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9年ぶりの出雲駅伝で3位表彰台 吉居大は区間賞「チームとして3位に入れたのが一番良かった」─第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走

▲笑顔でフィニッシュする吉居駿

2022年10月10日 島根・出雲大社~出雲ドーム 

中大にとって9年ぶりの出雲全日本選抜駅伝競走(以下、出雲駅伝)で3位表彰台に輝き、目標の「3位以内」を達成した。出雲路のトップ3は2012年の第24回大会以来、10年ぶり。トラックシーズンからの好調を維持し、三大駅伝初戦で好スタートを切った。個人では、1区の吉居大和(法3)が区間賞を獲得。続く2区の千守倫央(商4)が区間新記録の走りを見せた。(記事:松本あゆみ、若林拓実 写真:杉浦瑛俊、古川紗菜、石坂明日香、鈴木咲花、渡辺朗将、角谷優希、若林拓実、小幡千尋、二村沙羅、松本あゆみ、片岡芹菜、井口縁)


◆大会結果◆
①駒大  2時間08分32秒
②国学大 2時間09分24秒
③中大  2時間09分48秒

1区 8.5km 吉居大和(法3)22分32秒 区間1位
2区 5.8km 千守倫央(商4)15分41秒 区間3位=区間新
3区 8.5km 中野翔太(法3)24分12秒 区間7位
4区 6.2km 阿部陽樹(文2)18分16秒 区間3位
5区 6.4km 溜池一太(文1)19分14秒 区間2位
6区 10.2km 吉居駿恭(法1)29分53秒 区間4位

スターターの1区を務めた吉居大は今年の箱根駅伝を想起させる走りでスタート直後から先頭に立つ。「自分がマークされるだろうと思っていた。最初から飛び出すつもりはなかったが、周りが遅かったら自分のペースで行こうと決めていた。早くから後ろが離れたので、そこからは自分の走りに集中できた」と、後続を振り切った。

▲軽快な走りをみせる吉居大

区間新記録にあと2秒と迫る好タイムだったが、「正直もっとタイムを出したかった。状態がそこまで上がっていない状態で100%の力を出すことをイメージしていた。区間新も狙っていたので悔しい気持ちもあるが、1番で襷(たすき)を渡すことができて安堵している」と振り返った。

チーム目標である3位を達成したことについては、「個人としての結果もうれしいが、チームとして3位に入れたのが一番良かった」とした上で、「その中で2位やそれ以上の結果も見えるレースだった」と、強豪校と互角に戦えたことで自信を深めたようだ。

▲千守は区間3位の好走

最短の2区は今季調子を取り戻した千守が出走し、区間新記録の快走で区間3位だった。「(吉居)大和が1位で持ってきてくれた襷(たすき)を1秒でも早く中野(翔太、法3)に渡すことだけを考えていた。駒大には抜かれてしまったが、最低限粘って良い位置で襷(たすき)を渡せた」と4年生の意地を見せた。

▲青学大・近藤と並走する中野翔

各校のエースが集う3区には1万メートルで中大記録を保持する中野翔が区間7位の粘走を見せた。「もっと良い順位を取りたかったが、すごいメンバーが集まっていて正直怖かった。ただ、あまり尻込みすることなく走れた」と、エース区間の大役を果たした。

▲向かい風も区間3位の阿部(写真提供=青山スポーツ新聞編集局)

向かい風の厳しい4区は今年の箱根駅伝5区・6位の阿部陽樹(文2)が区間3位の力走で3位を死守。藤原正和駅伝監督の「向かい風に強い」というお墨付きを体現した。阿部は自身の役割について、「『前との差を縮めて3位以降のチームとの差を広げること』だったが、前との差があまり詰まらず、区間順位ももう少し上を目指せたと思う」と自己分析した。

▲国学大・藤本と競る溜池

5区はルーキーの溜池一太(文1)が出走。ラストの直線で藤本(国学大)を振り切り区間2位で大学駅伝デビューを飾った。2位で吉居駿恭(法1)へ襷(たすき)をつなぎ1年生ながら力強い走りを見せた。「いつもテレビで見ている側だったので三大駅伝を走らせてもらえて幸せだった。楽しかった」と振り返った。藤原監督も「一番難しい展開だったが、よくやった。最後勝ち切れたことも評価したい」と労った。

▲吉居駿は「全く歯が立たず…」と振り返った

最終6区を任された同じくルーキーの吉居駿は「ラスト勝負だと思っていたが、まったく歯が立たず実力の差を感じてしまった」と悔しがった。1年生ながら最長の6区を任された背景には、指揮官の期待と兄・大和の事情があった。「まず将来のエースとしてこの6区を経験してもらいたいという思いがありました。加えて、兄・大和の調子が上がりきらない状態だったので、本来であれば駿恭を1区にして大和が3区、アンカーに中野翔を配置するのがベストだったと思うが、それができず駿恭をアンカーに回す決断をしました。彼は今回の結果に満足していないと思いますが、十分やってくれたと思います」。

9年ぶりの出雲路にベストメンバーで挑み、チーム目標の3位を勝ち取った中大。青学大や国学大、順大などの強豪校と互角に戦えたことは大きな自信になった。藤原監督は、「目標の3位以内に入ってくれて安堵しています。ただ優勝を目指していた部分もあるので悔しさもあります。優勝するためには『欲』が必要だと選手たちもわかったと思います。次戦の全日本は昨年の経験もありますし、戦力的にも十分戦えると思っています。『勝ち』にこだわってチーム編成をしていきたい。そろそろチームとして優勝を見据えていきたい」と力強く語った。

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