3月10日 陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園及びその外周道路
今まで中大陸上部を引っ張ってきた4年生が引退し、新生陸上部が動き出した。そんな新体制となって迎えた今回の大会には1~3年生の14人が出場。これからの中大をけん引していく存在となる選手たちが、箱根駅伝予選会と同様のコースを駆け抜けた。
▲冬の成果を出すことができた大森。悔しさをばねに着実に成長している
出走したメンバーの中で最初にフィニッシュしたのは大森太楽(文2)だった。「15㌔までは想定していたペースでいけたが、公園内のアップダウンでペースが落ちてしまい目標タイムより15秒遅れてしまった」(大森)。1月に体調を崩し、満足に練習を積めなかったという大森だが、2月の合宿では良い走り込みができたという。箱根駅伝で出走機会のなかった大森は「2年生から5人も箱根を走って自分は控えで悔しい思いをした。まずは同学年に負けないということを意識したい。自分がチームの中心となって箱根をしっかり走れるように頑張りたい」と今後の抱負を力強く語った。チームに貢献する走りを目指す、大森の3年目が今スタートする。
▲体調不良が続き、終盤苦しい表情を浮かべる三須。調整も一つの課題となった
大森の次にゴールしたのは1月の箱根駅伝で3区を走った三須健乃介(文2)だ。三須は箱根駅伝終了後高熱を出し、今回のレース一週間前に行われた合宿でも胃腸炎を発症するなど体調不良の時期が続いたという。「今回のレースに出ようと決めていたけど、小手先で合わせる感じになってしまった。後半は状況を見極められなくて、動かなかった」と苦しいレース展開を振り返えるとともに調整不足を悔やんだ。そんな三須の次なる目標は10000㍍で28分台を出すこと。28分台を叩き出せば、エースへの道がぐっと近づく。「自分たちの学年は競争心があるので競い合いながら頑張りたい」(三須)。大森たちとしのぎを削り、さらなる速さを手に入れる。
▲楽しみな戦力が充実している2年生。箱根駅伝で成長を見せた矢野郁人(文2)もその一人だ
Wエースの中山顕(法4)と堀尾謙介(経4)が引退し、彼らの抜けた穴をどのようにして補うかということが課題とされる新生陸上部。藤原正和監督は「大エースたちが抜けて、今年はどちらかというと育成の年になる」と新戦力の育成を掲げる。しかし、育成の年といえども結果を問われるのが勝負の世界。「春のトラックからタイムを出し、勢いをつけて全日本大学駅伝の予選、そして箱根駅伝予選会につなげたい」と藤原監督は選手にトラックからの活躍を期待する。また、中大OBで箱根駅伝解説者の碓井哲雄氏も「(今大会の結果を受けて)やっぱり東洋大や駒大は強い。そして、上級生が強いチームもやっぱり強い。これからしっかりやって、上にいく選手がいないといけない」と上位校との差を痛感しつつも、次なる新戦力の台頭が重要だと語る。偉大な先輩を送り出し、春からはトラックに勝負の場を移す選手たち。次なるエースに名乗りを上げるのは一体誰なのか。その瞬間を春の訪れとともに待ち望む。
◆大会結果◆
73着 大森 1:04:44(PB)
142着 三須 1:05:39
161着 岩佐快斗(経3)1:05:53
165着 二井康平(文3)1:05:56
169着 矢野 1:05:58
194着 加井虎造(文2)1:06:26(PB)
239着 岸俊樹(総3) 1:06:50(PB)
352着 手島駿(商1) 1:08:03(PB)
373着 中野雄介(経1)1:08:16(PB)
443着 井上大輝(法1)1:09:17(初)
567着 谷澤竜弥(経1)1:11:30
609着 藤井拓輝(商1)1:12:22
652着 森智哉(商1) 1:13:38
DNF 安永直斗(経3)
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部