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前半からリードを奪うも徐々に追い上げられ、後半残り20秒で逆転され悔しい敗戦─関東学生アメリカンフットボール連盟秋季リーグ戦 対東大戦

2025年10月12日 東京都・アミノバイタルフィールド

先週は立大RUSHERS相手に悔しい逆転負けを喫した中大RACCOONS。リーグ後半戦の初戦の相手は東大WARRIORS。前半までに2個のタッチダウンを決め終始リードする展開で試合を進めるも、残り20秒で逆転のタッチダウンを決められ悔しい敗戦を喫した。

 前半から中大のオフェンスが冴えわたる。開始早々、パスやQB小野一真(法2)のスクランブルで相手陣に進入する。前半開始2分、相手陣40㍎付近からQB小野が左へ展開し「うまく抜けることができた」とそのまま走り切ってタッチダウン。中大が幸先よく先制する。

▲タッチダウンを決め喜ぶ小野㊨ 

 中大はディフェンスでも躍動する。DB竹之内康汰(法4)を中心に素早いタックルで東大相手に陣地を進ませない。オフェンス陣もWR島田武直(法2)のパスレシーブやRB上村聖哉(商3)のランなどで陣地を進め、流れ良く第2Qへ。

 第2Q、WR島田へのパスで大きくゲインすると、WR新保颯(商2)へのパス、QB小野のスクランブルランでエンドゾーン付近まで攻め込む。しかし、タッチダウンを取ることはできず、フィールドゴールで3点を追加する。

▲この試合で何度もパスレシーブを見せた島田 

東大は、ランプレーを中心にオフェンスを展開し、着実に陣地を進める。第2Q中盤にフィールドゴールを決められ3点を返される。

 第2Q後半になっても中大のオフェンスの勢いは止まらない。パスやランなどの多彩な攻撃でエンドゾーンまであと4㍎の地点まで攻め込む。ここで、今日はベンチスタートの主将松岡大聖(法4)がチームに声をかける。次のプレー、「(QB小野からのパスを)すごい良い景色で良いボールをもらえた」とWR野際建太(経3)がエンドゾーンでパスを受け取りタッチダウン。17ー3と点差をつけて試合を折り返す。

▲前半終了間際、タッチダウンを決める野際

14点をリードし迎えた第3Q。東大オフェンスに対応するため研究を重ねてきた中大ディフェンス陣は、LB3人・DB3人を配置するフォーメーションを組み、サードダウンコンバージョンを的確なタックルで封じていく。オフェンスではQB小野とWR新保のホットラインが繋がり、着実にヤードを重ねる。さらにRB上村を生かしたスペシャルプレーなど多彩な攻撃でファーストダウンを更新していくが、あと一歩のところで得点に繋がらない。第3Q終盤、東大の攻撃が勢いを増し、じりじりとヤードを奪われると、ついに相手エースRBにタッチダウンを許して7点を返される。

▲ディフェンスのようす(㊤も)

リードを7点に詰められて迎えた最終第4Q。WRの松岡と吉原を欠く中で組み立ててきたオフェンスには、徐々に疲労の色が見え始める。交代選手も出る中、QBを小野から畑尾櫂(商2)にスイッチし、なんとそのまま小野をWRとして起用した。しかし攻撃権を東大に奪われると、勢いづいた東大オフェンスに連続でゲインを許し、最終的には30ヤード以上のビッグプレーで同点のタッチダウンを決められてしまう。

流れが東大に傾く中、中大オフェンスは再び主導権を取り戻そうと奮起。QB畑尾を中心に、WRとして出場した小野などオフェンス陣が一体となって攻撃を組み立て、着実に前進していく。エンドゾーン目前まで迫り、タッチダウンを狙うも惜しくも成功には至らず。それでもK小林隼人(商2)が冷静にフィールドゴールを決め、中大は3点のリードを取り戻した。

攻撃権が東大に移り、中大ディフェンスは必死にリードを守ろうと奮闘する。しかし残り約20秒、勢いに乗った東大オフェンスの攻撃を止めきれず、痛恨の逆転タッチダウンを許す。中大は惜しくも勝利を逃し、非常に悔しい敗北となった。

▲フィールドゴールを決めるK小林

◆試合結果◆
●中大20(7-0、10-3、0-7、3-14) 24 東大〇

◆コメント◆
WR 野際健太
──今日の試合を振り返って

(第2Qでタッチダウンを)とれたのはすごい良かったんですけど、大事な場面で自分がプレーを崩してしまったなとすごい思ってて、そこでもっとフィニッシュ受ければチームが上に盛り上がって行けたんじゃないかなと。そこが後悔しているところです

