2026年9月5日 東京都・大井ホッケー競技場メインピッチ
関東学生リーグの折り返しとなる第3戦。ここまで2勝と波に乗る中大が対するのは昨年度学生日本一、そして社会人も含めた全日本選手権で準優勝まで上り詰めた早大だ。ここを制すればファイナル4進出へ勢いをもたらす大一番、中大は小倉健太郎(法4)の先制シュートを皮切りに前半から得点を重ね、さらに山田惇矢が3得点と躍動。点差を詰められる苦しい展開でもリードを保ったまま第3クオーター(以下、Q)を終えるが、最終第4Q残り5分で追い付かれ、終了間際にもう1点を奪われて敗戦した。
第1Q、主将の渡辺のフェイスオフ(以下、FO)で試合が始まる。試合開始のFOは早大に奪われたものの、ゴーリー(以下、G)の酒井尊(経4)が足元へのシュートを防いでボールを奪い、中大が攻撃に転じる。横田慈英(法4)と田中空(国経3)を中心にパスを回し、早大の陣地へ詰めながらオフェンスの陣形を整える。ここで横田と入れ替わりで小倉がピッチへ入る。すると田中からパスを受けた小倉が瞬く間にゴール前へ切り込み、ピッチインからわずか5秒ほどで早大から先制点を奪取。小倉の武器である俊足を生かした鮮烈なプレーに会場が沸いた。
▲先制点を決めた小倉(右)と喜ぶ香西
勢いをつけた中大は、早大のパスミスを逃さずに再びポゼッションを得ると、小倉、田中、横山翔洋(法3)の3人がパスでつないでシュートのタイミングを伺う。ゴール裏で小倉がパスを渡したのは山田。厳しいマークを張られながらも細かい動きでかわし、相手ディフェンスが転倒した隙を見てゴール裏から回り込んでシュート。中大に追加点をもたらした。
しかし第2Q開始直後、早大が意地を見せる。中大がパスを失敗するとそこで形勢が逆転し、早大オフェンス陣に詰められそのまま得点を許した。2-1とされ、点差を広げたい中大は八幡颯一郎(国経3)、小倉が果敢にシュートするが、相手Gの堅守に阻まれてしまう。早大も緊張感のあるディフェンスで中大をけん制し、しばらく敵陣でパスを回す時間が続いたが、この均衡を破ったのは横田だった。味方からのパスを受けてゴール正面に素早く回り、危なげなくシュート。3-1と再び2点差に戻した。
続くFOを獲得した中大だったが、ゴール付近で相手Gにボールを奪われ守りに転じた。早大に詰められるも、杉江智忠(法4)が1on1を張り、細谷啓人(商3)と共にプレッシャーをかけ続ける。G酒井の好セーブもありここでは得点を許さずクリアに成功するが、その後のプレーでポゼッションが早大に移り1点を返されてしまう。前半終了まで残りわずか、なんとかして追加点を得たい中大は直線的な速いパス回しでゴールへ詰め寄る。そして残り約50秒、山田がゴール近くに待機していた八幡にパスをすると見せかけて自らシュートした。このフェイントが効いて中大は4点目を挙げ、試合を折り返す。
▲得点した山田(手前)を囲むチームメートたち
第3Q、このままの流れでさらに点差を広げたいところだったが、早大も簡単には引かなかった。ゴール前にロングパスをつないでそのままシュートを許してしまい4-3とされる。さらにその次のプレーでは中大のシュートミスから早大が攻撃に転じ、井上真登(総4)が最後まで相手を食い止めたものの、G正面からワンバウンドのシュートを決められ同点に追い付かれる。
しかし中大も粘り強い攻撃力を見せた。香西隼人(経4)が早大からボールを奪うと中大のポゼッションとなり、浅岡祐輝(文2)から山田にパスが通る。するとゴールから距離がある状態で山田がすぐにシュートを放ち、これが貴重な勝ち越しゴールとなった。スコアを5-4とし、試合は最終第4Qへと入る。
▲山田は強固なフィジカルを発揮しこの試合で3得点
第4Qの立ち上がり、中大は積極的にゴールを狙って攻撃を展開。しかしQが後半に差し掛かったところでパスのミスが出てしまい、早大にボールを奪われる。吉田俊介(法3)と西澤旭(経3)がブロックし、G酒井も倒れこみながら相手のシュートを防いでなんとか1点のリードを保っていたが、試合終了まで残り5分で早大に追い付かれてしまう。
▲逆転の瞬間
