９月20日 中央大学多摩校地運動施設陸上競技場
※感染防止対策を十分に考慮した上で取材を行っております。また、事前に陸上競技部さんに取材許可をいただき、写真の撮影等も行わせていただきました
【後期授業開始に際して】
「中大スポーツ」新聞部は、体育連盟所属部会として中央大学学友会からの許可を頂き、活動再開後も学内外問わず全ての取材活動において計画書を提出し、ガイドラインを徹底の上、取材活動を行っております。引き続きご理解のほどよろしくお願い致します。
暑苦しい夏も過ぎ去り、残暑を感じさせない快適な気温の中行われた5000ｍタイムトライアル。今年は新型コロナウイルスの影響で大会自粛や活動が制限されている中、夏に取り組んできた練習の成果を確認する数少ない機会。未来の中大を背負う期待の１年生を中心に出場し、5000ｍを駆け抜けた。
レースは１組目、２組目ともに森智哉（商３）と山田俊輝（経１）が2000ｍまで先頭と後方で集団を挟む形でペースを作り、その後は森凪也（経３）が集団を引っ張った。
▲森智を先頭とした集団と選手を見守る藤原監督
１組目に出走したのは丸山大輝（法１）、濱田宙尚（商１）の２人と練習として参加した伊東大翔（文１）。森智が引っ張る形で縦長の隊列を作り、レースはスタートした。序盤は一定のペースを保ちながら進むが、3000mを過ぎた辺りから徐々に遅れる選手が目立ち始める。
そんな中食らいついて見せたのが丸山だった。「（森凪）先輩について行くことだけを考えていた」と最後まで力を出し切りフィニッシュ。タイムは14分25秒５と自己ベストを大幅に更新した。一般入試で入部した丸山が目指すのは、かつて堀尾謙介氏（平30卒・現トヨタ自動車）と共にWエースと呼ばれ、丸山同様に一般入試組の偉大なOBである中山顕氏（平30卒・現Honda）。「自分もスポーツ推薦組には負けたくない」と、笑顔を見せつつ心のうちに秘める思いを語った。
▲ラストの直線で自己ベストを狙う丸山（右）と丸山を励ます森凪（左）
２組目に出走したのは居田優太（経１）、中野翔太（法１）の２人に加え、練習の一環として参加した井上大輝（法３）と伊東。初めて1日で5000ｍ２本を走った伊東は、１組目で目指していた14分30秒台にしっかり乗せることができたが、２組目ではペースのギャップに苦しみ、「最後の方少し（足が）動かなくなった」とレース終盤の課題を口にした。
中盤以降から粘りを見せたのは居田、中野の２人。居田は4000m付近で抜きに出ようと試みるが上手く出れず、一度ペースを下げてしまう。それでも「凪也さんに引っ張ってもらっていますし、監督からの激もあったので落ちきれないと思った」と最後まで踏ん張り、14分４秒０と高校時代の自己ベストを更新した。
▲ペースメイクをする森凪（中）とその後ろを追う居田（右）と中野（左）
その後ろに付けたのが中野。新型コロナウイルスによる自粛期間中、焦点を当てて取り組んだのは動きの改善だった。最後まで安定した走りを見せ、14分5秒２でフィニッシュ。「効率を重視し、かつ実践的なスピードに持っていけるように動きの改善を行うことができた」と中野にとって有意義なレースとなった。
▲ゴール後グータッチを交わす森凪（右）と中野（左）
森凪は１年生を精一杯引っ張り続け、時には後ろを振り返りながらまだまだいけると後輩たちを鼓舞する姿も見えた。箱根路の７区で納得のできる走りができず、悔しさをにじませたかつての森凪はもう居ない。「去年よりも２段、３段上の練習ができ、自信になるような夏を過ごすことができた」。箱根へのリベンジに燃えるチームの要には、上級生の風格が感じられた。
今日のタイムトライアルを藤原監督は「それぞれが目的を持って全体的に良い走りができていた」と振り返る。１年生には大きな自信になっただろう。新型コロナウイルスの影響で全日本大学駅伝が戦わずして落選になるなど、雪辱を期した上半期。それでも１日１日を大切に、選手たちはできることに取り組んできた。その結果「速い」だけではなく「強い」長距離選手への成長が見て取れる。今年は箱根経験豊富な上級生だけでなく強力なルーキーも加え、戦力は十分。来年１月２、３日を名門復活の転換点とすべく、まずは来月の予選会で圧倒的な強さを見せたい。
◆タイムトライアル結果◆
１組目
①森凪 14分25秒４
②丸山 14分25秒５
③伊東 14分30秒４
④濱田 14分49秒４
＊森智・山田は2000ｍまで
２組目
①森凪 14分03秒１
②居田 14分04秒０
③中野 14分05秒２
④伊東 14分36秒４
＊森智・山田は2000ｍ、井上は3000ｍまで
記事・写真：「中大スポーツ」新聞部
