▲昨年の箱根駅伝予選会では2位通過を決めた
第98回箱根駅伝予選会が10月23日に陸上自衛隊立川駐屯地で行われる。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で開催されるが、箱根駅伝本戦出場を懸けた選手たちの熱い走りに注目だ。(記事:牧島駿太)
鍵を握る集団走
予選会では各校12人が走り、その中から上位10人の合計タイムで争われる。しかし、年々この合計タイムが速くなってきており、本戦出場は熾烈(しれつ)を極める。そんな予選会を確実に勝ち抜くために、各大学が集団走を行う。留学生やエース級の選手を除いて集団を組み、主に8番目から10番目の選手が大きく記録を落とさないようにサポートを行う。そこでは個人の走力はもちろん、当日の天候やチーム状況などを考慮した監督の判断も大切になってくる。
速さから強さへ
「速さよりも強さを求めてやってきている」。藤原正和駅伝監督は今年の中大をこのように表現する。だからこそ厳しい環境にこだわり、暑さの中、強風の中で練習を積み重ねた。予選会当日も天候が予測しにくい状況であるが、「手堅くいくかチャレンジさせるか流動的に対応し、きっちりと決めたい」と語る。また、2週間後に全日本大学駅伝を控えるタフな日程にも、「夏は強化練習を長めにとり、しっかりとしたベース作りを徹底してやってきた」と疲労への対策も十分である。
▲エントリーメンバー14名の10000mとハーフマラソンの自己ベストは以上の通り。最高の布陣で予選会に挑む。
全日本大学駅伝選考会でチームに貢献した園木大斗(法2)を欠くが、その他の選手は順当にエントリー。中でも三浦拓朗(商4)、吉居大和(法2)の両エースが担う役割は大きい。両選手は「エースとして結果を残したい」(三浦)、「エースとしてチームを引っ張れるような走りをすることが自分の目標」(吉居)と意気込む。失速が許されないという重圧に耐え、チームに勢いをつける走りに期待が高まる。
3年生では、前回の予選会経験者である中澤雄大(経3)が着実に記録を伸ばしてきており、安定した走りでチームを箱根に導く。そのうえ、「吉居との2枚看板になりそうな手応えがある」と監督が語る中野翔太(法2)も大きな戦力だ。昨年はケガに苦しむ期間があった中野だが、今年はエース吉居と遜色のない練習をこなして「いい状態で今まで来ている」と自信をのぞかせる。
注目は予選会初出場となる1年生4人だ。夏合宿で「阿部が非常にいい練習をしてきている」と監督から名指しで太鼓判を押された阿部陽樹(文1)は、安定した走りが魅力でU20日本選手権の3000mでは7位と大舞台でも強い。一方、10000mの自己ベストが1年生でトップの東海林宏一(経1)は全日本選考会での悔しさをバネに初の予選会に挑む。他にも10000mで29分47秒の山平怜生(法1)と30分58秒の矢萩一揮(法1) が夏を経て、ハーフマラソンの距離にどれだけ対応できるのか注目が集まる。1年生は集団の中でのレースとみられるが、粘りの走りでチームの力となれるか。
さらに、倉田健太(商4)は予選会初出場となる。関東インカレハーフマラソンの入賞を果たした走力を発揮し、集団走でチームをけん引する。
高い前評判
中大は森凪也(経4)や助川拓海(経3)ら10000m28分台の選手が昨年から1人増えて5人エントリー。上位10人の平均タイムでは予選会出場校中2位と前評判が高い。しかし、「おごらずに走りたい」と三浦、油断はない。監督も予選会2週間前に行われた中大記録会で「もう一段上の強豪校の選手たちと比べて気持ちの面で厳しさの持ち方がまだまだ甘い」と課題を口にした。箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝と続く勝負の時、“強い中大”を示したい。
◆放送
テレビ
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ネット
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