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前半のビハインド跳ね返す『強さ』 全勝Vへ一直線!ー関東大学ハンドボール秋季リーグ戦 対法大

10月18日 国士館大学多摩体育館

 

ここまで盤石の試合運びで3戦負けなしと、好調を維持して迎えたブロックリーグ最終戦の相手は法大。勢いそのままにと行きたいところだったが、前半はフィニッシュのところでシュートミスが相次ぐなどし、なかなか思うように試合を進めることができない。しかし後半は「修正点の共通理解はできていたし、タイムアウト中にもそれぞれで話してというのができていた」(安永翔主将・法4)と、今リーグでも再三見せている『修正力』と『層の厚さ』で見事持ち直し、白星を挙げた。

 

▲この試合でも鋭いシュートをゴールに突き刺し、計6点を挙げた部井久アダム勇樹(法3)

 

「攻めれてないわけじゃないし、シュートまで行けてるんだけど…。前半は最後のシュートが入らなくて、セットでの得点率がかなり低かった」(実方監督)というように、6分に中村翼(法3)がチーム初得点を挙げるまでシュートミスが続き、思うように得点を挙げることができない。そんな中、前半2分と5分に法大に連続得点を許し、いきなり2点ビハインドと苦しい立ち上がりとなる。それでも11分から13分にかけて速攻を絡めながら、蔦谷大雅(法2)、中村翼、福本吉伸(経4)の3連続得点で、すぐさま逆転に成功。そして15分には相手選手の2分間退場によって数的優位にも立ち、リードを広げられるかと思われた。しかし、この2分間で得点を挙げることはできず、流れに乗り切れない。その後は一進一退の攻防を繰り広げたが、21分から法大が3連続得点で中大は再び追いかける展開に。寺島健太(総4)や福本、蔦谷らの得点で何とか食らいつくが、27分から連続得点を与えて2点差に。さらに法大のタイムアウト明け、残り13秒のところでもゴールネットをを揺らされ、11-14と3点のビハインドで、この試合を折り返した。

 

▲順大戦に引き続き、先発出場の福本。「大学ハンドもあと2週間しかないので練習からさらに気合入れて、最後勝って、優勝して気持ちよく終わりたい」と意気込む

 

前半終了時に3点ビハインドと今までにない展開だったが、浮足立つところなく、選手同士でコミュニケーションを取りながら試合の中で修正できるのが今年の強さだ。前半こそシュートが枠外に外れることも多かったが、2分に部井久が強烈なシュートで得点を挙げると、3分にはパスカットから福本が落ち着いて1対1を決め、さらに4分には部井久から受けたパスを寺島が確実にものにして3連続得点。「後半開始5分まだで追いつけたのが大きかったし、ハーフタイムで話したこともしっかりできていた」(実方監督)とここからはシュートミスも減り、宮城風太(経3)の好セーブやディフェンスからの速攻も決まり、連続得点を重ねた。15分以降は選手を入れ替え、多くの下級生も起用。「層が厚く、下級生を出しても崩れずに試合ができるのが今年の強みの一つ」(実方監督)と交代したメンバーもきっちり結果を出し、試合を締めた。前半こそ苦しんだが、後半は『修正力』と『層の厚さ』という今年の強さを存分に見せ、28-23で勝利した。

 

▲終盤は選手を入れ替えて多くの下級生も出場。上山陽平(総1)の初得点に笑顔で応える、同じく1年生の伊禮雅太(法1)

 

これでグループAを4戦全勝で突破。次戦は同じくBグループで全勝の早大と1位・2位決定戦となる。泣いても笑ってもこの試合が2020年ラストマッチ。試合後には「優勝だけしか見ていない」(蔦谷)、「最後も負ける気はないし、『全員ハンド』で楽しんでやれれば結果はついてくる」(安永主将)と力強い言葉も返ってきた。

リーグ前には『全勝優勝』を掲げ、その目標まであと1つのところまできた。前回リーグ優勝を果たしたのは平成12年秋季リーグ。実に20年ぶりのリーグ制覇に向けて、そして有言実行の全勝Vへ。春季リーグ、そしてインカレが中止と想定外の事態に見舞われた2020年を笑顔で締めくくるためにも、関東最強を証明する試合にしたいところだ。

 

▲この試合も主にサイドから5得点を挙げる活躍を見せた蔦谷

 

◆試合結果◆

〇中大28(11-14、17-9)23法大●

 

◆コメント◆

実方監督

「前半はシュートまで行ってるんだけど、そのシュートが入らないって展開でチームが乗れなかったし、それで相手に流れが行ってしまった。それでもオフェンスもディフェンスも全然悪くなかったし、ハーフタイムは流れを戻せるようにしっかり自分たちで立て直そうと伝えた。後半はその通りになったし、いい形でできたと思う。リーグ戦を戦ってればこういう試合もある。シュートが入らなくてそのまま負けちゃったということもあるんだけど、今年のチームはそうなっても負けないので、それが自分たちの強さだと思う」

