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区間エントリー発表 中野「区間賞を取ってチームを勢いづけたい」ー全日本大学駅伝展望

大学駅伝日本一決定戦が11月7日に号砲をむかえる。中大は6月に行われた選考会を5位で通過し、第44回大会(2012年)以来、9年ぶり28回目の出場。チームはシード圏内の「8位」を目標に掲げる。
全日本は愛知・熱田神宮から三重・伊勢神宮までの8区間、106.8㎞で争われる。200km超の箱根と比べおよそ半分の距離ではあるが、シード校との実力を測る試金石となる。
三浦拓朗(商4)、吉居大和(法2)ら予選会メンバーが順当にエントリー。加えて10月中旬に行われた中大記録会10000mで好走した井上大輝主将(法4)、山口大輔(文1)がメンバー入りした。(記事:若林拓実)


▲エース吉居を1区に投入。さらに、今季絶好調のルーキー阿部陽樹(文1)を2区に起用した。前半から攻めの駅伝を展開してシード校を脅かしたい。

三浦、復調なるか

5区にエントリーした三浦は今季、ホクレン5000mで13分41秒05をマーク。選考会は日本人6位で伊勢路出場に大きく貢献した。予選会は不発だったが、実力は折り紙付き。「彼が爆発した時は本当に強い」と藤原正和駅伝監督も4年生エースのポンテンシャルに期待を寄せる。

箱根9区7位の手島駿(商4)はロードで抜群の勝負強さを誇る。今夏は故障に苦しんだというが、予選会では集団走をけん引。今大会最長のアンカー区間で持ち味を発揮する。

7区に起用されたのは、中澤雄大(経3)。昨年、急成長を遂げ10000mは28分台に迫る、29分00秒40を記録。初めての箱根は7区5位と単独走で強さを見せた。今季は学生ハーフに出場し長い距離への対応は十分にできている。各校のエースが集結する区間でどんな走りを見せるか注目だ。

吉居はトラックシーズン5000mで東京五輪を目指し、その後じっくりと長い距離を走り込んで駅伝に備えてきた。夏合宿でも30km走を昨年よりも高いレベルで消化できたという。予選会はチームトップで走破し練習の成果を確認した。最短距離の1区を任されたエースは持ち味のスピード生かしてレースを動す。三大駅伝の区間賞となれば2012年の出雲駅伝1区、代田修平氏(平25卒)以来9年ぶりとなる。

中野がエースに成長 1年生にも勢い

中野翔太(法2)は今季5000mで2度、自己ベストをマーク。13分45秒19までタイムを引き上げた。昨季は度重なる故障に悩まされたが、今年は継続して練習を積めていて、夏の強化練習では藤原監督が吉居と並ぶ「2枚看板」と評価するまでに力をつけた。
新エースは各校の主力が集う3区にエントリー。「区間賞を取ってチームを勢いづけたい」と意気込む。

今季絶好調のルーキー阿部は2区にエントリー。6月の選考会は2組・2着、先日の予選会は日本人1年生トップと主要レースで結果を残した。後半の粘りと安定感が武器の19歳は駅伝デビュー戦でも輝きを放つ。

6区に起用された東海林宏一(経1)は5000m・10000mともに1年生トップの記録を持つ。予選会はチーム6番手、63分台にまとめた。全日本に向けて、「チームの上位進出に貢献できるように頑張りたい」。

大会2週間前に箱根予選会が行われ、シード校と比べ調整に難しい面があることは事実。ただ、指揮官はこの過密なスケジュールの中で本当の「強さ」を証明したいと語る。「予選会と全日本、二つのレースを決めて強さをもって箱根本戦に臨んでいきたい」。

手島は「シード権獲得、個人では区間3番以内を目標に頑張ります」。中大にとって9年ぶりの出場となるが単なる復活にとどまらない、大きな飛躍を誓う。

各区間の特徴

【区間】距離  中継場所 
前回大会の区間賞獲得者(所属)記録
短評

 

【1区】9.5km 熱田神宮西門前~ファーストカーゴ前

三浦 龍司(順大) 27分07秒 区間新

今大会、唯一の10km未満の区間。最短距離ではあるが、出遅れはなんとしてでも避けたいところ。有力校がけん制し合い、スローペースになる可能性もあるため、ラストスパートに余力を残しておきたい。

【2区】11.1km ファーストカーゴ前~長島スポーツランド前

川瀬 翔矢(皇學館大・現Honda) 31分24秒

前半の流れを決める重要区間。各大学はエース級を配置し、激しい主導権争いが繰り広げられる。コースは比較的フラットで、スピードランナーがしのぎを削る。

【3区】11.9km 長島スポーツランド前~霞ヶ浦緑地前

中谷 雄飛(早大)33分42秒

前半区間で最長の11.9km。こちらも各校、主力を投入し駅伝特有の「流れ」に乗っていきたい。小刻みなアップダウンが続き、橋を8つ通過する。天候次第で風の影響も受けそうだ。

【4区】11.8km 霞ヶ浦緑地前~ファミリーマート鈴鹿林崎町店前

石原 翔太郎(東海大)33分16秒 区間新

小刻みなアップダウンを繰り返しながら、徐々に上っていく区間。箱根を見据えて山候補の起用が濃厚か。シード権に向けて4区終了時点で先頭と1分差以内にとどめたい。

【5区】12.4km ファミリーマート鈴鹿林崎町店前~ザ・ビッグエクストラ津河芸店前

佐藤 一世(青学大)35分47秒 区間新

最初の5kmは下り基調。その後は比較的フラットな道が続く。例年、ルーキーの起用が多く新戦力の台頭に期待。

【6区】12.8km ザ・ビッグエクストラ津河芸店前~ベイスクエア津ラッツ

長田 駿佑(東海大)37分22秒 区間新

起伏が少なく平坦なコース。この辺りから単独走が想定される。一人でも淡々とペースを刻んで前を追いかけたい。

【7区】17.6km ベイスクエア津ラッツ~JAみえなか前

神林 勇太氏(青学大) 51分17秒

距離変更以前は11.9kmだったが、延長に伴いエース区間となった。コースは比較的フラットで、スピードとスタミナの両方を兼ね備えた精鋭が集う。

【8区】19.7km JAみえなか前~伊勢神宮内宮宇治橋前

田澤 廉(駒澤大)57分34秒

今大会最長のアンカー区間。留学生を擁する大学は大幅なジャンプアップを狙う。コースは中盤まで緩やかな下りが続き、ラスト5kmはやや急な上りが待ち構える。白熱した優勝争い、シード権争いは最後までわからない。