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吉居が圧巻のスパートを見せ優勝!藤原監督「100点のレース展開」溜池は帰国後初レースー第58回織田幹雄記念国際陸上競技大会

2024年4月29日 広島県・ホットスタッフフィールド広島

4月29日、広島県広島市のホットスタッフフィールド広島にて、第58回織田幹雄記念国際陸上競技大会が開催され、長距離ブロックからグランプリ種目の5000mに吉居駿恭(法3)、溜池一太(文3)の二名が出場。悪天候の中、吉居が自己ベストに迫るタイムで優勝を果たし、今季初戦となった溜池も自己ベストに迫る走りを見せた。

▲自己ベストに迫る快走を見せた吉居

「練習があまり良い形でできていなかった」という吉居。スタート直後からペースメーカーが率いる先頭集団を形成すると、10人ほどの集団でレースは進む。悪天候ということもあり、「中盤、選手の後ろ走っているので水がかかってお腹が冷えてきたのですごく不安になりました」と不安要素があったことを明かしたが、集中力を切らすことはなかった。ペースメーカーが抜けた4000m付近で吉居が先頭へ出ると、一度は中国電力・コスマスムワンギに先頭を譲りながらも、残り300m付近で再び先頭へ立ち、自慢のスプリント力で他を寄せ付けなかった。ラスト一周は57秒台まで上がり、「あれしかなかったかなというレース展開をやってくれたので100点だと思う」と藤原正和駅伝監督も納得の表情を見せるレースだった。

圧巻のラストスパートを見せ、一着でゴールした

レース後、吉居はタイムについて「前半いいペースで余裕もあって(自己ベスト)いけるかなと思いましたけど、ペースが落ちたところで少し厳しいかなと思いました。中大記録まで狙えるペースだったので、そこはもったいない感じがします」と語った。その一方で、レース全体については「悪くないなという感じ。集団のペースが落ちたところで前に出ることができなかったところは、練習で自信を得ることができず消極的になってしまったので改善点ですけど、悪い中で少し光が見えるレースになったので、自信をもって取り組んでいけるレースになりました」と振り返った。

帰国後初レースとなった溜池

トラックシーズン初レースとなった溜池は「アメリカから帰ってインフルエンザになってうまくいかない時期があり、 今日もそこまでいい状態で迎えられなかった」と、自身のコンディションを明かした。その影響もあったのか、「いつもだったら始めから行くところを身構えて前に行けなかった」と語るように序盤から後方でレースを進めた。それでもレース後半には集団からこぼれた選手を抜かしていき、10着でゴール。タイムも自己ベストに5秒まで迫るタイムで、「もう少し行けば自己ベストは出たかなと思う」と語るほど、調子は戻ってきているようだ。また、異国の地での練習について「走るのが本当にすごく楽しくてキツいとかも一切思っていなくて、アメリカの人たちは練習中もすごく喋りますし、楽しむことがまず大事だなと思いました」といい、現地での練習に大きな刺激を受けていた。「内容が良かったので、そんなに重くとらえず、関カレ(関東インカレ)に向けて頑張っていこうと思います。もっといけると思いました」と次戦について語った。

今大会について藤原監督は、「(吉居)駿恭は優勝してポイント加算が欲しいことと、ある程度のタイムを出してワールドランキングを上げたい。溜池に関しては、トラック初戦だったので、体の重さがある中でインカレにつながるような走りをしてほしかった」と出走の意図を説明した。その上で「64秒台でずっと周っていくという話は事前に聞いていました」と語り、二人のレースプランについて「駿恭に関しては、もうとにかくペースメーカーの後ろでリズムを取って3000m以降頑張ろうと。溜池に関しては、恐らく64秒台だと速いと思ったので『後ろのポジションからでも構わない、5000mで力が出し切れるように』という話をしました」と明かした。

今後の目標について吉居は「もちろんパリを狙ってずっとやってきているので、そこはぶれずに。苦しいシーズンインになりましたが、まだ諦めずやっていきたいと思います。パリ目指してやっていきます」と語り、5月19日に開催されるセイコーゴールデングランプリ(GGP)、その先のパリ五輪へ向けて意気込んだ。溜池は「まずは関東インカレでチームのために走りたい。そのあとは6月の日体大で(5000mで)13分30秒を切れたらいいなと思っているので、そこをターゲットにしていきたい」と自己ベストの更新へ意気込んだ。一年次からチームの柱として活躍する二人も、上級生としてより一層チームを引っ張る立場となった。関東インカレとGGP、大会は異なるがそれぞれの目標達成へ向けて進んでいく。

◆大会結果◆

①吉居駿恭(法3)13’24”06

⑩溜池一太(文3)13’44”71

 

◆コメント◆

藤原正和駅伝監督 *一部抜粋

―二人の調整の具合は

駿恭は熊本(金栗記念)が非常に苦しい走りだったのですが、そこは僕らも織り込み済みで、逆に三月しっかり練習できたという強さでもあったので、ここに向けて二週間きっちり上がっていけるという自信をもって調整することができましたので、やってきたことは間違ってなかったと証明できたかなと。溜池はアメリカから帰ってきて、一か月ここに向けてみっちり練習してきた中で、非常にアメリカで意識高くなって(笑)ジョグやトレーニングをより一生懸命やるようになって、まだ形になるには時間がかかると思いますけど安定感のある走りが出てきたので、順調な形でここまでくることができたかなと思います

―タイムと順位のどちらを重視したか

駿恭は、オリンピックやワールドランキングを考えるとタイムと順位、両方とも出さないといけないので、「二兎を追った」という形になりますかね。溜池は、状態の把握というところが最優先事項だったので、どちらかというとタイムをという感じですかね。

―溜池は関東インカレに出場、(吉居)駿恭の予定は

駿恭の場合はオリンピック選考、GGPが5月19日にありますから、そちらを最優先で年間スケジュールに入れているので、インカレはパスさせてもらってという形ですね。溜池に関しては、5000mをしっかりと走れることはよくわかっているので、より練習を積みだした中で今年求めたいのが10000mとハーフマラソンなので、それを含めて10000mで関東インカレやってみようかというところで、なんとか上位入賞したいですね。

―日体大記録会でもPB選手が複数出たが、練習の雰囲気や状態は
今年は試合に数出ていくよりは、狙った試合で出ていくということをチームで統一意識としてやっていて、その分練習の時間が長くなるので、できるだけ飽きさせないように全員で楽しみを持っていい雰囲気を作ってやっていますので、そういう意味ではチームの雰囲気はいいですかね。そこに結果が伴ってくると「俺も俺も」となってくるので、ここからのチームの進化を期待して5月頑張っていきたいなと思います。

(記事:遠藤潤、写真:遠藤潤、大日方惠和)

 

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