昨年の王者相手にここまで逆転を許さなかった中大。残された時間で追加点を入れて勝利すべく、スタンドも部員と観客が一体となって声援を送る。ベンチのメンバーが祈るように見つめる中、タイムアウトが明けて試合が再開。勝負が決まったのはその直後だった。早大が至近距離からのゴールを決めて逆転し、試合が終了した。一進一退の試合展開でも最後まで耐えていただけに、中大の選手、マネジャーたちの頬には悔し涙が流れた。
この試合で3得点した山田は、敗れたものの「昨年度王者に対してもオフェンス、ディフェンスともに真っ向から通用し、純粋なラクロスの技術面では上回れていた」と話す。ファイナル4進出を懸けて臨む残り2試合。悔しい敗戦から確かな手応えを得た彼らは、次戦の明大戦へ前を向いている。
◆試合結果◆
●中大5-6早大〇
◆コメント◆
山田惇矢
——第3戦を振り返って
「昨年度の学生王者である早大を相手に、チーム全員が強い覚悟を持って挑み、自分たちの目指すラクロスが十分に通用することを証明できた試合だったと感じています」
——第2戦の後、チームや個人で変えたこと、意識してきたことは
「チームとしては、厳しい試合展開になることを見越した上で、ルーズボールをどれだけ自分たちのポゼッションにできるか、そして相手の強みであるトランジションからの失点をいかに防ぐかという点に重点を置いて準備してきました。個人としては、1対1の仕掛けには手応えを感じていたため、序盤から受け身にならず積極的にアタックしていくことを意識して臨みました」
——山田選手は3得点でしたが、それぞれの得点シーンを振り返って
「どの得点も自分の得意な形で取り切ることができました。特に3点目に関しては、相手に流れが傾きかけた苦しい時間帯に決めることができた得点だったため、自分の中でも非常に印象に残っています」
——今回の試合は前半を中心に中大のポゼッションが多く、早大にペースを譲らない展開が長く続いていたように感じましたが、何かチームで意識していたことなどはありましたか
「ルーズボールへの寄りの速さや、ボールロスト直後のライドの強度をチーム全員で徹底できたことが大きかったと思います。また、相手に分があると思われていたフェイスオフの局面で、想定以上に勝ち切って自分たちのポゼッションに持ち込めたことも、主導権を握り続けられた大きな要因です」
——一進一退の状況だった後半にはタイムアウトが多くありましたが、どのようなことを話し合っていたのですか
「オフェンス陣としては次のポゼッションでどう崩していくかの戦術を確認していました。同時にチーム全体として、徹底してきたルーズボールへの執着心やプレーの強度を絶対に落とさず、最後まで集中力を切らさないよう互いに士気を高め合っていました」
——今回の試合で良かったところや得られた収穫を教えてください
「昨年度王者に対してもオフェンス、ディフェンス共に真っ向から通用し、純粋なラクロスの技術面では上回れていた手応えを感じられたことが、チームにとって大きな自信になりました。また、フェイスオフ陣の目覚ましい成長を実感できたことも、次戦以降に向けて非常に心強い収穫です」
——今回の試合では相手から山田選手が厳しいマークを受ける場面が多くありましたが、相手に弾き返されてもボールを離さないフィジカルの強さを維持するために意識していることは
「特別なトレーニングなどはしていませんが、引退した先輩方を含めた、中大の狂犬DFとの鍛錬の成果だと思います」
——今回の試合での仲間のベストプレーを挙げるとしたら
「小倉の先制弾です。今まで積み上げてきたものが早大相手にどこまで通用するのか、全員の中に少なからずプレッシャーがあったと思います。その中で決めてくれた彼の先制点によって、『いける』と確信を持つことができ、自分自身も落ち着いて普段通りのプレーを出すことができました」
——次戦の明大戦に向けての意気込みをお願いします
「ファイナル4へ駒を進めるためには、もう一戦も落とすことはできません。目の前の一球、一つのワンプレーにチーム全員で全身全霊を注ぎ、泥くさく勝利をつかみ取ります」
◆お知らせ◆
次戦は9月12日(土)に中大多摩キャンパスラグビー場で行われる対明大戦です。
(記事:比留間柚香、写真:紀藤駿太)
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