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【第173号掲載記事・陸上競技部】真紅の襷(たすき)が出雲路に帰還、目標達成も悔しい表彰台!ー第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走

百万の神々が集まる地に深紅の襷(たすき)が、厳かに、そしてド派手に帰還した。名だたる強豪校を相手に9年ぶりに出雲路に帰ってきた中大陸上部が躍動!まさしく深紅に燃えるような熱い走りで、3位表彰台に食い込んだ。三大駅伝初戦、これ以上ないスタートを切った中大陸上部は箱根制覇に向けて突っ走る。

※「中大スポーツ」第173号1面の本文を掲載しております。

◇   ◇   ◇

▲フィニッシュする吉居駿

3位以内を目標

出雲路に強烈な風が吹きすさぶ中、「3位以内」を目標に掲げた中大のレースが始まった。45・1キロを6区間に分けて走る出雲駅伝。前日会見で「前半3区間、いかに前に付けるか。それ以降は向かい風にどれだけ粘っこい走りができるか」と語っていた藤原正和駅伝監督。大事な1区を任されたのは吉居大和(法3)。夏に右足を故障し状態が心配されていたが、スタートから飛び出しそのまま独走。「状態が上がってない中で、100%を出すことをイメージしていた」という吉居大は迫る後続を振り切り、区間賞を獲得。今年の箱根駅伝1区をなぞるような見事な走りでエースの意地を見せた。2区を走った千守倫央(商4)は復活を印象付ける区間3位の好走で、襷を繋ぐと、エース区間の3区を任されたのは今季好調の中野翔太(法3)。強豪校のエースたちが顔をそろえる中で、「悪くない走りはできた」と納得の走り。強烈な向かい風となった後半、4区では阿部陽樹(文2)が出走し、区間3位。5区、6区では溜池一太(文1)、吉居駿恭(法1)の1年生コンビが活躍。溜池は区間2位、吉居駿も区間4位と好走。出雲ドーム前のゴールに両手を上げて飛び込み、3位表彰台を確定させた。

負けない走りを

「3位に入ってくれたので安堵(あんど)しています。ただ優勝を目指したいということもありましたので、そこに近づけなかったのは悔しいところではありますね」。目標としていた3位以内確保、不調だった吉居大の区間賞獲得、千守や新戦力の好走など、多くの収穫があった今年の出雲路。しかし、藤原監督は悔しさをにじませた。監督だけではなく、ほとんどの選手が大会後、悔しさを口にした。吉居大の不調もあってベストな布陣では臨めなかった中大だが、それでも勝ちにいった。監督をはじめ、メンバーはあえて優勝を口にせず、「負けない走り」をしようと心がけていた。しかし、それでも「欲」は隠せない。優勝した駒大とは1分16秒差。その一秒一秒に「もっと縮められたかも」という「欲」が詰まっている。「もっと欲が必要。元の目標を否定するわけでもないが、勝ちにいっても3位というのを分かってくれたと思う」。

表彰台で悔しい

中大は今年の箱根駅伝において6位でシード権を獲得した。その際アンカーを務め、ゴールテープを切った井上大輝前主将(令4卒、現・大阪ガス)が残していった言葉がある。「来年は6位で悔しいと言えるチームになっていると思う」衝撃の箱根駅伝予選会での敗退から6年。あの日のどん底から這い上がり、出雲路に帰ってきた中大は「表彰台で悔しい」と言えるチームになった。泥に塗れたその先に深紅の襷を掲げるべく、そして「優勝してうれしい」と笑顔を作るべく、頂を目指す「白地に赤のC」の力走が今年の伊勢路、箱根路をさらに沸かせてくれるはずだ。

記事:角谷優希、写真:杉浦瑛俊)

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2022年11月3日(木・祝)付で「中大スポーツ」第173号を発行いたしました。詳細はこちら