 大川
〃 22位 萩原
〃 30位 和田唯我(商4)
〃 46位 森 涼太(商3)
〃 68位 末次
〃 77位 青木 空(文3)
50㍍SB
本 選 14位 萩原
〃 17位 和田
〃 24位 末次
〃 36位 森涼
◆お知らせ◆
次戦は6月5日(金曜日)~6月7日(日曜日)に県立伊勢原射撃場で行われる日本学生選抜スポーツ射撃競技大会です。
(記事、写真:比留間柚香)
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