──第2Qのタッチダウンについて

上からで景色がいいってずっと言ってたので、自分は一真(QB小野一真)が投げてくれるのを待つだけだったので、すごいいい景色でいいボールをもらえたかなっていう感じです

──次戦(明大戦)の意気込み

(この試合が)レシーバーの主力が欠けた中で、やっぱすごいアラが出た試合だったと思うので、次はもっともっとギアあげて、自分たちがあげて、ワイドユニットとオフェンス全体でもっと点取って次戦必ず勝ちます

 

DB 竹ノ内康汰

──今日の試合を振り返って
ディフェンスは前半良くて、後半っていうのがずっと去年からの課題で。気持ちは負けてなかったと思うんですけど、役割を全うしきれなかったところとか、キャッチアップの展開になって追いつかれるってなった時に、焦って自分の役割を遂行できなかったところが敗因かなと思います

──ディフェンス陣がこの試合に向けて意識していたことは
東大オフェンスは特殊で、他のチームとは違ってフレックスボーンとかプロボーンっていう東大独自の隊形でランプレーを展開してくるっていう中で、ミーティング時間を削ってでもウォークするとかランするっていう合わせをやって、とにかく役割確認を徹底していて。1週間で準備するのは大変だったんですけど、そこはミーティングの時間とか個人の時間とか、授業を削ってもらって来てもらったんで、そこは東大戦に向けてやれたことかなと思います

──随所で良いタックルが出て簡単に流れを渡しませんでしたが、ご自身のベストプレーはどれですか
第2Qでフィールドのピックされた時にタックルして止めたプレーです

──チームメイトのベストプレーを挙げるとしたら
ディフェンス全員良くやってくれたので。負けたのでベストではないかもしれないですけど、良くやってくれたディフェンス全員かなと思います

──次戦に向けて一言
絶対勝ちます。負け込んでみんな勝ちの感覚から遠のいてると思うので、絶対勝っていい形で後輩につなげられたらなと思ってます

 

QB 小野一真

──第1Qのタッチダウンはどういう気持ちで走り込みましたか?
オフェンスとしてレシーバーとかにプレー入ってなくて、みんな慌てた状態だったので、自分の気持ち的には行けるところまで行こうと思って、それがうまく抜けれてよかったのかなって思います

──先週より得点増えたが、先週と変えたところや改善したところはありますか?
メンバー的に先週より、今までスタートだったレシーバーたちが全部抜けちゃって厳しい状況ではあったので、それでも先週よりも自分で走ることも視野に入れつつ、レシーバーを信用してレシーバーに多く球を捕らしてあげるっていうのは先週よりも意識したことかなと

──キャプテンの松岡さん出てない中で意識してたこと
大聖さん(=松岡大聖)がいない分だけフェアに見れたというか、大聖さんがいると大聖さん頼りのオフェンスになってしまう部分があったので、それが良い意味でも悪い意味でも偏っていたオフェンスになってしまっていたっていうのはあるので、そういう部分で今回はちゃんとフラットに一人一人見れたのは良かった部分ではあるのかなと思います

──第4QにWRやってパスキャッチしていたが、あれは練習されていたり?
自分自身公式戦、中学生以来、公式戦初レシーバーだったので緊張した部分ではあったんですけど、元々やってたこともあって練習してたりもしたのでそこは自信持って自分の、1プレー目でボールをキャッチできたのもあったのでそこからは自分が通用するっていうことがわかったので、そこからはすごくやりやすかったです

──この試合の反省点と次戦に向けて
この試合はやっぱり前半で、この試合に限らず、前半で自分たちがリードする部分があったにも関わらず、後半で落ちてしまうっていうのは通年の、このシーズンの課題ではあると思うので、持続力だとか相手に逆転された後にもう一回自分たちが逆転し返すっていう攻撃力、オフェンス力は自分たちに必要だと思うので、そこは次戦また明治とは絶対競った試合にはなってくると思うのでそこは意識していきたいと思います

◆お知らせ◆
次戦は10月25日(土曜日)にアミノバイタルフィールドで行われる対明大戦です。

(記事:沼澤春日、紀藤駿太 写真:比留間柚香、沼澤春日、紀藤駿太)

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