安永主将

「(前半は)やるべきことをやれていなかった。気持ちの部分で少し抜けていた部分もあったと思う。それでも修正点がどこかはチーム全体で分かっていたし、相手のタイムアウトの時も皆で話し合ってできていた。最終戦は点差とか気にせず、『全員ハンド』で楽しんでやれたら結果はついてくると思うので、がんばるというのもあるが全員で楽しむ試合にしたい」

福本

「前半ノーマークシュートを外してしまったりして、相手に流れが行ってしまった。次の早大戦は前半から気合入れて、チーム全員で勝ちに行きたい。残り1試合で、2週間しかないので、練習から気合入れて、最後勝って気持ちよく引退できるようにがんばりたい」

蔦谷

「『全員ハンド』が最初はできていなかったが、徐々にできるようになってきて、中大らしさを見せれたような気がする。最初から優勝しか見ていなかったし、自信もってここまで来ても当然くらいの気持ちでやれている」

 

◆今年もやります!~4年生特集~◆

毎年恒例!チームを支える4年生を紹介するこの企画。第4回目の今回は、西山仁選手(文4)と寺島健太(総4)のお二人です!

 

〈西山仁選手編〉

▲日大戦で待望の初得点を挙げた西山

 

――ハンドボールを始めたきっかけを教えてください

西山「中学の部活からなんですけど、小学生最後の半年だけドッチボールをやっていて、球技つながりで近しいものはないかと思っていたときに、中1の最初にお世話になった先生がハンドボール部の顧問で、そういう縁もあって、実際やってみたらハンドボールいいなと思ったので始めました」

――一般生として中大に入部されましたが、その経緯はどのようなものだったのでしょうか

「高校の最後の試合前に骨折しちゃってて、最後の試合に出れなかったんですよね。それでここでハンドボール人生終わってもいいものか考えた時に、多くの人が高校で辞める中で、最後まで挑戦しないとハンドボール人生終えられないなと感じていたので、大学まで挑戦したい気持ちでしたし、中大が強くなってるということも調べていく中で知ったので、ここに行こうと思いました」

――今リーグでは初得点も挙げましたが、その時の気持ちはどうでしたか

「めちゃくちゃうれしかったですし、周りからの歓声だったり、色んな先輩からも連絡が来たりして。一般生として入って、チームに必要とされてるんだってのを試合の中で実感できて、自分はいるぞって証明できてすごくよかったです」

――同期はどのような存在ですか

「自分を救ってくれた人たちですかね(笑)。1年生で一般生で入ってってなると4年生の先輩とか怖くてなかなか会話できなかったですけど、そうなると悩み聞いてくれたり話したりってのは同期しかいなくて。そういう中で、特にこの代は会話しやすい人が多い代だなと思いますし、今のチームの雰囲気に繋がっていると思います」

――最後に一言お願いします!

「自分もようやく点を決めれたので、あとはみんなで優勝しよう! ハンドボール人生を優勝で締めくくりたいです!」

▲西山の好きな言葉は『竹』。「竹は1本だけではすごく見えないですけど、強くしなやかなものがたくさん並んでるから見た時に感動すると思うんです。自分は中学からチームスポーツを続けてきて、強いチームは個々が自立して目標に向かってると思うので、それを竹に見立てて自分もその中の強い1本でありたいという意味を込めています」

 

 

〈寺島健太選手編〉

▲法大戦で得点を挙げる寺島

 

――ハンドボールを始めたきっかけを教えてください

寺島「小学校の時に野球をやっていたんですけど、ちょっと飽きてしまって(笑)、中学入学してハンドボールってのを初めて知って、その時のハンドボールの先生が日本代表を教えていた先生で、その先生に声を掛けられてというのがきっかけです」

――中大に入学した理由はなんですか

「着実に力をつけてるチームって印象で、早いタイミングから声もかけて頂いていて。あとは一緒に呼ばれてる今の同期のメンバーを見た時に、知ってる人も何人かいたので、これなら強くなると感じたのも中大を選んだ理由の一つです」

――今のチームの雰囲気はどうですか

「試合を追うごとに色々修正を加えて、仕上がってると思いますし、最後の順位決定戦が一番大事になってくるので、そこに向けてがんばっていきたいです」

――ハンドボールとはどういう存在ですか

「まだ20年ちょっとしか生きてないですけど、ここまでの人生でハンドボールが助けてくれたと思いますし、本当に生きがいですね」

――最後に一言お願いします!

「チーム全員で最後優勝して、負けなしで引退して、ハンドボール人生に終止符を打てたらいいなと思ってます!」

 

▲寺島の好きな言葉は『乾杯』。「自分はお酒も好きなんですけど、性格的にも明るい方なので、『乾杯』って明るい言葉ですし、人の出会いを大切にするとか、自分に合ってる言葉だと思います!」

 

 

次戦は10月31日(日)13:30~1位・2位決定戦 対早大です。本リーグ戦は無観客試合のため、一般のお客様はご入場いただけませんこと、ご理解ください。男子1部リーグ戦は全試合ライブ配信されます。詳しくはこちら(http://www.asahi-net.or.jp/~zb3m-knk/2020A_live_schedule.html)をご覧ください。

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部